野球

慶應、リーグ優勝決めるも今年最後の慶早戦で悔しいサヨナラ負け

1回戦に勝利し、優勝が決まった瞬間

東京六大学秋季リーグ 第8週

11月2、3、4日@神宮球場
第1試合 慶應義塾大 7-1 早稲田大
第2試合 慶應義塾大 4-6 早稲田大
第3試合 慶応義塾大 3-4x 早稲田大

慶應義塾大が秋季リーグ戦の最後に迎えるは宿敵・早稲田大。第7週終了時点であと1勝をすれば優勝が決まる状況の中、「華の早慶戦」が幕を開けた。

先制されるも、後半の猛攻でリーグ優勝を決める

1回戦、先制したのは早稲田だった。2回裏に中川卓也(1年、大阪桐蔭)に適時打を打たれた。続く早川隆久(3年、木更津総合)にも右前に運ばれたが、ここは名手・中村健人(4年、中京大中京)が本塁へ好送球。本塁刺殺でこの回を最少失点で切り抜けた。3回裏、1死一塁の場面で下山悠介(1年、慶應)中堅方向に適時三塁打を放ち、慶應は同点に追いついた。頼れるルーキーが期待通りの仕事を見せてくれた。

その後、早慶両校ともに勝ち越し点を奪えず、5回裏まで試合は進んだ。この均衡を破ったのは主将・郡司裕也(4年、仙台育英)。6回表、この回先頭の郡司が振り切った打球は左翼席へ。値千金の勝ち越しの本塁打だった。

郡司は2打席連続弾で慶應の勝利を引き寄せた

郡司の活躍はここで止まらなかった。8回表にも早川の146kmの直球をさばき、打球はまたしても左翼席に突き刺さった。圧巻の2打席連続弾で優位に立った慶應は、その後も瀬戸西純(3年、慶應)の適時打でこの回4点を奪った。9回にも小原和樹(4年、盛岡三)の適時打で1点を追加し、7-1と大量リードの状態で試合は9回裏を迎えた。

9回裏のマウンドに上がったのは石井雄也(4年、慶應志木)。先頭の檜村篤史(4年、木更津総合)を三ゴロ、岩本を二飛と危なげなく2死まで追い込むと、最後は代打・小藤翼(4年、日大三)を三ゴロに打ち取り試合終了。慶應の3季ぶり37度目のリーグ優勝が決まった。

10戦全勝優勝を目指すも、踏ん張れず

慶應が目指すは91年ぶりの10戦全勝優勝だった。優勝を決めた翌日の2回戦、初回のマウンドに上がったのは森田晃介(2年、慶應)。ここまで自責点0を続けていた優勝の立役者だったが、早稲田打線に初回から捕まった。1番の田口喜将(4年、早稲田実業)に右中間を割る二塁打を許すと、続く中川卓にも二塁打を放たれ、試合開始早々先制点を許してしまう。その後も早稲田の勢いを止められず、この回3失点。さらに5回表にも1死二、三塁のピンチの場面で痛恨のタイムリーエラーが出てしまい、走者2人が生還。点差は5点に広げられてしまった。

2回戦、森田晃は早稲田打線につかまった

一方の早稲田の先発は徳山壮磨(2年、大阪桐蔭)。この日の徳山は初回から好投を見せ、慶應打線をまったく寄せつけない投球を見せつけた。徳山の前に慶應は6回4安打1得点と抑えこまれ、劣勢の試合展開が続いた。8回表には無死満塁と絶好のチャンスを作るが、押し出し四球と犠飛の2点止まり。4-6で秋季リーグ戦初黒星を喫し、偉業達成とはならなかった。

一進一退の攻防、痛恨のサヨナラ負け

3回戦、慶應は初回に柳町達(4年、慶應)、中村健の連続安打でチャンスを作ると、郡司の中前に転がる適時打で先制に成功した。しかしその裏、マウンドに上がった森田晃が前日に続き早稲田打線に捕まった。福岡高輝(4年、川越東)、加藤雅樹(4年、早稲田実業)の連打で一、二塁のピンチを招くと、檜村に左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴び試合は劣勢となった。

しかし、2回表の慶應の攻撃では、瀬戸西、森田晃の下位打線で手堅くチャンスを作った。柳町の放った二塁ベース付近への打球処理が悪送球となり、同点に追いつく。2死二塁で迎えた下山も二塁手前にゴロを放つが、金子銀佑(3年、早稲田実業)が一塁に悪送球。幸運な形で勝ち越しに成功した。

次に試合が動いたのは6回裏。3回裏から登板し、ここまで完璧に近い投球で早稲田打線を封じていた髙橋佑樹(4年、川越東)が1球に泣いた。内角に入った球を岩本に完璧に捉えられ打球は左翼席に突き刺さり、同点とされた。

3回戦、サヨナラ負けの瞬間。選手たちはがっくりとうなだれた

同点のまま迎えた9回裏。津留﨑大成(4年、慶應)が先頭の岩本に二塁打を放たるなど2死二、三塁のピンチを招くと、金子が放った打球は一塁手のグラブに収まることなく右前へと無念にも転がった。痛恨のサヨナラ負けを喫し、勝ち点5の完全優勝とはならなかった。

慶應は偉業達成とはならなかったが、優勝を収めた。来たる11月17日には明治神宮大会の初戦を迎える。この早慶戦での連敗を糧に悲願の日本一達成なるか。日本一長いシーズンにするべく、慶應野球部は邁進する。

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