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特集:うちの大学、ここに注目 2022

立命館大自動車部、堂坂佳弘が個人優勝 塚本3位、小畑5位で、団体でもV

試合後の立命館大自動車部員たち

この春、立命館大学自動車部が最高のスタートを切った。3月23日、名阪スポーツランドで行われた舗装路でのレース「全関西ジムカーナ選手権」で、立命館大が個人と団体で見事優勝を成し遂げた。

今年の初戦 はねのけた緊張・不安

自動車競技は、各選手がそれぞれ2回、決められたコースを走行し、タイムを競い合う。1回目にあたる第1ヒートでは、スピンやペナルティーといったミスが重なり、順位が思うように上がらなかった。しかし2回目の第2ヒートでは前半のミスを修正し、全員が最高の走りを披露。逆転で優勝をつかみ取った。競技には3人出場したが、堂坂佳弘(4年、立命館)が個人1位、塚本涼太(3年、広島城北)が3位、小畑慎太郎(4年、高田)が5位という結果で終了。出場した3人がそれぞれ優勝に貢献した。

コースを滑走する自動車

試合後、主将の堂坂は「自分は初めて試合に出場したため、うまくいくか不安だったが、結果的には個人と団体で優勝することができ幸先の良いスタートが切れた」と話した。塚本は「自分は昨年から試合に出ていた。今年の初試合で緊張したが、結果が出てよかった。車両の責任者としてトラブルなく試合を終えられたこともよかった」。小畑は「自分は一年通して試合に出させてもらっていたが、先輩方がいなくなっていつもとは違う緊張感を感じた。第1ヒートでは、トップになることができたが、強気になりすぎたことで後半、ミスしてしまい順位が下がってしまったのは悔しい」と振り返った。初戦ということもあり、選手たちには緊張や不安というものはあったようだが、それらをはねのけるメンタルの強さもあったのだろう。

地道な車両整備 高め合った運転技術

今大会で立命館大は個人と団体で優勝を勝ち取ったのだが、練習期間がそれほどあったわけではなかった。昨年の12月に最後の関西大会があり、そこで先輩たちが引退し、新たなシーズンを迎える。新しい代になってからあまり時間がたっていなかったのにもかかわらず好成績を収めた要因について、堂坂は「前回の大会では2位だったが、そこから競技で使用する車両のセッティングを変更し、何度も試乗しながら車両の精度を高めていったことが、今回の優勝につながった」と語った。地道な努力が、優勝の最大の要因であったようだ。

前回は2位だったが、地道な努力の積み重ねたことが優勝につながった

さらに、車両の整備だけでなく、運転技術の向上にも意識を向けたという。小畑は「最長学年の立場にある自分は、試合に関して最も経験があるため、試合に対する心構えや運転に関する技術を後輩に教えようと意識しながら練習に臨んでいた」と語った。自動車競技の競技自体はドライバー1人で行うが、日々の練習のなかでアドバイスしたり、分析したりして互いを高めあうことが成果へとつながる。

立命館大は優勝という形で最高のスタートを切ったのだが、まだシーズンは始まったばかり。これからいくつもの大会に出場することになる。立命館自大動車部の目標は、関西大会優勝と全日本大会入賞である。全日本大会には多くの大学が参加するため、入賞するのは簡単ではない。部員全員が協力して車両をつくり、ドライバーがどれだけ運転の技術を向上させることができるかが、目標達成のカギとなりそうだ。

今シーズンの目標は「関西大会優勝と全日本大会入賞」に定めた

部員のほとんど 大学から競技

これまでの大会で多くの実績を上げてきた立命館自動車部ではあるが、部員のほとんどは大学から競技を始めたのだという。インタビューに応えた3人も「スタートラインはみな同じところから始まる」と語った。

また、車両で競技するドライバーだけでなく、車両の整備に専念する整備士として活躍している部員も多い。自動車競技の魅力について小畑は「車両に乗れるのは一部の選手になってしまうが、試合で使用する車両はみなで協力してつくる。道具そのものをつくることが他の部ではないため、みなで車をつくり上げることが一番の魅力だ」という。みなで協力して関西優勝を成し遂げた立命館自動車部が今後どのような活躍を見せるのか注目だ。

賞状を手にする(左から)小畑、塚本、堂坂

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