「若手に譲るべきでは」監督へ直訴を考えた浦和レッズ宇賀神が決めた
朝日新聞社
2021/12/13
(最終更新:)
前半、浦和の宇賀神は先制ゴールを決め、サポーターにアピールする=関田航撮影
準決勝の後半、選手に指示を出す浦和のロドリゲス監督=関田航撮影
前半、先制ゴールを決めた宇賀神(左から2人目)と喜び合う浦和の選手たち=関田航撮影
前半、浦和GK西川は宇賀神の先制ゴールが決まり、スタンドに向かって雄たけびを上げる=関田航撮影
天皇杯準決勝、浦和―セ大阪戦は観客数の制限が無くなり、3万人を超える入場者がスタンドで観戦した=2021年12月12日午後、埼玉スタジアム、関田航撮影
決勝進出を喜び合う(手前左から)槙野、ショルツ、GK西川ら浦和の選手たち=関田航撮影
(12日、サッカー天皇杯準決勝 浦和レッズ2―0セレッソ大阪)
浦和はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で2度優勝している。J1で6位に終わった今季、出場権を得るには天皇杯で優勝するしかない。
すでに今季限りでの退団が発表されているDF宇賀神友弥は、最近の練習で自身の状態が上がっていることを自覚していた。ただ、ACLに出られたとしても、その舞台で戦うのは来季のチーム。「来季残る選手に出場機会を譲った方が良いんじゃないか」との思いがぬぐえず、リカルド・ロドリゲス監督に直訴しようとした。
監督の思いは違った。浦和一筋12年の33歳は、心身のタフさ、守備力の高さを評価され、準決勝で先発に抜擢(ばってき)された。意気に感じた。「契約満了の決断をした人たちを見返してやろうと思った」
前半29分、ゴール前から折り返されたボールに後方から合わせ、鮮やかな先制ゴールを決めた。3大会前の天皇杯決勝でチームを優勝に導いたミドルシュートを思い起こさせる豪快な一発だった。
試合後は「相変わらず上手でしたね」とニヤリ。ただ、覚悟を決めたような表情で語った。「決勝で勝たなければ何の意味もない。必ず最後にタイトルを取って、最高の形で若い選手たちにバトンタッチしたい」。浦和の一員として、最後に重要な役目がある。
(松本麻美)
=朝日新聞デジタル2021年12月13日掲載