野球

特集:2021年 大学球界のドラフト候補たち

DeNA2位・徳山、迷っていた志望届 背押した大阪桐蔭監督の言葉

DeNAからドラフト2位指名を受けた早稲田大の徳山壮磨(撮影・辻隆徳)

 「正直、自分はこんなに早く(上位で)指名されると思っていなくて、びっくりしているというのが今の感想です」

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 11日のプロ野球ドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから2位指名を受けた早大の徳山壮磨投手(大阪桐蔭高出)は、はにかんだ。

 150キロ近い速球とスライダーが武器の本格派右腕。大阪桐蔭高時代には3度の甲子園を経験した。3年春の選抜大会ではエースとしてチームの優勝に貢献。早大進学後も1年生の時から6試合に登板し、3年時の春には、なんと「0・00」で最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 記者会見では終始、笑顔で指名された喜びを語っていた徳山。

 その喜びにたどり着く前には、ちょっとした「トラブル」があったという。

 ドラフト会議の中継を見ていたはずなのに、吉報を知ったのは、父からの連絡だった。

 徳山は早大の後輩とネット中継を見守っていた。だが、2位指名に入る直前に通信トラブルが発生し、見られなくなった。どうしよう。焦っていた時に父から連絡があり、DeNAから指名を受けたことを知ったという。

 「やったな!」。父はビデオ通話で声をかけてくれた。家族は泣いて喜んでいた。

 「家族なしではやってこられなかった。苦しい中でも、両親やお兄ちゃん、お姉ちゃんから温かい言葉をもらって励ましになった。もう一度、家族には感謝の気持ちを伝えたいと思う」

(辻隆徳)

=朝日新聞デジタル2021年10月11日掲載

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