陸上・駅伝

特集:うちの大学、ここに注目 2022

福岡大・アツオビンジェイソン「挑戦する気持ち」でU20日本新、目指すはパリ五輪

アツオビンはルーキーイヤーに日本インカレ優勝、U20日本新記録と結果を残してきた

「趣味は体を動かすことが好きなので、サイクリングや時間があれば友達と球技などをしたりしています」。そう答えてくれたのは、男子砲丸投げで度々U20日本記録を更新し、3月20日の福岡大春季記録会で18m22(日本歴代8位)をマークした福岡大学のアツオビンジェイソン(2年、大阪桐蔭)だ。ルーキーイヤーに結果を出し続けてきたアツオビンは今、2024年開催予定のパリオリンピックを見据えている。

中学から砲丸投げを始め、高校新記録

アツオビンは中学から陸上を始め、先生に誘われて砲丸投げを選んだ。ストロングポイントである長い手足やバネのある体を生かして記録を伸ばし、大阪桐蔭高校ではインターハイ優勝、高校新記録と頭角を現した。

大学は砲丸投げ元日本記録保持者の野口安忠監督がいる福岡大を選択した。その理由としてアツオビンは、「野口先生に指導してもらいたかったということと、施設も充実していたということ」を挙げた。福岡大の陸上競技場は国内トップクラスの競技設備を備えており、昨年の東京オリンピックでは女子4×100mリレー日本代表として兒玉芽生(現・ミズノ)も輩出している。

アツオビンが手本にしている選手は砲丸投げドイツのウルフティンマーマンだという。ウルフティンマーマンは、1980年代後半にかけてドイツで活躍した選手で、数多くの大会でタイトルを獲得、世界記録(当時)を樹立し、歴史上初めて23mを突破した。ウルフティンマーマンについて、「グライド投法で23mを超えていて、スピーディーかつ力強い投げでとてもとてもかっこいいです」とアツオビンはうれしそうに明かしてくれた。

日本インカレ優勝の直後に自身のU20日本記録を更新

アツオビンは1年生ながら昨年9月の日本インカレで、当時のU20日本新記録である17m64で優勝をおさめ、その翌週に行われた九州インカレでは自らのU20日本記録を更新する17m66という記録を樹立した。日本インカレでアツオビンを取材した際、技術面では砲丸を投げる時のパワーとスピードのバランスを意識していることを触れる一方で、福岡大の施設や指導者に対する感謝の言葉を口にしていたことが印象に残っている。

日本インカレ初優勝の際、アツオビンは指導者への感謝の気持ちも述べた

ルーキーイヤーを振り返り、アツオビンは「昨シーズンの初めは環境の変化などに対応することに苦戦していましたが、シーズン後半にはインカレ優勝とU20日本最高記録を更新できたのでとてもいいシーズンになりました」と言う。とりわけ日本インカレはアツオビン自身も印象に残る大会となり、「当時は1年生だったので先輩たちに挑戦する気持ちを全面に出して、自分の投げをしっかりとすることができたので優勝できた」と勝因を語った。

福岡の地からパリへ

今年3月には自己記録を18m台に押し上げた。そんなアツオビンは大学4年間の目標として、パリオリンピックを掲げている。「パリオリンピックに出場するためには、毎年ギアを一段階上げて、常に進化していく必要があると思っている。砲丸投げは日本でとてもマイナーな競技なので、僕が結果を残すことで少しでもいろんな人たちに知ってもらいたい」と、学生オリンピアンへの思いは揺るがない。

2年後のパリオリンピックをまっすぐに見据えている

兒玉に続き、2大会連続での福岡大学からの出場に大学内からも期待の声が寄せられている。アツオビンの2年目の進化から今後も目が離せない。

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