野球

特集:2021年 大学球界のドラフト候補たち

オリックス2位指名の関西大学・野口智哉 ラストシーズンを最優秀選手で締めくくる

関大から16年ぶりのプロ指名となった野口。野球部に新たな歴史を刻んだ

プロ野球ドラフト会議が10月11日に開催され、野口智哉(4年、鳴門渦潮)がオリックス・バファローズから2位で指名を受けた。関大からプロ野球選手が誕生するのは、岩田稔氏(阪神)以来16年ぶりで、ドラフト制度導入以降初の野手輩出。創部100年超えの歴史ある関大野球部に、新たな歴史を刻んだ。

チームの勝利に貢献し、待望の指名でプロへ

10月11日、ドラフト会議当日は関西学生野球で京大とのリーグ戦2回戦だった。四回に痛恨の3点本塁打を浴び、関大に悪い雰囲気が流れる中、六回に野口が特大本塁打を放ち1点差に詰め寄った。その後九回に逆転、サヨナラ勝利で幸先のいい1日の始まりとなった。

そして午後5時。会場には野球部の早瀬万豊監督、田尻吾郎顧問、久保田拓真(4年、津田学園)、そして野口の4人が集まった。第1巡指名選手が呼ばれ終わると徐々に会場に緊張が漂う。自分の名前が呼ばれる瞬間を今か今かと待つ。そして2巡目最後に指名を行うオリックス・バファローズから「野口智哉」。アナウンスが流れると野口は目を見開いたあと、すぐさま安堵(あんど)の表情を見せた。その後の会見では「オリックスの顔となれるような、ファンの皆さんに応援されるような選手になりたい」とプロでの活躍を誓った。

指名を受けた瞬間の野口(右)。思わず目を見開いた

1年春から出場しリーグ通算100安打

野口は強肩とフルスイングが魅力で、1年春からリーグ戦に出場。遊撃手としては4度のベストナインを獲得した、関大稀代のヒットメーカーだ。今季の秋季リーグ戦では、連盟史上31人目の通算100安打の記録を達成。20年春季リーグが中止となり、例年より試合数の少ない中での快挙を成し遂げた。バファローズ関係者も「100安打を打った試合でも最後にきっちり2本打てた。気持ちで挑む試合がプロでは続くので、前日からの切り替えの速さは、プロとして適応できる力がある」と評価した。

プロとしても適応できる力があるとスカウトからも評価

最後のシーズンで初めて最優秀選手にも選出された。25年ぶりにパ・リーグを制覇したオリックスでどんなプレーを披露するのか期待が膨らむ。

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