同志社大・井田ほのか 悲願の日本一を目指して、7年間の思いをのせる決勝戦
ひとたびコートに立てば、常に同志社の要として圧倒的な存在感をまとう井田ほのか(同志社、4年)。高校時代にはキャプテンを務め、U19日本代表にも選出された経験もある実力者だ。順風満帆に見える彼女のラクロス人生だが、その道のりの裏には、人知れず乗り越えてきた葛藤や苦悩があった。
リーダーとしての自分の在り方
約7年間、日本一だけを夢見てきた。しかし、キャプテンとして迎えた高校時代の全国大会では、まさかの初戦敗退。「自分1人で突っ走り、仲間を信じることができていなかった」。次の日には大学でラクロスを続けて、もう一度日本一を目指すことを決意すると同時に、リーダーシップの在り方を見つめ直した。
再び最高学年となった今、その経験が糧となっている。攻撃と守備どちらにも参加するMFでありながら、DFリーダーを務める井田。例年とは違う立ち位置に難しさを感じながらも、常にDF陣の意見に耳を傾けることで、圧倒的な信頼関係を武器に日本一のDF陣を目指してきた。
「ラクロスが好き」を武器にして
井田にとってラクロスとは「相棒」。常に頭と心にあり、忘れる時はない。「誰よりもラクロスが好き」という思いが彼女の強さを支えてきた。
その思いを確固たるものにしたのが、U19で主将として世界と戦ったときのことだ。マイナースポーツであるとはいえ、「日の丸を背負って世界とプレーすること」は、特別な経験となった。海外ラクロッサーと対戦し感じた、ラクロス無限の可能性と面白さが何よりのモチベーションと化している。
同志社は今年度、関西大学ラクロスリーグ戦を全勝で飾り、目標へ向けひたむきに前進を続けてきた。数々の勝利の影には井田の活躍が欠かせない。先日行われた東北大との準決勝でも2得点を挙げ、持ち前のフィジカルとスピードで圧倒した。
ついに悲願の学生日本一まであと一勝。高校時代からの思いを全て出し切り、7年間の集大成を飾る時が来た。全国大会が中止となり、悔しさをにじませた昨年度の4年生の思いも胸に、決戦に臨む。
自分、仲間、関わる全ての人々を信じ、強敵日体大に立ち向かう。泣いても笑っても28日の決勝戦がラストゲーム。笑顔で学生ラクロス生活を締めくくるべく、最大限の力を出し切って欲しい。最高の仲間と共に、駒澤の舞台でラクロス界の歴史を変え、同志社旋風を巻き起こせ。