筑波大学が4度目の東日本セブンズ制覇! 立役者は増山将・飯岡建人のルーキー2人
第24回東日本大学セブンズラグビーフットボール大会
4月9日@秩父宮ラグビー場(東京)
優勝 筑波大学(9年ぶり4度目)
-------------------------------------------------
1回戦 31-17 法政大学
準々決勝 26-21 帝京大学
準決勝 24-17 明治大学
決勝 21-17 流通経済大学
4月9日、東京・秩父宮ラグビー場では16チーム(東日本の大学15校と北海道選抜)が参加し、第24回東日本大学セブンズ大会が開催された。チャンピオンシップ決勝は4度目の優勝を目指す筑波大学と初優勝を狙う流通経済大学の「茨城ダービー」となり、筑波大が21-17で勝利。9年ぶり4度目の栄冠に輝いた。
なおコンソレーション(1回戦で敗戦した8チームによるトーナメント)は法政大学が早稲田大学を33-7で下して制した。
準決勝の明治大戦、増山が2トライ
筑波大は初戦で法政大に31-17、チャンピオンシップ1回戦は昨季の大学選手権王者・帝京大学に26-21、準決勝は5連覇を目指した明治大学に対し、ルーキーの増山将(1年、東海大大阪仰星)が2トライを挙げる活躍を見せて決勝に進出した。
流通経済大は初戦で早稲田大に24-21で勝利すると勢いに乗り、チャンピオンシップ1回戦で立教大学に52-14、準決勝で過去5度の優勝を誇る東海大学を36-19で下し、決勝に駒を進めた。
チャンピオンシップ決勝戦は前半、筑波大が素晴らしいアタックを見せて主導権を握った。1分に高橋佑太朗(2年、茗渓学園)、3分に濱島遼(2年、福岡)がトライを挙げると、髙田賢臣(4年、浦和) がゴールをしっかりと決めて14-0とリードした。
その後、相手に1トライを許したものの、「来ると思った」と相手ボールを1年の飯岡建人(流通経済大柏)がインターセプトを決めて大きくゲイン。最後はサポートした中野真太郎(2年、福岡)がトライを挙げ、21-7で前半を折り返した。
後半、キックオフから崩された筑波大は2トライを許したものの、筑波大らしくチーム一丸となって接点で体を張り続け、最後のピンチも守り切り21-17でノーサイド。9年ぶり4度目の栄冠をつかみ、喜びを爆発させた。
「筑波はBKのチーム」誇れるセブンズ優勝
他の大学と同様、筑波大は大会の1週間前から通常の練習の前後で7人制ラグビーに取り組み、1日だけセブンズに集中して取り組んだという。
普段はBKコーチを務めているOBの村上大記監督は「(練習は)限られた時間だったが、言い訳せず筑波のプライドを見せようと臨んだ。普段15人制の中で練習しているスキル、筑波として強みとしている接点、サポートといった部分で良さを発揮してくれた」と振り返った。
1日で4試合戦い、さすがに疲れた表情を見せていたゲームキャプテンの白栄拓也(4年、高鍋)は「1日を通して苦しい時間帯が多かったが、全員が一丸でやれたことが優勝につながった。筑波はBKのチームと言われているので、7人制の大会で優勝したことは評価できる」と胸を張った。
決勝後、選手たちに優勝できた要因を聞くと「1年生2人の活躍です!」と声をそろえた。村上監督も「増山は自分で仕掛けるランニングスキルが高くて、攻撃にアクセントをつけてくれる、飯岡はハイボールが強いので、キックオフの攻防に期待し、(2人とも)期待通りのプレーをしてくれた」と増山、飯岡の2人をたたえた。
来季の創部100周年を控え、今から上昇気流
4試合で5トライと気を吐いた増山は東海大大阪仰星2年時、FB(フルバック)として「花園」こと全国高校ラグビー大会で優勝を経験。ステップが鋭いランナーだ。高校日本代表こそ候補止まりでアイルランド遠征には参加できなかったが、その悔しさを晴らした。
トライに絡む活躍だけでなく、空中戦でもチームに勢いを与えた飯岡は3月、高校日本代表としてアイルランドU19代表戦の勝利に貢献したCTB(センター)/WTB(ウィング)だ。2人とも花園後の1月、U18男子SDS(セブンズ・デベロップメント・スコッド)の一員としてフィジー遠征に参加しており、そこでの経験も大いに生きたようだ。
増山は「試合をやっていくうちに先輩たちと打ち解けて、先輩たちがうまく自分を使ってくれた。楽しかった!」と言えば、飯岡は「先輩たちが助けてくれたので結果がある。1年生で最初から優勝できてこのままいきたい。いずれは(セブンズ日本代表として)オリンピックに出てみたい!」と声を弾ませた。
昨季の大学選手権では、関東対抗戦で5位ながらも快進撃を見せてベスト4に入った筑波大ラグビー部。来季は創部100周年も控えている。今季は春から1年生2人の躍動もあり、今から上昇気流に乗りそうだ。