サッカー

EL埼玉・浅田真理奈 大東大初のWEリーガーとして「日々成長」「多くを吸収」

浅田はこの春に大東大を卒業し、楓昴初のWEリーガーとなった (c)ちふれASエルフェン埼玉

「楓昴(ふうすばる)」という愛称を持つ大東文化大学女子サッカー部は2005年に創部され、17年度に初めてインカレに出場した。以降はインカレ連続出場記録を伸ばし続け、4度目となった昨年度は3位の成績を残している。強豪校に肩を並べた大東大には次第に強豪高校から入学する選手も増え、その先に、今年9月開幕予定の女子サッカーリーグ「WEリーグ(ウィーリーグ)」を目指す選手も在籍している。この春に大東大を卒業した浅田真理奈(22)は、今年1月にちふれASエルフェン埼玉への加入が内定し、チームで初めて在籍時にWEリーグのチーム入りが決まった選手だ。

入学した時からインカレ出場記録が始まった

浅田は最終学年の昨年度、10番を背負ってシーズンに挑んだが、ほどなくして新型コロナウイルス感染拡大を受けて関東リーグが中断され、練習も満足にできない状況に陥った。サッカーに限らず大学スポーツ全体で練習環境が整わず、チームメートと会う機会も減り、チームワークの構築不足など、コロナ禍でのチーム運営に苦しんだ。

そんな中、チームはYouTubeとFacebookで日記をつけることに力を入れ始めた。Facebook では多くの選手の趣味や自粛中の過ごし方などを見ることができ、練習中止期間も選手が孤立することなく、チームのモチベーション維持につながった。そして次第に練習も再開され、チームは改めて「日本一」に向けて気持ちを高めた。

大東大は関東リーグ7位でインカレに出場し、2回戦では強豪・早稲田大学に勝利する快挙を見せた。3回戦では聖泉大学にPK戦で勝利を収め、悲願であった聖地・味の素フィールド西が丘への切符を手に入れた。準決勝の静岡産業大学戦、浅田は複数のポジションをこなせるという強みを生かして中盤で躍動。後半17分に浅田のシュートで同点に追いついたが、その直後に勝ち越しゴールを決められ、1-2で敗戦。大学でのキャリアを終えた。

インカレ準決勝の静岡産業大戦で浅田は後半17分に同点ゴールを決めた

浅田は4年間を振り返り、「入学当初は、初めての部活と初めての朝練で慣れるのが大変でした。朝練が終わった後、みんなで片付けをして走って授業へ向かったのが懐かしく感じます。4年連続でインカレに出場できてすごくうれしかったです。最後の年に西が丘に立てたことは1番の思い出になりました。4年間を通していろいろな試合を経験でき、成長できました」と語った。

始まったプロ生活「チームに不可欠な存在になる」

今年9月に開幕予定のWEリーグは、日本初の女子プロサッカーリーグだ。日本女子サッカー界を底上げし、その先になでしこジャパンが再び世界一になる未来を見据えている。浅田が所属するASエルフェン埼玉は埼玉に本拠地を置くWEリーグのオリジナルチームであり、浅田にとっては古巣でもある。ユース時代にちふれASエルフェン埼玉マリでプレーし、大学を経て、トップチームへ昇格した。

大東大在籍時に内定した初のWEリーガーとなった浅田だが、「初ということをあまり意識せず、サッカーに打ち込んできた」と語るように、大学で結果を残せばプロへの道が開けると信じてきた。浅田はサッカーにおいて尊敬している人を大須賀まき(現ちふれASエルフェン埼玉マリU-18監督)と言い、現在の浅田にはユース時代の教訓が生かされている。「サッカーの技術はもちろんのこと、挨拶、礼儀、思いやりなど、人間として大事なことを教わりました」。そのユース時代に培った基礎をもとに、浅田は大学で更に「チームワークの大切さ」を学び、プレーの幅を広げた。

大東大時代に学んだチームワークの大切さが、プロになった今に生きている (c)ちふれASエルフェン埼玉

浅田はプロとして「誰よりも努力し、チームに不可欠な存在になることが目標」と語る。中村憲剛さんのような選手を目指し、中盤の核として期待されるような選手になる。今シーズンは「日々成長して、多くのことを吸収して試合に出られるように頑張ります」と意気込む。

プロを目指す選手へ「1日1日の積み重ねが重要」

浅田は大学4年間、サッカーだけではなく勉強にも励みながら、「時間を有効に使うこと」を意識してきた。これからプロを目指す選手へ、浅田は「1日1日の積み重ねが重要」とアドバイスを送る。浅田自身、焦らずコツコツと努力を重ね、常に学び、成長することを意識しながらプレーをすることでプロ選手を勝ちとった。プロになった今も変わらず、今シーズンは「日々成長」「多くを吸収」という目標を掲げている。

浅田が大学時代にレベルアップできたのは、同期の存在が大きかった。その同期へ、「今までお世話になりました。皆さんそれぞれ自分の目標に向かって頑張ろうね!!」とコメント。また浅田は日本一を目指す後輩に向けて、「日本一の目標に向かって頑張ってください!!」とエールを送る。後輩たちが近い将来、全国の頂点へとたどり着くことを浅田は信じてやまない。

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