陸上・駅伝

特集:第97回箱根駅伝

創価大が初の箱根駅伝往路優勝 榎木和貴監督「選手たちがしっかり準備してくれた」

5区の三上が首位を守り、創価大が往路初優勝を果たした(撮影・佐伯航平)

第97回箱根駅伝 往路

1月2日@東京・大手町~箱根・芦ノ湖間の107.5km
優勝 創価大学(初)5時間28分08秒
2位 東洋大学 5時間30分22秒
3位 駒澤大学 5時間30分29秒

第97回箱根駅伝往路は、出場4回目にして創価大学が初めて往路優勝をつかんだ。4区でトップに立つとそのまま首位を守り、史上19校目の往路優勝チームとなった。

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堅実な走りでつなぎ、4区でトップに立つ

レースは1区、はじめの1kmが3分30秒と異例の超スローペースから入った。ラストでの先頭争いを法政大学の鎌田航生(3年、法政二)が制し、トップで鶴見中継所へ。続いて東海大学の塩澤稀夕(4年、伊賀白鳳)、先頭から15秒差の3位で創価大の福田悠一(4年、米子東)が続いた。

2区は15位で襷(たすき)を受け取った東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント(2年、チェビルべレク)がごぼう抜きでトップに。一方、創価大はフィリップ・ムルワ(2年、キテタボーイズ)が区間6位の堅実な走りで2位通過。3区は東海大のルーキー・石原翔太郎(1年、倉敷)が快調に走りトップに躍り出る。創価大の3区を任されたのは葛西潤(2年、関西創価)。区間3位の走りで2位を守ると、昨年10区で区間新記録を更新した嶋津雄大(3年、若葉総合)につなぐ。

葛西から嶋津へ襷リレー。4区の嶋津で創価大はトップに立った(撮影・北川直樹)

1位とは34秒差で襷を受け取った嶋津は5.6kmすぎで東海大の佐伯陽生(1年、伊賀白鳳)をとらえて逆転。そのまま首位で小田原中継所に飛び込み、5区の三上雄太(3年、遊学館)が箱根の山へ。三上は先頭を走り続け、区間2位の快走で「1」のポーズを作り芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。小田原中継所では1分42秒だった2位との差は、2分14秒に広がった。

5区三上、自分の走りに徹することができた

榎木和貴監督の話
「まず1区の福田からいい出だしの流れを作ってくれて、2区のムルワが先頭争いをして2番で渡してくれたところで前半の流れは予定通り作れたと思っています。3、4区はしのぐ区間と思っていたのですが、そこで押し上げて5区の三上にいい流れでつなげてくれました。4区の嶋津で先頭に立ったのは予想外の流れでした。そこが三上に安心感を与えて、自分の走りに徹することができたのが往路優勝の要因だと思います。総合3位以内を目標にしているので、往路で絶対3位以上はとらなきゃいけない、と選手たちには覚悟して臨ませました。選手たち一人ひとりがしっかり準備してくれた結果だと思います。復路に向けては、他大学とのタイム差というよりも、100%どれだけ出し切るか、自分たちの走りを100%できるかに集中させています」

1区の福田は3位で襷をつなぎ、続くランナーに勢いをもたらした(撮影・北川直樹)

5区を走った三上雄太の話
「4区の嶋津が1位になって、(後続との)間をあけてきてくれた時点で、自分がしっかりと順調に自分の走りをできれば優勝できるんじゃないかと確信していました。最後のあたりはめちゃめちゃきつくて、足が動かないぐらいきつくて、最後までもつかわからないぐらいでした。下りは苦手意識があって怖かったんですが、もう最後だと思って足を壊す勢いで走ろう、と思ってしっかり下っていったら、いい具合で戻ってこれました」

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