WUBS初出場の白鷗大学 エース脇真大「まずはうちのチームを好きになってほしい」
世界各国の強豪大学が集い、しのぎを削る国際的バスケットボールイベント「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(以下、WUBS)」が8月10日~13日、東京・代々木第二体育館で開催される。日本代表として東海大学とともに参加する白鷗大学の網野友雄監督と選手たちに、大会への意気込みを聞いた(記事中に出てくる山﨑一渉選手は白鷗大の取材後にけがを公表しましたが、チームに帯同して来日する予定です)。
小林尚矢主将「個人のレベルが上がってきた」
WUBS日本代表の切符は今回、昨年末の全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)のファイナリスト2チームに与えられた。網野監督は「東海大さんが出場したWUBSの試合を見て、『チャンスがあるなら自分たちも出場したい』と思っていました。インカレのファイナリストにWUBS出場権が与えられるということは事前に知っていたので、決勝進出を決めたときには『次につながる貴重な体験ができる』とうれしく思ったのをよく覚えています」と当時を振り返った。
華やかな個人技を持つ選手や高校時代に名を残したスーパースターはおらずとも、堅いディフェンスと組織力を軸に実力を積み上げてきた白鷗大。2018年に元日本代表選手の網野氏が監督に就任すると、2019年に関東大学選手権(スプリングトーナメント)、2021年にインカレで初優勝を果たし、一気に大学界屈指の強豪チームへとのし上がった。
5月のスプリングトーナメントで準優勝に輝いたスタートメンバーは、ガードに図抜けたフィジカルと運動量を誇る森下瞬真(4年、延岡学園)と佐藤涼成(2年、福岡第一)、フォワードに長身オールラウンダーの脇真大(4年、岡山商科大附属)と嘉数啓希(4年、豊見城)、センターに高さと身体能力でチームを支えるシソコ・ドラマネ(4年、高山西)とバランスの取れた構成。控えメンバーにも根本大(3年、つくば秀英)、ジョエル・モンガ(2年、別府溝部学園)、八重樫ショーン龍(1年、仙台大附属明成)といった好プレーヤーたちがそろう。
キャプテンの小林尚矢(4年、北陸学院)は、今季ここまでのチームの歩みについて「まだ全然完璧ではないけれど、徐々に個人のレベルが上がってきて、チームとしてもいいバスケットができていると思う」とコメントした。
山﨑一渉との再会に八重樫ショーン龍「成長見せたい」
WUBSはU22日本代表などの選抜チームとしてではなく、単一チームとして海外の複数チームと真剣勝負ができる。網野監督もWUBSに出場したいと思っていた理由の一つとして、これを挙げていた。
「選抜チームとしてでなく、単独チームで国際試合を経験することはなかなかありません。近年うちのチームは、国内での立ち位置が少しずつ上がってきていますが、世界を見ればまだまだ足りないところがたくさんあるということを肌で感じてほしいし、そこをちゃんと見つめ直して、より高みを目指すきっかけになるような経験をしてほしいというのが一番です。そして、様々な国の戦い方やスタイルを肌で感じることで自分の中の世界観を広げ、人として成長するきっかけにしてほしいとも思います」
白鷗大には海外でのプレー経験を持つ選手が多く在籍している。U22日本代表の脇、佐藤、境アリーム(1年、開志国際)。U19日本代表としてワールドカップベスト8入りを果たした八重樫。佐藤と堀内星河(1年、実践学園)はスポーツブランドが主催する海外キャンプへの参加経験があり、留学生のシソコとジョエルは母国でプレーしていた。こういった選手たちが海外を相手に自チームでどれだけ実力を発揮できるかは、注目したい点だ。
網野監督は、彼らの豊かな将来性を踏まえてこのようにも話す。
「選手たちはもしかしたら、代表チームで顔を合わせることになるかもしれないですし、プロに行った時にチームメートになる可能性もあるかもしれません。そういう時に『あの時はこういう試合をしたね』って印象に残るようなプレーを心がけてもらいたいなと思います」
また、仙台大附属明成出身の丹尾久力(2年)、八重樫、内藤晴樹(1年)にとっては、アメリカ代表のラドフォード大学に進学した元チームメート・山﨑一渉(いぶ)との再会の場にもなる。「尊敬するプレーヤー」と山﨑を評する八重樫は「3ポイントシュートやドライブなど、自分が前よりも成長したっていう姿を見せたい」とはにかんだ。
網野友雄監督「純粋にその場の雰囲気を楽しめる選手が多い」
網野監督が「ペリメーターの選手(3ポイントラインの外から攻撃をしかける選手)としてサイズがあって、ディフェンスも強い、国際大会向きの選手」とWUBSでの活躍を期待するエースの脇も、本番を心待ちにしている。
「これまでいろんな国際大会に出てきましたけれど、自分のチームとして出場するのは初めて。演出がたくさん入るような会場でプレーすることも含めてとても楽しみです。自分の得点を取る姿勢みたいなものを世界中のバスケットボールファンに見てもらいたいですし、バスケを離れたところでふざけてる姿なんかも楽しく見てもらえたらなと思います」
本人もこう語るように、得点やバスケットボールに対するいい意味でのエゴがとても強い脇だが、一番注目してほしいのは自分以外だと繰り返し強調した。
「大きな舞台でやるのは本当に楽しみなんですけど、どの大会でも自分の活躍がどうとかみたいなことは、あまり考えてなくて。WUBSでも、まずはうちのチームを好きになってほしいです。例えば佐藤涼成はディフェンスとゲームコントロールがすごくいいですし、嘉数もシュートがあっていい選手。1年の内藤がこの大会でどれくらいやれるのかにも注目してもらいたいです。その上で僕のいいプレーも見てもらえたらうれしいです」
白鷗大には上記のような経験豊富な選手もいれば、大学までのキャリアが少ない選手もいる。しかし網野監督は「純粋にその場の雰囲気を楽しめる選手が多いので、いろんな演出もプレッシャーと感じずに楽しんでくれると思います」と選手たちに全幅の信頼を寄せる。
この大会で目指すのは、もちろん優勝。網野監督は「目の前の試合に集中しながら優勝を目指して頑張っていきたいです」と抱負を語った。
◇Sun Chlorella presents World University Basketball Series
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