陸上・駅伝

特集:第52回全日本大学駅伝

全日本大学駅伝チームエントリー発表・打倒関東勢編 強豪にどこまで迫れるか

皇学館大のエース川瀬翔矢は全国トップレベルの選手。その走りに期待がかかる(撮影・藤井みさ)

11月1日に開催される第52回全日本大学駅伝のエントリーメンバーが発表された。8区間106.8kmで競われるこの大会は、例年は13人までのエントリーとなるが、今回は新型コロナウイルスの影響も考慮して16人までの登録となった。この記事では北海道、東北、北信越、東海、関西、中四国、九州代表の10校のメンバーを紹介する。

※資格記録は10月7日提出時時点、各大学の申告による。10000mの資格記録を持たない選手は5000mのタイムを記す。

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北海道地区代表 札幌学院大学

3大会連続27回目の出場となる札幌学院大学。昨年は20位にとどまった。留学生のローレンス・グレの力が突出しているが、今年はコロナ禍でケニアからの来日が9月上旬までずれこんだ。グレを欠いた状態で選考会に挑み、「グレ頼み」を脱却し出場を決めた。目標は上位に食い込み、北海道枠を2に増やすことだ。

北海道地区選考会(北海道大学駅伝)、笑顔でゴールするアンカーの宮本(撮影・全日本大学駅伝事務局)

宇野翔(4年、黒石商)      29分55秒34
鈴木大聖(4年、滝川西)     30分53秒54
田中佑典(4年、室蘭清水丘)   14分37秒41
野村隼斗(4年、札幌山の手)   30分40秒51
工藤真(3年、八戸西)      32分25秒48
千菅諒(3年、滝川西)      32分49秒48
Lawrence Ngure(3年、札幌山の手)28分27秒16
椛澤智貴(2年、札幌山の手)   32分20秒03
木村一輝(2年、札幌山の手)   31分4秒56
倉本皓司(2年、三浦学苑)    15分30秒51
中里航(2年、八戸西)      31分38秒57
江川李生(1年、八戸西)     15分29秒43
大柳達哉(1年、明成)      14分42秒08
谷川純也(1年、札幌山の手)   29分46秒63
宮本蒼人(1年、北海道栄)    31分31秒11
村上一大(1年、秋田北鷹)    14分50秒31

東北地区代表 東北大学

13人の登録となった東北大学は、2大会ぶり14回目の出場。5人の院生がメンバーに入っているのも特徴的だ。松浦崇之は昨年日本学連選抜チームで走り、6区区間11位。出走すれば5回目の伊勢路となる。

柚木友哉(M2年、倉敷古城池)31分47秒69
松浦崇之(M1年、越谷北)  29分52秒62
脇田陽平(M1年、一宮)   32分6秒33
立野佑太(M1年、藤枝東)  14分44秒53
三浦大樹(M1年、仙台一)  33分28秒27
長田公喜(5年、高田)   15分51秒02
田沼怜(4年、秋田)    32分56秒79
木村秀(4年、秋田)    33分10秒83
黒須大地(4年、栃木)   34分47秒90
石垣雅生(3年、仙台三)  32分41秒72
牧野雅紘(3年、富山東)  32分33秒55
工藤大介(2年、盛岡三)  34分18秒12
八鍬佳紀(2年、山形東)  16分3秒78

北信越地区代表 信州大学

5大会ぶり14回目の出場となる信州大学。異例の3会場同時開催となった選考会を勝ち抜いて出場権をつかんだ。チームの中心は坪井響己と水野裕司の2人。ちなみに關凱人は今年東海大学を卒業した關颯人(現・SGH)の弟である。5年前の出場時は25チーム中23位だったが、それを上回る成績を残せるか。

坪井響己(M1年、狭山ヶ丘) 29分55秒23
野部勇貴(M1年、川越東)  31分24秒73
大島宏輝(4年、熊谷)   31分51秒98
水野裕司(4年、中村)   30分42秒82
關凱人(3年、諏訪清陵)  31分12秒95
林大輔(3年、奈良)    31分34秒58
森本真宙(3年、岡山一宮) 32分45秒03
石川寛大(2年、長野)   31分47秒58
吉岡篤史(2年、筑紫)   31分40秒17
松林直亮(1年、県西宮)  31分31秒56
菅沼直紘(1年、松本深志) 15分41秒33
小中龍之介(3年、明石北) 33分20秒41
中島徹(2年、京産大付)  15分48秒18
落合亮太(2年、清水東)  33分19秒80
安楽滉允(3年、楠隼)   35分21秒64
林徹郎(3年、千葉東)   37分34秒63

東海地区代表 皇學館大学

昨年19位の皇學館大学は4大会連続、4回目の出場。大学が三重にあり「地元」開催の駅伝に今年も出場を決めた。エースの川瀬翔矢は9月の日本インカレ5000mで2位。5000mの自己ベストは13分36秒93、10000mは28分26秒37と東海地区のみならず、全国トップレベルのランナーだ。ルーキーで佐久長聖高校出身の佐藤楓馬は選考会で組トップで走るなど、頭角を現し始めている。

選考会で積極的な走りを見せ、組トップになった佐藤(撮影・松永早弥香)

上村直也(4年、四日市工)   30分0秒79
川瀬翔矢(4年、近大高専)   28分26秒37
桑山楓矢(4年、いなべ総合)  29分34秒96
平山寛人(4年、鎮西学院)   29分45秒42
宮城響(4年、名護)      31分43秒17
鈴木翔也(3年、浜松日体)   30分59秒93
齊藤希龍(3年、津商)     14分56秒77
加藤元紀(3年、宇治山田商)  31分28秒99
柴田龍一(2年、三重)     32分14秒17
宮野蓮弥(2年、創成館)    30分52秒09
竹内啓一郎(2年、愛知)    30分29秒02
花井秀輔(2年、豊川)     30分30秒06
佐藤光(1年、鎮西学院)    15分8秒78
矢田大誠(1年、海星)     15分14秒83
鵜飼一颯(1年、中京学院大中京 31分26秒50
佐藤楓馬(1年、佐久長聖)   30分27秒81

関西地区代表 立命館大学

「関西の雄」立命館大学は長距離ブロックの全部員が15人と少数精鋭。昨年大学初の入賞を狙ったものの12位に。20大会連続32回目の出場となった今年も入賞を狙って走る。チームの中心は長い距離を得意とする吉岡遼人、対象的にスピードランナーの前川鉱導、山田真生。ハーフで1時間03分35秒のタイムを持つ岡田浩平も5000mの自己ベストを13分51秒02に更新するなど、着実にチーム力が底上げされている。

昨年3区を走った前川は区間13位だった(撮影・藤井みさ)

岡田浩平(4年、洛南)     29分27秒99
林紘平(4年、桂)       30分49秒95
前川紘導(4年、網野)     28分50秒35
吉岡遼人(4年、草津東)    29分8秒64
鈴木雄太(3年、豊川)     30分13秒79
高畑凌太(3年、草津東)    29分9秒64
永田一輝(3年、豊川)     30分22秒74
林海斗(3年、京都外大西)   30分35秒72
安東竜平(2年、山梨学院)   30分36秒69
松嶋陸(2年、須磨学園)    14分48秒08
松山旭良(2年、京都外大西)  30分45秒28
森田健太郎(2年、南陽)    32分38秒85
山田真生(2年、中京学院大中京)28分58秒88
北辻󠄀巴樹(1年、清風)    15分21秒25
谷口晴信(1年、網野)     30分34秒59

関西地区代表 関西学院大学

2大会連続10回目の出場となる関西学院大学。昨年は17位だった。昨年まではエース・石井優樹(現在NTT西日本)がチームの柱となっていたが、今年は総合力で戦う。昨年6区区間14位だった川田信は関西インカレハーフマラソンで優勝、チーム内でもハーフの最速記録を持つ。

沖見史哉(4年、和歌山北) 29分22秒71
川田信(4年、報徳学園)  29分8秒03
佐々木達平(4年、鎌倉学園)30分48秒42
志摩銀河(4年、鳴門)   29分37秒54
村田惇(4年、清風)    30分34秒30
藪野正大(4年、愛知)   30分22秒82
富家慈就(3年、豊浦)   31分11秒35
水口涼(3年、岩国)    30分32秒43
上田颯汰(2年、関大一)  28分50秒90
松尾侑介(2年、福岡大大濠)14分54秒03
今井由伸(2年、報徳学園) 32分33秒55
井手翔琉(2年、第一)   14分51秒22
岡田康平(1年、愛知)   14分28秒00
田中優樹(1年、報徳学園) 30分47秒20
守屋和希(1年、県西宮)  14分41秒21
佐藤良祐(1年、東北学院) 15分7秒41

関西地区代表 京都産業大学

8大会連続48回目の出場となる京都産業大学。全日本大学駅伝に現在まで出場した大学のうち、最多の出場回数を誇る。1986年の第17回大会では関西勢唯一の優勝も経験している。今季は新型コロナウイルスの影響もありチームとしての始動が遅れたが、昨年走った経験者が5人登録されているのは強みでもある。昨年の18位から順位を上げ、伝統校の意地を見せられるか。

市川佳孝(4年、中京)        31分18秒27
稲垣雄二(4年、草津東)       29分41秒96
畠中択実(4年、南部)        30分39秒24
片桐健太(4年、大垣日大)      31分45秒94
泉海地(3年、滋賀学園)       29分40秒57
浦田昂生(3年、智弁学園奈良カレッジ)30分36秒25
大川駿(3年、県西宮)        32分7秒63
坂口博基(3年、和歌山北)      29分41秒05
北澤涼雅(3年、久御山)       29分49秒58
松原渓士朗(3年、桂)        31分57秒67
時岡宗生(2年、美方)        14分55秒31
永本洋佑(2年、つるぎ)       15分6秒20
大石朝陽(1年、小豆島中央)     31分8秒32
宮川仁(1年、比叡山)        15分4秒57
片井宏哉(2年、西脇工)       14分52秒15
吉成啓介(1年、徳島科技)      15分9秒82

関西地区代表 びわこ学院大学

創部5年目にして全日本大学駅伝初出場を決めたびわこ学院大学。関西代表のうち3校が書類選考で決まり、第4代表のみ選考会となる変則的な選考を勝ち抜いた。選手のほとんどは高校時代に無名な存在。じっくりと練習を積み、「4年間で強くなる」方針で選手育成を行ってきた。全国でどのような戦いを見せてくれるか、まずは初陣に注目。

湯川(17番)と井上(24番)は10000mの自己ベストが29分台だ(撮影・藤井みさ)

岩本直樹(4年、摂津)        31分11秒56
小松原遊波(4年、大阪桐蔭)     30分5秒78
原陽宏(4年、長尾)         30分37秒88
湯川達矢(4年、日高)        29分50秒96
井上亮真(3年、飾磨工)       29分33秒55
奥翔太(3年、報徳学園)       32分9秒45
小西晃矢(3年、滋賀学園)      32分13秒69
杉岡洸樹(3年、智弁学園奈良カレッジ)31分4秒17
日隈友也(3年、飾磨工)       31分43秒03
鈴木拓海(2年、福知山成美)     31分33秒91
九野耀太(1年、京都外大西)     31分35秒79
小久保星音(1年、和歌山北)     30分28秒74
多賀井悠斗(1年、桂)        33分15秒11
田中夢人(1年、智弁学園奈良カレッジ)32分20秒73
永井友也(1年、京都両洋)      31分12秒93
西谷太一(1年、南部)        32分11秒02

中四国地区代表 広島経済大学

2大会ぶり23回目の出場となった広島経済大学は、大学としての過去最高順位は1994年、第26回大会の7位入賞。昨年中四国地区から出場した環太平洋大学に雪辱を果たし出場を決めた。2年生ながら主将となった福永恭平は、走りでもチームを引っ張る存在だ。また9月の日本インカレ1500mでは、中距離との二刀流を両立するスピードランナー・大竹康平が3位入賞と力を示した。

日本インカレ1500mで3位となった大竹(左)(撮影・藤井みさ)

一宮颯斗(4年、八幡浜)    30分17秒60
大竹康平(4年、倉敷商)    30分28秒50
河原洋太(4年、西条農)    30分0秒40
谷澤泰輝(4年、報徳学園)   30分59秒82
脇田怜司(4年、呉)      30分7秒95
山崎達哉(3年、玉野光南)   30分23秒16
斉藤諒(2年、豊岡総合)    31分40秒84
佐藤慶一(2年、水島工)    30分39秒61
高橋侑也(2年、三田松聖)   31分41秒88
竹平奏太(2年、上下)     31分22秒63
福永恭平(2年、三木)     29分55秒42
山﨑優希(2年、東播工)    31分49秒78
揚場康平(1年、高陽東)    14分58秒70
Karanja Josephat(1年、遊学館)29分44秒09
菊地大和(1年、飯塚)     14分47秒68
横田吏功(1年、明石城西)   33分26秒24

九州地区代表 日本文理大学

日本文理大学の出場は4大会ぶり10回目。例年10000mで争われる選考会だが、今年は5000mでの選考となった。エース山田泰史はけがあけだったが、距離短縮が出場への追い風となった。指導して2年目の石橋修監督は早稲田大競走部でキャプテンをつとめ、箱根駅伝への出場経験もある。指導経験豊富な監督のもと、メンバー内で競い合いながら1つでも上の順位を目指す。

山田泰史(4年、日本文理大付)30分17秒34
関穂嵩(4年、日本文理大付) 31分17秒22
米倉光祐(4年、東海大福岡) 31分4秒43
森口翔平(4年、塔南)    32分14秒35
遠藤那央(4年、翔陽)    32分58秒83
下郡潤平(4年、宇和)    31分22秒14
松浦諒(4年、宇和)     31分51秒18
岩下雄哉(3年、鶴翔)    34分33秒93
木原雄大(2年、日本文理大付)32分0秒31
上原健太郎(2年、球磨工)  32分46秒38
薬師寺典亮(2年、都城工)  34分34秒39
久冨大嗣(2年、大牟田)   32分4秒48
山口大地(2年、白石)    34分54秒55
田崎二千翔(2年、唐津南)  15分53秒33
一瀬雅人(2年、開新)    32分34秒96
福田椋太(1年、大分東明)  15分34秒79

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