フィギュアスケート

明治大の住吉りをん「4年後はエースに」 樋口新葉の背中を追いオリンピック目指す

オリンピックを目指す住吉りをん。4回転にも意欲的だ(すべて撮影・浅野有美)

明治大学1年の住吉りをん(駒場学園)が「オリエンタルバイオ」と所属契約を結び、52日、横浜市内で記者会見を行った。同じ所属となる2022年北京オリンピック銀メダリストで中京大学1年の鍵山優真、22年四大陸選手権銅メダリストで目黒日本大高校2年の三浦佳生とともにシーズンの振り返りや今後の抱負を語った。4月の世界ジュニア選手権で8位に入った住吉は「4年後はエースに」と目標を掲げた。

 世界ジュニアでたくさんのことを学べた

住吉は東京都出身で流れるようなスケーティングと美しいスピンが持ち味。2016年全日本ノービス選手権ノービスAでは難易度の高いジャンプ構成で10825点を出し、当時のノービス歴代最高得点を更新して優勝した。21年全日本ジュニア選手権2位に入り、224月の世界ジュニア選手権代表に選出された。

世界ジュニアではショートプログラム(SP)で9位につけ、フリーで4回転トーループジャンプの大技に挑んだ。惜しくも失敗となったが、2連続3回転ジャンプ成功やスピンで最高のレベル4を獲得するなど合計17458点で総合8位に入った。

 「悔しい気持ちがすごく大きいんですけど、今までの試合では感じられなかったくらい本当にたくさんのことを学ぶことができた試合。世界の大きい舞台で自分のペースを崩さずに戦うことの難しさを感じることができた」と収穫と課題を持ち帰った。

シーズンを振り返り、「4回転を何回か試合で組み込むことはできたんですけど、まだ試合で跳べることができていないので、来シーズンは確実におりていきたいし、それを武器にできるくらいの完成度に高められたらいいなと思っています」と語った。

美しいスパイラルを披露した

 明大進学「新しいことを吸収したい」

住吉は4月に明治大学商学部に進学し環境も変わった。「新しい生活、新しい勉強も始まってすごく視野が少しずつ広がっていく感じがあり、楽しめています。新しいことをたくさん吸収していって、それをスケートの表現力だったり、心の持ち方にいい影響が与えられるんじゃないかなと思っています」と話す。髪もブラウンに染めておしゃれもしながら大学生活を満喫している様子だ。

商学部の先輩には北京オリンピック団体銅メダル(暫定)、女子シングル5位の樋口新葉(明治大学/ノエビア)がいる。明治神宮外苑アイススケート場(新宿区)でともに練習を積んできた仲間でもあり憧れの選手だ。樋口は大学でスケート以外の人間関係を築く中で思考の幅を広げ競技に生かしていった。住吉も大学と両立しながら、世界トップで戦う先輩の背中を追う。

鍵山優真(中央)、三浦佳生(右)から刺激を受けながら成長を誓う

4回転を試合で決めたい

見据えるのは26年のミラノ・コルティナダンペッツォ・オリンピック。一足早くオリンピックの大舞台を経験した鍵山は、住吉に対し「4回転に挑戦していく姿がすごくかっこいいと思うので、これからもいろんなことに挑戦していってほしいです」とエール。住吉も「(同じ所属の鍵山と三浦から)刺激をもらいながら私も頑張っていきたい」と力強く語った。

 21年の全日本選手権は8位、今年は表彰台を目指す。「まずは4回転を試合で決めることを目標にやっていきたい」と意気込む。

 4年後のミラノに向けて1年1年着実に成長していって、4年後にはエースとしてオリンピックに出場できる選手になることを目標に一歩一歩進んでいけたらいいなと思っています」

明治大学に入学し、レベルアップをめざす
【関連】「自分に合った環境が一番」明治大で成長中のフィギュアスケート・樋口新葉

in Additionあわせて読みたい