陸上・駅伝

特集:第98回箱根駅伝

箱根駅伝で青山学院大が2年ぶり5度目の往路優勝 原晋監督「完全優勝を目指したい」

ルーキーの若林も5区区間3位と快走し、青山学院大は往路優勝を飾った(撮影・佐伯航平)

第98回箱根駅伝 往路

1月2日@東京・大手町~箱根・芦ノ湖間の107.5km
優勝 青山学院大学(2年ぶり5度目)5時間22分06秒
2位 帝京大学   5時間24分43秒
3位 駒澤大学   5時間25分34秒
4位 國學院大學  5時間25分49秒
5位 順天堂大学  5時間26分10秒
6位 中央大学   5時間26分25秒
7位 東京国際大学 5時間26分55秒
8位 創価大学   5時間27分44秒
9位 東洋大学   5時間28分34秒
10位 東海大学   5時間29分14秒 

第98回箱根駅伝往路は、3区で首位に立った青山学院大学がそのまま独走し、2年ぶり5度目の往路優勝を果たした。2位には前回往路4位だった帝京大学が2分37秒差で入った。

箱根駅伝2大会ぶり優勝目指す青山学院大 「パワフル大作戦」成功の鍵は山区間

3区でトップに、全員が区間上位の快走

1区で中央大学の吉居大和(2年、仙台育英)が抜け出し、2位の駒澤大学に39秒差をつけて襷(たすき)リレー。2位から6位までが7秒差という団子状態の中、青山学院大は5位で志貴勇斗(2年、山形南)から近藤幸太郎(3年、豊川工業)につないだ。2区で駒澤大の田澤廉(3年、青森山田)が首位に立ち、2位以下を引き離す中、近藤は順位を2位に引き上げた。3区で一時、東京国際大学の丹所健(3年、湘南工大付)が首位に立ったが、青山学院大の太田蒼生(1年、大牟田)が食らいつき、丹所を抜いてトップに出る。

青山学院大の4区は主将の飯田貴之(4年、八千代松陰)。2位の東京国際大との差を12秒から1分37秒に広げ、5区の若林に襷を託した。若林は「いいぞ! 区間賞だ!!」という原晋監督からの言葉を背に、区間3位と好走。笑顔で往路のゴールテープを切った。2位には4位から追い上げてきた帝京大の細谷翔馬(4年、東北)が続き、2年連続で5区区間賞。レース後、中野孝行監督は「1年間だけではなく4年間積み重ねてきた。最後まで諦めない。(帝京大のスローガンのように)世界一諦めの悪い人間だな」と細谷をたたえた。

5区若林、ゴールテープを切り「達成感」

原晋監督の話
「当初は2区で駒澤さんや東京国際さんが抜け出し、追う展開になるだろうと思っていました。しかし3区で先頭に立つことができて、理想としている中でも最上位の展開になったかなと思います。各大学が少しデコボコがあった中で、我々は区間賞がない中で5区間とも安定した走りができたのが勝因かなと思っています。若林はラスト5kmまでは70分切れるペースでしたが、頂上付近は猛烈な向かい風で(結果的に)記録は出ませんでしたが、最後までしっかりとした足取りで1年生として立派に走ってくれたと思います。メンバー内では16人全員が28分台、補欠登録のメンバーもいい状態です。出走する全員を信頼しています。復路も攻めの走りで『パワフル大作戦パート2』を進行して、往路優勝、復路優勝、完全優勝で6度目の総合優勝を目指していきたいと思います」。復路も「大作戦」を進行するためには? と改めて問われると「瀬古(利彦)さんから言われた言葉で、『山登りの名人は降りる時最初の一歩を慎重に降りる』と。箱根駅伝は何が起こるかわからないので、大手町に帰ってくるまでは気を引き締めていきたいです。まずは(6区の)高橋(勇輝、4年、長野日大)から勝負をしていきたいです」

エース・近藤(左)から3区ルーキー太田に襷リレー。太田のところでトップに立った(撮影・藤井みさ)

5区を走った若林宏樹の話
「やっとゴールテープを切ることができて嬉しい気持ちと、達成感もあります。区間賞を取れなくて悔しい思いもありますが、自分の今出せる力は出し切ったかなというところはあります。山を上りきった頂上で風が強くて前に進まなくて、心が折れかけたんですけど、ここまでつないできた4人の方の思いも背負って、自分が先頭でゴールするんだという強い気持ちを持って走ろうと思いました。今後は区間賞を目指して、4年連続で5区を走って、いい結果を出していけるように頑張りたいと思います」

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