陸上・駅伝

特集:第99回箱根駅伝

立教大学は箱根駅伝総合18位 上野裕一郎監督「出られてよかったは、もう終わり」

総合18位でゴールテープを切る立教大の安藤(撮影・吉田耕一郎)

第99回箱根駅伝

1月2・3日@東京・大手町~箱根・芦ノ湖間往復の217.1km
総合優勝 駒澤大(2年ぶり8度目)10時間47分11秒
2位 中央大   10時間48分53秒
3位 青山学院大 10時間54分25秒
4位 國學院大  10時間55分01秒
5位 順天堂大  10時間55分18秒
6位 早稲田大  10時間55分21秒
7位 法政大   10時間55分28秒
8位 創価大   10時間55分55秒
9位 城西大   10時間58分22秒
10位 東洋大   10時間58分26秒
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18位 立教大   11時間10分38秒

1月2、3両日に開催された第99回箱根駅伝で、55年ぶりの出場となった立教大学は往路で20位だったことも響き、総合18位だった。昨年12月の取材でシード権獲得を目標に定めることを口にし、選手たちには「楽しんで走ってもらいたい」と語っていた上野裕一郎監督。レースを終えた後は「駄目だったものは、しっかり対処してこの後につなげていかないと。それができないままでは来年、この舞台には立てない」と厳しい言葉を残した。

後々まで響いた往路の出遅れ

1区は上野監督からエースとして期待され、本人も1区を熱望していた林虎大朗(2年、大牟田)に任された。レースは関東学生連合の新田颯(育英大4年、千原台)が飛び出し、後方の集団は一時、1kmあたり3分を超えるスローペース。駆け引きが求められる展開に、林はのみ込まれてしまった。トップと1分21秒差の18位で2区の國安広人(1年、須磨学園)に襷(たすき)が渡った。

國安は昨年10月の箱根駅伝予選会で、チームトップの1時間3分13秒をマークした。この記録はエントリーされたメンバーの中でも中山凜斗(3年、九州学院)と並んで、最もいいタイムだ。今後の期待も込めての起用となったが、他の大学も「花の2区」にはエースを配置してきた。東洋大学の石田洸介(2年、東農大二)や大東文化大学のピーター・ワンジル(2年、仙台育英)をかわしたものの、東海大学のエース・石原翔太郎(3年、倉敷)と専修大学のダンカン・キサイサ(2年、大分東明)に抜かされ、区間18位。チームも18位で3区に入った。

國安は昨年の予選会でチームトップとなり本戦は2区に抜擢された(撮影・藤井みさ)

3区は成長著しい関口絢太(3年、國學院久我山)に託された。昨年11月25日に行われた「MARCH対抗戦」でチームトップの28分29秒24。立教大学としての新記録を打ち立てた。かつて3区で区間賞を獲得した上野監督からの助言を受け、序盤の下りでペースを上げて1時間2分台をめざしていたが失速。1時間4分1秒で順位を一つ落とした。4区の馬場賢人(1年、大牟田)は専修大を抜いて再び18位となったものの、5区の相澤拓摩(1年、専大松戸)は区間20位の苦しい走りとなり、往路を20位で終えた。この時点でシード権内の10位にいた創価大学とは9分36秒差がつき、トップの駒澤大学とは15分45秒差。上野監督は「前半で遅れたのが痛かった。トップから15分の出遅れというところが響いてしまった」と振り返る。

往路は20位でフィニッシュした(撮影・吉田耕一郎)

悔しさを知る中山凜斗が意地の走り

復路は関東学生連合を含む7チームでの一斉スタートとなった。6区の山下りは内田賢利(3年、駒澤)がつなぎ、7区で服部凱杏(3年、佐久長聖)が順位を一つ上げた。復路はトップと20分差がついたときの繰り上げスタートがちらつくが、上野監督は「服部が終わった時点で、後の選手たちは練習でも力をつけてきていたので、繰り上げはないと思っていました。そもそも襷がつながらないということは、あまり考えていなかった」。

監督の期待に走りで応えたのは、1年のときに関東学生連合の一員として4区を走り、悔しさを味わった9区の中山だった。8区の山本羅生(2年、松浦)から襷を受けると、走った10選手の中では最もいい区間12位の力走で、復路で初めて順位を18位に上げ、アンカーの安藤圭佑(2年、豊川)へ。「江戸紫」の襷を渡しきった。

9区中山からアンカー安藤へ。「江戸紫」の襷をつなぎきった(撮影・北川直樹)

レース後、上野監督の表情は晴れないままだった。「復路に関しては、前半に突っ込んだ分、後半の足がなくなってしまっていた。きつくなってから耐えられない。それに耐えうる足作りとスタミナ養成というのを1年かけてやらないといけない。課題が明確になりました。往路の前半に関しては、力があるにも関わらず、うまく走れなかった。なんでだろうというところを本人たちにも考えてもらいたいです」

これからも選手と一緒に走る

立教大は、大学創立150周年を迎える来年の第100回箱根駅伝への出場をめざし「立教箱根駅伝2024」事業に取り組んでいる。今大会は予選会を6位で突破し、目標よりも1年早く本戦に出場できた。「今年は出られるだけで良かったという形でしたけど、もうそれは終わりました。閉会式も終わったので、今度は『当たり前に出ないといけない大学』『上で戦わないといけない大学』という意識をしっかり持たせた状態で、来年はこの舞台に立ちたいと思います」と上野監督。今大会は主将のミラー千本真章(みらーちもとまっくす、4年、立教新座)がサポートに回り、チームエントリー16人全員が3年生以下で臨んだ。順調にいけば、今年10月に予定されている予選会も突破が見込めそうだが、チームとしては「さらに上」をめざしている。

「力の差は(優勝した駒澤大学と約)23分あるので、そこを埋めるにはどういうことをしていったらよいのか。選手に『チーム内で力があるから、次も選ばれて、いつも通り走る』というのでは、また18番~20番あたりを行き来するんだろうなと思います。これには学生たちが必死に頑張らないといけない」

今回の悔しさをバネに第100回大会での飛躍をめざす(代表撮影)

それなら今後は選手への接し方も変わりますか? と尋ねてみた。すると今月22日の全国都道府県対抗男子駅伝で長野の選手としても登録されている上野監督は「私も大丈夫なときは一緒に体を動かして走る指導スタイルは変わらないです」と答えた。選手たちに変わってほしいのは、現状で満足しないという意識の部分なのだろう。

第100回箱根駅伝の予選会はこれまでの関東だけでなく、全国から参加が可能となった。さらに厳しくなる予選会を勝ち抜き、立教大が節目の大会に出場できたとき、今年走った選手たちが大きく成長した姿を見られることは間違いない。

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