サッカー

「何試合かに1回でもミスしてはダメ」 シュミットが目指す正GK像

試合終了のホイッスルが鳴り悔しそうな表情を見せるGKシュミット・ダニエル(撮影・小玉重隆)

 サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会後、日本代表が再スタートを切った。3月の国際親善試合「キリンチャレンジカップ」の2試合でゴールを守ったのは、31歳のGKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)だった。

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 「目標だった」という代表メンバーに選ばれながら、ピッチに立てなかったW杯カタール大会。「出られない悔しさもあった。カタールを経験して、余計に次のW杯に出たいと思った」。ベンチから試合を見つめた日々を振り返る。

 身長197センチの大型GKだ。メンバー発表前の親善試合・エクアドル戦ではPKを止めるなど好プレーを見せたが、正GKだった権田修一(34)からポジションを奪うまでには至らなかった。

 「アジアの予選を戦い抜く、という経験を自分はしていなかったし、監督の信頼を得るまでには値しなかった。大会前も序列をひっくり返すまでの活躍はできなかった」

 だからこそ、次の4年間は「チームと一緒に成長して、W杯出場に導いてこそ、ピッチに立つことが見えてくる」と意識している。

 権田がメンバー外となった今回のキリンチャレンジカップでは、強豪のウルグアイ、コロンビア相手に3失点したものの、2試合にフル出場した。持ち味でもある足元の技術の高さを披露し、攻撃の起点になったシーンもあった。

 森保一監督から最初の2連戦で先発を託された期待を感じてはいる。

 「何試合も連続で出て、その中で安定感が出せるかどうかを多分見られている。何試合かに1回ミスするようなGKはダメだし、そういうGKは信頼されない」

 欧州で定位置をつかみ、試合に出続ける数少ない日本人GKとして、信頼をつかむ努力を続ける。

=朝日新聞デジタル2023年04月01日掲載

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