ラグビー

明治大学が史上初の4連覇、新1年のCTB山村和也が決勝トライ 東日本大学セブンズ

1年生ながら優勝に貢献した明治大のCTB山村和也(撮影・全て斉藤健仁)

第23回東日本大学セブンズラグビーフットボール大会 

4月10日@秩父宮ラグビー場(東京)
CHAMPIONSHIP決勝戦
明治大学 21-17 筑波大学
明治大学が4大会連続4度目の優勝

4月10日(日)、東京・秩父宮ラグビー場で東日本大学セブンズが3年ぶりに開催された。当初は16チームでの開催予定だったが、コロナ禍の影響で複数の大学が辞退し12チームによって争われた。23回目を迎えた大会で紫紺のジャージーの明治大学が史上初の4連覇を達成した。

コロナ禍 16→12チームで3年ぶり開催

午前中から初夏を感じさせるような暑さの中で行われた大会で、序盤に大きなインパクトを残したのが、昨年度の関東対抗戦では6位に沈んだが、過去、東日本セブンズで3度優勝している筑波大学だった。

1回戦では同大会で最多の5度の優勝を誇り、昨年度の関東リーグ戦の王者である東海大学と激突。外国人留学生が3人いる相手に対し、今季、「バチバチ」のスローガンを掲げる筑波大は植村陽彦(4年、茗渓学園)と大畑亮太(2年、東海大大阪仰星)らがタックルとスピードのあるアタックで対抗。新1年生の小池陽翔(中部大春日丘)もトライを挙げて33-19で快勝した。さらに「茨城ダービー」となった準決勝では、リーグ戦の強豪・流通経済大学に24-19で競り勝って決勝に進出した。

東海大戦でトライを挙げた筑波大の小池陽翔(1年)

「ファーストインパクト」掲げた明治大 無失点で決勝戦へ

一方、2017年から3連覇を達成していた明治大は、3大会ぶりに開催された大会は「ファーストインパクト」というスローガンを掲げて臨んだ。大学生唯一のオリンピアンで主将の石田吉平(4年、常翔学園)こそ、7人制ラグビー日本代表参加準備のため欠場となったが、伊藤耕太郎(3年、國學院栃木)、安田昂平(2年、御所実業)ら15人制でも活躍している能力の高い選手をそろえた。

さらに4月に入学したばかりの新1年生では唯一、CTB山村和也(報徳学園)がメンバー入りした。今大会を指揮する明治大の伊藤宏明コーチの息子(利江人)が山村と同じ報徳学園(3年)に在籍しており、山村のプレーぶりを知っていたことから抜擢(ばってき)したという。

決勝でも2トライ、明治大を引っ張ったSO伊藤耕太郎(3年)

今回、明治大が7人制ラグビーに特化した期間はわずか2日間だったという。それでも1回戦では安田が2トライを挙げるなど活躍し7トライを重ねて法政大学に43-0。準決勝も6トライを挙げて42-0で関東学院大学に大勝して無失点のまま決勝戦に進んだ。

先制トライ、前半は筑波大がリード

15時50分にキックオフされた決勝戦、先手を取ったのは筑波大だった。キックオフから谷山隼大(3年、福岡)がタックルで相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、大畑が先制トライ。明治大もすぐにスクラムを起点にサインプレーからSO伊藤がトライを返したが、さらに筑波大が2トライを加え、前半は70-17とリードして折り返した。

後半4分、明治大が再びSO伊藤がランで見せてトライを挙げて14-17と3点差に追い上げた。残り1分あまり、入学したばかりの明治大1年生CTB山村がステップで相手をかわして、スピードを上げてそのまま中央にトライ。21-17と逆転に成功した。

ロスタイム、スクラムでプレッシャーをかけてボールを奪い返した筑波大がゴール前に迫ったが、明治大がディフェンスで粘る。そのまま21-17でノーサイドを迎えた。

ノーサイド後の歓喜

3年ぶりに行われた東日本大学セブンズで明治大が強さを発揮し、初の4連覇を達成した。なおコンソレーション(敗者戦)の決勝戦では東海大学が早稲田大学を35-10で下した。

SO伊藤耕太郎「楽しくやることできた」

7人制のチームを指揮した明治大の伊藤コーチは、「1試合目、準決勝は圧勝し、決勝戦は少し競りましたがいい試合をしてくれた。(シーズンの)スタートとしてはいいスタートを切れた。大会通してのMVPは伊藤ですが、『ファーストインパクト』を掲げて臨んだ大会なので、山村がファーストインパクトを与えてくれた」と2人をたたえた。

今季、まずは1つめの優勝を成し遂げた明治大

昨年度から紫紺の10番を背負い、今大会ではゲームキャプテンも務めたSO伊藤は「高校生以来のセブンズで 慣れないところがあったが、ラグビーを楽しくやることができた。練習からやっぱり15人制と比べようにならないほどフィットネスがきつくて、決勝では足が動かないくらいになったが、みんなカバーできてよかった」と連覇を4に伸ばして安堵(あんど)の表情を見せた。

また決勝トライを挙げた1年生のCTB山村は「自分のスピードを活(い)かしたプレーで、チームの勝利に貢献できてよかった。素晴らしい先輩方がたくさんいるので、盗めるところをたくさん盗んで、15人制でも紫紺のジャージーを着て試合に出続けられるように頑張ります」と意気込んだ。

昨年度、大学選手権で惜しくも準優勝に終わった明治大が今季初の大学生大会を制し、今後の15人制の試合に向けて大きな弾みとなったに違いない。

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