アメフト

明治大と早稲田大が開幕戦を飾る、延期されていた関東大学TOP8

開幕戦でチームとディフェンス陣を引っ張った早大の永山開一主将(撮影・全て朝日新聞社)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた関東大学アメリカンフットボール1部TOP8が10月2日に開幕した。A組で2019年に続くリーグ制覇を目指す早稲田大学はTOP8昇格2シーズン目で地力をつけている桜美林大に17-5で逆転勝ち。明治大学も逆転で東京大学を35-13で下し白星発進した。今季のリーグは4校ずつがA、Bの2組に分かれて総当たりで戦い、両組の同順位同士が順位決定戦を行う。コロナ禍の昨年は「特別なシーズン」として公式な順位付けはしなかった。

早大はディフェンスが奮闘

早大は第1クオーター(Q)にセーフティーとフィールドゴール(FG)で桜美林に5点のリードを許した。昨季は初戦で9-6の辛勝と苦しめられた相手だ。攻撃権をなかなか更新できないもどかしい時間帯が続いた。DL永山開一主将(4年、足立学園)は「やれることは、目の前の相手をぶっ倒すだけなので。ディフェンスはディフェンスでしっかりやって、オフェンスにつなごう。5点リードされたが、あせりはなかった」。

早稲田大・永山開一「1プレーに全てを懸け」 関東TOP8主将インタビュー

ディフェンスの踏ん張りがオフェンスへ伝わった。第2Qの9分過ぎ、QB國元考凱(早大学院)からWR上野陸(早稲田実)へロングパス。上野は相手をかわしエンドゾーンへ、2年生コンビが52yの逆転タッチダウン(TD)を決めた。FGで加点した後、第3QにはTE安村共生(4年、早稲田実)が15yTDパスをつかんだ。

第3QにTDを決める早大のTE安村共生

岸野が値千金のインターセプト

リードは12点。まだ、勝負の行方はわからない。第4Q残り3分を切って早大は自陣ゴール前まで攻められた。ここでDB岸野友哉(4年、早大学院)が相手パスを読み切って値千金のインターセプトを決め、勝利をぐっと引き寄せた。永山主将が「彼は最後尾にいて安心感が他の選手と違う。自分らは何の心配もせずにフロントをぶっ壊すだけ。不安要素が全くない」と振り返った。

第4Qに相手パスをインターセプトした早大DB岸野友哉

身長196cmの大器、DL山田琳太郎(3年、川和)ら今シーズンの早大はディフェンス陣に自信を持っており、開幕戦でもその一端がみえた。昨シーズン、コロナ禍で1試合中止になるなどTOP8で5位相当に終わった。永山主将は「ご迷惑をかけてしまったこともありますし、練習できずにどうしようもないと感じ、目標も達成できなかった。今年はしっかり練習できてきているので、絶対、日本一になりたい」と悲願を見据えた。

明大も東大を逆転

明治大学も東京大学に連続TDを許して苦しい立ち上がりになったが1年生のRBが活躍した。廣長晃太郎(箕面自由学園)が第1Qの10分53秒に47yを走り切るTDで逆転につなげ、井上太陽(鎌倉学園)もランでチームの中では廣長の104yに次ぐ79yを稼いだ。

第1Qに47yのTDランを決めた明大RB廣長晃太郎

早大・高岡勝監督 「厳しい試合。我々はチャレンジャーで何も隠すことなく今の実力を出そうということで、何とかいい形になった。永山がキャプテンでディフェンスをかなり鼓舞していた。岸野は今年からスターターになれた。幹部ではないが、非常にリーダーシップを持っている。(ディフェンスの)後ろは彼が中心にやっているので、いいプレーが出てよかった。モラル面でも彼はすごく頑張っている。ああいう選手が結果を出すとうれしい」

明大・岩崎恭之監督 「1年生の廣長、井上は緊張もせずに頑張れた。ワイドレシーバー陣も初めてスターターで出て活躍してくれた。実戦経験が乏しくて不安だったが、勝ち切ったのはよかった。次は3週間ある。桜美林には去年負けたので、チャレンジャー精神でいきたい」

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