立命館大学のDL水谷天空、兄を追い日本一を夢見るパンサーズのルーキー
アメリカンフットボールの立命館大学に期待のルーキーがいる。U-18日本高校選抜チームの副将経験もある水谷天空(そら、関大一)。兄の蓮(3年、高槻)とともにDL(ディフェンスライン)としてパンサーズの一員で活躍している。
関大一から最強ディフェンスライン目指し
「親がアメフトをやっていて幼少期から身近だった。アメフトは流れではじめたようなものだった」と語る水谷。関西大学の併設校だったが、立命の古橋由一郎監督に沢山のことを教えてもらいたいという思いや、もっと身近で兄にしっかり教えてもらいたいという思い。さらに、数ある大学の中で最も強い立命館のDLの一員になりたいとの思いからパンサーズを志すようになった。
入学が決まり、練習に参加する中で、練習の時の選手同士の関係と、練習外の友達同士としての関係を明白に区別する先輩たちを見て、高校時代とは違うと感じたという。アメフトに取り組む時間がどのチームよりも多く、部外でも選手おのおのが自分自身の課題について考えている点が今感じる立命の魅力だと語り、試合などを通して、個々のレベルはどのチームよりもあると感じているという。
そんな水谷の憧れの選手は、同ポジションで兄の蓮。幼少期からずっと近くで見てきて、プレーだけでなくアメフトに対する取り組み方、アメフトのレベルなど全てを尊敬している。だが、畏敬の存在のままではなく、いつかは超えなくてはならない存在だと力強く語ってくれた。
また、大学での目標については「まだまだ今は実力が足りていないが、他を圧倒できるプレーヤーになることが目標。最終的にはパンサーズに欠かせないと誰もが認めるプレーヤーになりたい。また、卒業後は一流の社会人チームでプレーしたい。引退後は指導者としてアメフト選手を育成していきたいので、教職免許取得に向けて学んでいる」と話す。1年生ながら卒業後の進路を見据え、目標に向けて日々取り組んでいる。
「自分を超えてくれ」兄の期待
秋のリーグ戦はコロナ禍で約1カ月遅れて始まった。水谷は10月2日の桃山学院大との初戦から出場できたが、プレータイムはキッキングのみだった。自分自身としての反省点が出るほど試合でプレーはできていない状況だったが、試合後の先輩たちの話を聞き、もっと詰められる点があると思うようになったという。春先のけがの影響で、筋力を戻して強化しており、トレーニングを続けて少しでもチームの力になりたいと思っている。
兄の蓮は、天空が憧れの選手として自分の名前を挙げてくれることや、自身をプレーヤーとして認めてくれていることはうれしいそうだが、将来的には自分を超えていってほしいとも願っている。天空の魅力は、体を柔らかく支え、自分以上にプレーにしっかり絡みにいけるところだと言う。ライバルとして認めており、「もっともっと毎日競い合える存在になれたらうれしい」と語った。
次戦は12月5日、関西学院大学との全日本大学選手権西日本代表決定戦となる。11月に行われた関学との関西学生リーグ1部優勝決定戦では3点差で辛酸をなめる結果となった。その後、2週連続で行われた西日本代表決定トーナメントを勝ち抜き、宿敵とのリベンジゲームとなる今試合。6年ぶりの甲子園ボウルへあと1勝。ともに認め合う水谷兄弟の活躍に期待だ。