陸上・駅伝

東洋大新主将・宮下隼人 「真の鉄紺のエース」となり、箱根駅伝総合優勝を目指す

今年の箱根駅伝、往路2位のゴールテープを切る宮下(撮影・佐伯航平)

東洋大学は昨年の箱根駅伝で10位になり、酒井俊幸監督は「1からチームを作り直す」として2020年の1年間取り組んできた。今年の箱根駅伝では総合3位の成績をおさめ、「次は改めて総合優勝を目標に」と語った。2021年、新しいチームの主将を務めるのは宮下隼人(4年、富士河口湖)だ。

酒井監督「『真の鉄紺のエース』となってほしい」

宮下は箱根駅伝で2年連続5区を走った。昨年は区間新記録で区間賞。今年は風が強かったこともあり、タイムを気にせず自分の走りに徹した。区間3位、チーム順位を5位から2位に引き上げ、東洋大の目標だった「総合3位以内」を大きく引き寄せる走りだった。

箱根駅伝のあとは帰省期間があり、帰寮した際に宮下は酒井監督から主将に任命された。酒井監督は宮下を主将に選んだ理由を「彼を中心としたチーム作りを考えて」だとコメント。宮下には「真の鉄紺のエース」となってほしいという思いがあるという。「主将としての責任を負うことで歴代のエースに負けない、世界に羽ばたいていける選手になってほしいと思います」と期待をかける。

箱根駅伝総合優勝を目指し「鉄紺の証明」

宮下は2年時には学生3大駅伝すべてに出場、昨年も全日本と箱根を走り、学年内ではもっとも力をつけている選手だ。しかしこれまでチーム内の役職にはついておらず、チーム運営の経験はない。だが主将に任命されたからには、副将の前田義弘(3年、東洋大牛久)、寮長の蝦夷森章太(4年、愛知)と協力してチーム運営をしていきたい、と意気込みを語る。

昨年11月の全日本大学駅伝ではアンカー8区を担当。レース後は上級生としての責任感を口にした(撮影・朝日新聞社)

今年度のチーム目標は、箱根駅伝総合優勝。そして宮下自身の目標は3大駅伝すべてで区間賞を獲得することだ。チームスローガンは「鉄紺の証明」と決まった。ここには「第97回箱根駅伝総合3位という結果が偶然ではないことを優勝を目指して証明する」、「鉄紺のチームスピリッツ『その1秒をけずりだせ』を体現し証明する」、「走りだけでなく人間性の成長を見せる、証明する」という3つの意味があるという。

4月には5000m高校記録保持者の石田洸介(東農大二)、1500mで高校歴代3位のタイムをもつ甲木康博(城西大城西)など強力な新入生も加入した。着々と総合力を高めているチーム。宮下を中心としてどんな結果を見せてくれるのか、今年度の東洋大からも目が離せない。

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