ラクロス

慶應大が関東FINALで惜敗、徳光里利笑主将「進化し続けるチームを体現できた」

慶應はワイルドカードでFINAL4に進み、日体大とのFINALに挑んだ

第33回関東学生ラクロスリーグ戦FINAL

11月6日@駒沢オリンピック公園総合運動場第二球技場
慶應義塾大学(ワイルドカード) 4-6 日本体育大学(Cブロック1位)

11月6日、関東学生リーグ戦FINALが行われ、慶應義塾大学は日本体育大学と対戦。慶應にとって実に3年ぶりとなる決勝の舞台。勝てば全国大会に駒を進める大事な一戦だったが、序盤の失点が響き、4-6で敗れた。

FINALでは一度敗れた日体大と対戦

今シーズンのリーグ戦、慶應は初戦から厳しいスタートとなった。学習院大学を5-4で下したものの、第3クオーター(Q)まで無得点、第4Qで5点を決めて逆転するという劇的な勝利だった。そして2戦目では、FINALで再度対戦することになる日体大に4-7で敗北を喫し、後がない状況に。それでも、目標に掲げた「進化し続けるチーム」という言葉通り、一戦一戦での経験を着実に強さに変え、3戦目では過去2年ともに敗れた宿敵・立教大学に6-5で勝利。3年ぶりにFINALへの切符を手に入れた。

迎えたFINAL、日体大との再戦は第1Qに4失点と苦しい立ち上がりとなった。相手の勢いに押されつつも、チームは決して勝利を諦めない。第2Q、主将の徳光里利笑(4年、慶應)からボールを受けた西股莉々子(3年、慶應)が鋭いショットをたたき込んで反撃の狼煙(のろし)を上げると、それに続いて秋山雅望(2年、桐蔭学園)、大類奏音(3年、慶應)、平井友香子(3年、同志社)が得点を決め、決死の追い上げを見せる。しかし、結果は4-6であと一歩及ばず、今シーズン2度目、同じ相手に対して悔しい敗戦となった。

エース・秋山「自分が点を決めて流れを変えよう」

FINALで2得点目を入れた秋山は、今季リーグ戦では4試合連続ゴールの活躍を見せている。昨年のFINAL4での後悔から、まずはディフェンスを学び、それをオフェンスに活(い)かそうと考え、今シーズンに向けて練習を重ねたという。思うように点が決まらず苦しんだ時期もあったが、仲間やコーチに支えられ、自分を奮い立たせることでここまで歩んできた。

秋山が2点目を決め、追い上げムードへ

試合後のインタビューでは、「チームがピンチの時や、試合の流れが悪い時は絶対自分が点を決めて流れを変えようという気持ちでプレーしている」と語り、FINALでもその言葉を見事に体現した。日体大の容赦ないパスカットに阻まれ自陣でのプレーが続く中、虎視眈々(こしたんたん)とシュートチャンスをうかがい続け、第3Qでは訪れたチャンスを見逃さなかった。仲間の思いが託されたボールを受け取ると、相手の隙を突いたシュートで得点。彼女が積み重ねた努力が結実した。今後のチームの成長を考える上で、2年生エース・秋山の活躍が鍵となるのは間違いないだろう。

今大会の優秀選手に選ばれたゴーリー藤田

素早いセーブでチームを支えたゴーリーの藤田瑠奈(3年、玉川学園)。日本代表にも選ばれた実力の持ち主だが、第1Qでは日体大の勢いのあるシュートを防ぎきれず、相手に4得点を許した。しかし、チームの絆が彼女の確固たる支えとなり、その後はナイスセーブを連発。最後まで立派にゴールを守り切った。

大会を振り返って、藤田は次のように話した。「個人的にここまで不調を感じたことはなくて、苦しい試合ばかりでした。ただその失点をカバーするように、みんなが笑って『点を入れてくるから任せて』と言ってくれたので本当に助けられました」。今大会の優秀選手に選ばれた藤田が語ったのは仲間への感謝の思い。この絆こそ、慶應女子ラクロス部の強さの根源なのかもしれない。

藤田は「点を入れてくるから任せて」という仲間の声に救われた

新たな挑戦への幕開け

慶應體育會女子ラクロス部に連綿と受け継がれてきた、苦しい状況でも決して諦めない姿勢、そして強い忍耐力。関東大会という大舞台に立っても、それは変わらなかった。チームで一丸となって戦い、今季のリーグ戦では、去年敗北した立教大に雪辱を果たした。今年流した悔し涙は、大きな糧となるはずだ。

主将の徳光は、「正直、リーグ戦の1戦目からかなり苦戦した私たちは、当時は関東決勝に立てるようなチームではなかったと思います」と振り返りながらも、「一戦一戦を重ねるごとにチームは確実に強くなり進化できた」と話した。

関東制覇、全国制覇の夢は後輩たちに託す

全国大会を目指し、慶應體育會女子ラクロス部はこれからも挑戦を繰り返し、進化を続けていくだろう。今後の更なる活躍に期待がかかる。

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