野球

特集:第71回全日本大学野球選手権

「鳥肌立った」 東海大札幌・渡部、史上7人目のノーヒットノーラン

環太平洋大を相手に、安打を1本も許さなかった東海大札幌の渡部(撮影・井上翔太)

 野球の第71回全日本大学選手権大会の第2日の7日は神宮球場と東京ドームで1、2回戦の計8試合があり、東海大札幌の渡部雄大(4年、東海大甲府)が、環太平洋大(中国地区)を相手に無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)を達成した。大会史上7人目で、第60回で近大工学部の久保田高弘投手が達成して以来11年ぶり。佛教大(京滋)は被安打1の零封リレーで東海大(首都)を破った。名城大(愛知)は八回に伊藤(3年、健大高崎)の3ランで天理大(阪神)に逆転勝ちした。

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■東海大札幌の左腕、無欲の快投

 雨でマウンドが荒れても、集中力は最後まで切れなかった。

 東海大札幌の左腕渡部は最後の打者から見逃しの三振を奪うと、グラブを強くたたいた。138球を投げ、8奪三振。許した走者は四死球と失策の5人だけ。「完封だと思ったら、(無安打無得点と)インタビューで知って……。鳥肌が立ちました」。無欲の快投だった。

 最上級生になり、練習の姿勢を見直した。肩甲骨や股関節のストレッチに地道に向き合い、投球フォームを固めた。3年までリーグ1勝だったが、この春は防御率1点台で、リーグ6戦全勝。最優秀投手にも選ばれた。

 全日本大学選手権が決まってからも好調を維持。「指のかかりが良く、緊張しなければ良い投球ができる」と自信をつけた。

 この日のマウンドでは「四隅を突く持ち味が出せた」。130キロ台後半の直球と6種類の変化球を投げ分け、相手打者に的を絞らせなかった。

 ウィニングボールは日下部監督に手渡した。この日は監督の70歳の誕生日。最高のプレゼントを贈った。

=朝日新聞デジタル2022年06月07日掲載

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