サッカー

インカレ覇者の駒澤大、猪俣主真主将らの強固な最終ラインが支えた破壊力のある攻撃

駒澤は決勝で阪南大を下し、14大会ぶり7度目となる優勝を果たした(優勝カップを持っているのが猪俣)

第70回全日本大学選手権 決勝

12月18日@NACK5スタジアム大宮
駒澤大学 3-2 阪南大学
駒澤大学が14大会ぶり7度目の優勝

2年ぶりにインカレが開催され、第70回大会となる2021年度は、Jクラブ内定者4人を擁する駒澤大学が2006年以来14大会ぶり7度目となる優勝を成し遂げた。駒大最大の魅力はなんといっても破壊力のある攻撃陣だが、インカレで輝きを放ったのが、全4戦で合計3失点に抑えた駒大最終ラインをまとめる主将・猪俣主真(いのまた・かずま、4年、三浦学苑)だ。

最終ラインを堅め、正確なキックで攻撃につなげる

関東1部リーグ戦で駒大は総得点数1位の流通経済大学にわずか1点差に迫る46得点をマーク。なかでも荒木駿太(4年、長崎総科大付附、サガン鳥栖内定)、宮崎鴻(4年、前橋育英、栃木SC内定)、土信田悠生(4年、高川学園、ロアッソ熊本内定)の3人はそろってリーグ戦2桁得点を記録し、対戦相手の監督からは「分かっていても止められなかった」という声もあがった。インカレでも全4試合で11点をあげている。

ロングボール主体の攻撃をする駒大のサッカーにおいて、最終ラインの選手は攻撃のトリガーを引く存在だ。猪俣は「攻撃の第一歩となるパスを心掛けている」と話し、左右遜色なく正確なキックが蹴られるようになった。

猪俣(右)は21年シーズン、公式戦全試合フル出場を果たした

猪俣の主戦場はセンターバック。高校時代は決して全国的に有名な選手ではなかったが、1年生の時から出場機会を得ると2年生ではレギュラーの座を確保。最終学年となった21年度は、コロナ禍で変則的な過密日程ながらも公式戦全試合フル出場を果たしている。

秋田監督「猪俣を中心にまとまったチーム」

身長174cm・体重65kgと猪俣は決して体格のいい選手ではない。むしろ身長180、190cm台の選手が多く存在するセンターバックでは体格的に目立たない選手だと言えるが、それを補って余りある魅力がある。ポジショニングの良さ、カバーリング能力の高さは大学随一。常に「うちには突出した選手はいない」と述べる駒大の秋田浩一監督も、「猪俣を中心にまとまったチームになっている」と評価する。また、能力の高さはインカレベストDF、リーグ戦ベストイレブンという個人賞にも表れている。

猪俣(左から2人目)はインカレベストDFに選ばれた

今年度からは従来の4バックをやめ、荒木、宮崎、土信田を中央で同時起用するため、状況によって3バックと5バックを使い分ける布陣にチームとして挑戦した。導入当初は苦戦し、なかなかメンバーが定まらなかったが、最終的にはこの最終ラインの守りの堅さが、日本一への強い力となった。

ピッチ内では主力として、ピッチ外では主将として駒大を引っ張ってきた。4年間で積み重ねてきた努力が「日本一の主将」という最高の形となった。

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