サッカー

「若手に譲るべきでは」監督へ直訴を考えた浦和レッズ宇賀神が決めた

前半、先制ゴールを決めた宇賀神(左から2人目)と喜び合う浦和の選手たち(撮影・関田航)

(12日、サッカー天皇杯準決勝 浦和レッズ2―0セレッソ大阪)

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 浦和はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で2度優勝している。J1で6位に終わった今季、出場権を得るには天皇杯で優勝するしかない。

 すでに今季限りでの退団が発表されているDF宇賀神友弥は、最近の練習で自身の状態が上がっていることを自覚していた。ただ、ACLに出られたとしても、その舞台で戦うのは来季のチーム。「来季残る選手に出場機会を譲った方が良いんじゃないか」との思いがぬぐえず、リカルド・ロドリゲス監督に直訴しようとした。

 監督の思いは違った。浦和一筋12年の33歳は、心身のタフさ、守備力の高さを評価され、準決勝で先発に抜擢(ばってき)された。意気に感じた。「契約満了の決断をした人たちを見返してやろうと思った」

 前半29分、ゴール前から折り返されたボールに後方から合わせ、鮮やかな先制ゴールを決めた。3大会前の天皇杯決勝でチームを優勝に導いたミドルシュートを思い起こさせる豪快な一発だった。

 試合後は「相変わらず上手でしたね」とニヤリ。ただ、覚悟を決めたような表情で語った。「決勝で勝たなければ何の意味もない。必ず最後にタイトルを取って、最高の形で若い選手たちにバトンタッチしたい」。浦和の一員として、最後に重要な役目がある。

(松本麻美)

=朝日新聞デジタル2021年12月13日掲載

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