サッカー

特集:New Leaders2023

駒澤大学・小針宏太郎 「1部復帰と日本一をめざす」と捲土重来を期す新主将

意気込む小針宏太郎(撮影・すべて駒大スポーツ編集部)

JR東日本カップ2022第96回関東大学サッカーリーグ戦を10位で終え、プレーオフで東海大学に敗れて2部降格が決定した駒澤大学。2013年以来、2部での戦いとなる今季、新チームの主将に小針宏太郎(3年、鹿島ユース)が就任した。昨季はけがに苦しむ時期もあったが、右サイドバックを主戦場にレギュラーとして活躍。また第37回デンソーカップチャレンジサッカー茨城大会の関東選抜Aに招集されるなど、多くの試合経験を積んでいる。

右サイドバックで対人能力の高さを見せた

高校時代を名門・鹿島アントラーズユースで同期の山田大樹(現・ファジアーノ岡山)らとともに過ごし、駒澤大に進学した。

駒澤大では1年時にリーグ戦デビューを果たすと、2年の後半には3バックの一角としてレギュラーの座を射止めた。当時の主将であった猪俣主真、前年度主将の相澤佑哉(現・ロアッソ熊本)とともに最後尾から駒大サッカーを支え、リーグ戦準優勝、インカレ制覇に大きく貢献した。

3バックから従来の4バックへと戻した3年時には、ほとんど経験のない右サイドバックにも挑戦。「一つのポジションしかできないより複数のポジションが出来た方が選手としての幅が広がる」と前向きに取り組んだ。

自分のプレーの長所に対人能力の高さと空中戦の強さを挙げている小針は「センターバックはやっぱり自分の長所が生きるポジション。サイドバックでは攻撃より守備に強みをもっている選手だと思うのでラインコントロールや1対1などの守備の所で貢献しつつ、機を見てオーバーラップなどの攻撃参加をしていきたい」と違いを説明した。

チーム作り 伝統を守り自分のカラーを出す

駒澤大の主将は伝統的に選手間で話し合って決める。小針も同様に自ら立候補した。新主将に決まった当初は不安もあったそうだが「自分たちの代で1部復帰や、2年前に成し遂げた日本一を達成したい」という思いが強く「チームのために力になれれば」と感じ、手を挙げた。

主将として良いチーム作りは欠かせない。「昨年度の結果が振るわなかった分、このままでは足りないというのを強く言っていかなくてはいけない」とチームを鼓舞し、そのうえで「後輩ともコミュニケーションをしっかりとって風通しの良いチームにしていきたい」としており「ストレスなくみんながプレーできるように」意識しているようだ。

では、そういったチーム作りをどのようにしていくのか。小針は先代の主将たちを「本当に大変なことをやってくれていた」と改めて尊敬した。1年時には薬真寺孝弥(現・FCティアモ枚方)、2年時には猪俣、3年では相澤とそれぞれの主将像を見てきた。「それぞれ違ったカラーで主将を務めていた。今までの伝統は崩さずに自分なりに自分のカラーをだしていきたい」

1部復帰は「絶対に達成する」、さらに総理大臣杯も狙う

今季の目標を次のように掲げた。

「チームとして1部復帰というのは絶対に達成しなくてはいけない。そのうえでアミノバイタルカップを勝ち抜けば総理大臣杯というのも見えてくる。日本一も狙っていきたい」

主将に立候補した時と思いは変わらず、二兎を追っていく姿勢だ。

降格が決まったプレーオフにも出場した

「個人としては目に見える数字にこだわる。昨年度は数字が残せなかった分、ゴールやアシストといった目に見える結果を残したい。自分の小さいころからの目標であるプロサッカー選手を目指し、頑張っていきたい」と将来を見据えた。

そのためにも自信のレベルアップを図る。デンソーカップでは「自分の武器が通用するという手応えもあったが、大学トップレベルの選手たちとの差を感じた」という。

「そういった選手たちに個人として負けないようになれば、チームを引っ張っていける選手になれると思う」と個人の成長がチームの力を引き上げることにつながると考えている。

「Jリーグに行く選手たちと1週間くらい共同生活するなかで意識の高さを感じた。自分にも取り入れながらレベルアップしていけたらなと思う」と合宿生活を振り返り、新たな成長のきっかけになりそうだ。

駒澤大のためにも、そして自身の1年後のためにも非常に重要なシーズンになることは間違いない。2023シーズンが終わった時、目標が成就し、笑顔で次のステージに進めるように走り始める。

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