5連覇中の東海大に南ア出身FB、旋風の東洋大に坂本琥珀 期待のルーキーリーグ戦編
ラグビーの関東春季交流大会、関西春季トーナメントが本格的に始まっており、6月は強豪同士の対戦も数多く組まれている。関東大学ラグビー対抗戦Aグループ、関東大学ラグビーリーグ戦1部、関西大学ラグビーAリーグの主要三つのリーグの各チームに入ったフレッシュなルーキーを紹介していきたい。第2回は関東大学リーグ戦1部だ。
東海大 高校日本代表候補の細川ら53人
昨季、開幕戦こそ東洋大に苦杯をなめたが、その後は全勝して初の5連覇&12回目の優勝を遂げた王者・東海大。ただ大学選手権では準々決勝に敗れて年内でシーズンを終えた。今季も引き続き木村季由監督が率いている。
そんなシーゲイルズには今季もリーグ戦最多となる53人の新人が加入。南アフリカ出身の身長191cmの大型FBコンラッド・セブンスターが明治大戦で先発、同じく南アフリカ出身のNO8ヘンドリック・スミスが開幕戦でベンチから出場した。
他に付属高校からPR小櫃佑紀、FL井本晴空、NO8藤原蒼士(いずれも東海大大阪仰星)、双子のSO野口柊&CTB涼(ともに東海大相模)やSO鈴木秀典(東海大静岡翔洋)、CTB/WTBウェスリー・トンガ(東海大福岡)、さらに高校日本代表候補のLO細川聖(黒沢尻北)、NO8安田尊(佐賀工業)、SH今聡(仙台育英)、WTB永瀬由太郎(京都成章)ら有望選手も加入した。
流通経済大 付属校から高校代表候補・小澤や土井
関東リーグ戦2位だった流通経済大は、今季、内山達二監督が退任し、ヘッドコーチだった韓国出身の池英基ヘッドコーチが監督に昇格した。新人は31人が加入した。フィジー出身で突破力にたけたWTBアポロサ・デレナラギがすでにWTBとして先発として出場、LO園田虎之介(熊本工業)、FL豊田晃清(流通経済大柏)がベンチ入りを果たしている。
高大連携で強化しているため、流通経済大柏からはFL豊田以外にもPR菊池優詩、HO土井雄斗、LO吉村雄羽、FL加藤アディナン、高校日本代表候補だったNO8小澤天、SH野口峻、古瀬剛、SO大野遼太郎、WTB永野匠翔、FB小野塚勇太と10人が加わっており大きな力となろう。
東洋大 坂本がリーグワン相手にさっそく躍動
昨季、大学ラグビーで旋風を巻き起こし、3位に入り初の大学選手権出場を果たした東洋大。16人のルーキーが加わった。埼玉パナソニックワイルドナイツとの練習試合で躍動し、春季大会で先発の座を射止めたのがWTB坂本琥珀(仙台育英)だ。他にもCTB/WTB松嶋礼(北越)、花園に出場したジャッカルが武器のFL金井悠隼(東海大相模)、父の故・ワテソニ氏が大東文化大学と三洋電機(現・埼玉ワイルドナイツ)に在籍していたFL/NO8ナモア・ファタフェヒ(桐生第一)がベンチ入りを果たしている。
他にもPR植松進之輔(昌平)、PRフープス・スティーブン武蔵(開志国際)、LO山本圭悟(東海大相模)、SH亀田翔蹴(桐生第一)、CTB神真広(青森山田)、菅瑞揮(目黒学院)らが加わった。
日本大 浦川、ナワイカバカバ、岡ら34人加入
昨季、元日本代表の菊谷崇HC体制となったが、4位となり大学選手権出場を逃した日本大。今季は指導体制を刷新し、OBの窪田幸一郎コーチが昇格し監督に、女子セブンズの指導者として有名なOBの稲田仁氏がヘッドコーチに新たに就いて、再びFWからチームを作り、春から好調を維持している。
FW14人、BK20人の計34人の新戦力が加わり、WTB浦川直輝(大分東明)が先発出場を果たし、フィジー出身のLO/NO8マラカイ・ナワイカバカバが控えメンバー入り。
他にはFWはPR池田怜士人(東福岡)、PR田中惇平(東海大相模)、PR松井我空、LO岡亮太(ともに佐賀工業)、FL大宮碧海(御所実業)、FL石川莉央(報徳学園)、NO8峰村彩希(京都成章)らが入部した。
BKにはSH丹羽来綺(中部大春日丘)、用松寛信(石見智翠館)、若林望(京都成章)、北池天将(御所実業)、SO後藤翔大(佐賀工業)、黒嵜柊希(中部大春日丘)、山根壮太(日川)、CTB比嘉亮多(國學院栃木)、セコペ・タギカキベラタ、WTB今利真心人(天理)、FB筒井晴太郎(中部大春日丘)らが加わった。
立正大 平尾、岩重が春から早くも先発出場
昨季、惜しくも最終戦で負けて5位で大学選手権出場を逃した立正大。今季は春季大会から積極的に1年生を起用し底上げを図っている。
NO8平尾晃太(大商大付属)、FL岩重拓海(大分東明)の2人はすでに春から先発出場し、PR原口凌河(ともに大分東明)、PR赤木謙心(延岡星雲)、LO橋本優真(常翔学園)、SH宮川晴登(大分東明)、FB高橋遼成(日本大学高)らが控えから出場を果たしている。
法政大 高校代表候補・守安や炭竈が入学
今季こそ、何としても大学選手権に出場したいリーグ戦最多優勝13回を誇る法政大(昨季5位)。PR和山学弥(法政二高)、CTB鈴木颯太(秋田工業)、高校2冠を達成した報徳学園の中軸だったCTB炭竈柚斗が先発し、高校日本代表候補だったHO守安史成(桐蔭学園)、LO山内滉太(昌平)、WTB/FB立山一希(静岡聖光学院)がすでに春季大会でメンバー入りを果たしている。
他にもHO本橋陽助(國學院久我山)、報徳学園のキャプテンだったFL植浦慎仁、國學院栃木の中心メンバーだったNO8北村優、SH野島大翔(東海大相模)らポテンシャルのある選手が多く加入しており、ポジション争いが激しくなっている。
大東文化大・拓殖大 すでに1年生が戦力に
今季、かつて中央大を指導していたOBの酒井宏之監督が新たに就任し、再び上位に進出したい大東文化大。PR内田瑛貴(青森山田)、FL小澤海斗(黒沢尻工業)、LO/FL中森悠路(柏中央)、LO/NO8進藤優弥(秋田中央)、SH/FB麻生十良(大東文化一高)らが控えから出場している。
今季、昇格し再び1部で戦うことになった拓殖大。すでにFB奥田魁がレギュラーとして躍動し、SO桃木承太朗(ともに京都成章)も先発しており、BK陣の大きな力となっている。
昨季は東洋大が大きな旋風を巻き起こした関東リーグ戦。大学選手権出場枠は三つ。今季も東海大、流通経済大、東洋大がその地位を確保するのか、それとも他大学が巻き返しを図るのか。三つの大学で新たな指揮官が誕生しており、拓殖大も再び1部に戻ってきた。「群雄割拠」の関東リーグ戦を制するには、やはり新人の力が大いに必要となってくるはずだ。