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WUBS、2年連続出場の東海大学 黒川虎徹主将「ハードワークを徹底すれば戦える」

昨年もWUBSに出場した東海大学の黒川虎徹主将(すべて撮影・瀬戸口翼)

世界各国の強豪大学が集い、しのぎを削る国際的バスケットボールイベント「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(以下、WUBS)」が8月10日~13日、東京・代々木第二体育館で開催される。昨年に続き2年連続でこの大会に出場するのが東海大学。陸川章監督と選手たちに大会への意気込みを聞いた(記事中に出てくる山﨑一渉選手は東海大の取材後にけがを公表しましたが、チームに帯同して来日する予定です)。

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陸川章監督、昨年は「インカレで勝てた原動力に」

昨年の全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)で、下馬評を覆す劇的な優勝を果たした東海大の陸川監督は、要因の一つとしてWUBSを挙げた。

「コロナ禍で海外遠征ができなくなった中、WUBSでは非常に大きな経験ができました。ましてや、各国ナンバーワンの単一チームが、一堂に会する大会に参加するのは初めての経験。このシーズンの最後にインカレで勝てた原動力になったんじゃないかと思います」

記念すべき第1回大会に日本代表として参加した東海大は、アテネオ・デ・マニラ大学(フィリピン代表)に次ぐ準優勝で大会を終えた。アテネオ・デ・マニラ大と、2試合目で対戦した国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ代表)は、ともに日本の大学バスケでは経験できないフィジカル強度を持つチームだった。この2チームに対し、東海大のチームアイデンティティー、ディフェンスが通用したことが、選手に大きな自信を与えたと陸川監督は話す。

陸川章監督は前回大会を「非常に大きな経験ができた」と振り返る

東海大シーガルスは、言わずと知れた日本屈指の名門バスケットボールチーム。日本代表選手やBリーガーをひしめき合うように輩出し、現在もU22日本代表の黒川虎徹(4年、東海大諏訪)、元U19日本代表の元田大陽(4年、北陸学院)とハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(3年、福岡第一)といった実力者が多く在籍する。近年大学界の主流となっているアフリカ出身の留学生はいないが、磨き上げられたフィジカルと緻密(ちみつ)なチーム戦術で彼らと対等に戦える、数少ないチームの一つだ。

今大会は初戦の国立政治大に勝てば、準決勝では韓国ナンバー1チームの高麗大学校か、アメリカNCAA1部に所属するラドフォード大学との対戦が控えている。いずれも一筋縄ではいかない強豪だが、陸川監督は「絶対に逃げない。1人でダメなら2人で止める。チームとしてフィストして、守り、攻めたいです」と力を込めた。

西田公陽「エースとしてチームを勝たせる」

陸川監督と主将の黒川にWUBSで注目してほしい選手を尋ねると、それぞれ異なる選手の名前が挙がった。陸川監督が挙げたのは、元田、西田公陽(4年、福岡大大濠)、江原信太朗(4年、実践学園)の3人の4年生。主将の黒川がワールドユニバーシティゲームズで大会直前までチームを離れるため、その間彼らがチームを引っ張り上げることに期待しているという。

元田とともに副キャプテンを務める西田は、日本代表で活躍中の東海大OB・西田優大(現・シーホース三河)の弟。身体能力とスキルを武器に、泥臭いディフェンスと勝負強いシュートでチームをもり立てる存在だ。

西田は大きな決意を持ってWUBSに挑む。

「去年は島谷さん(怜、現・レバンガ北海道)や松崎さん(裕樹、現・横浜ビー・コルセアーズ)がお膳立てしてくれた3ポイントシュートを打つくらいだったので、今年はピックアンドロールやドライブからも、もっと点を取りにいきたいって思っています。もちろんチームとしてやるべきことはやりつつ、エースとして点を取ってチームを勝たせる選手になっていきたいです」

けがなどの影響もあり、高い実力を持っているにもかかわらず突き抜けた瞬間を迎えきれずにいる印象のある西田。メディアに向けて自分を「エース」と言い切る姿に、この大会にかける強い思いを感じさせられた。

西田公陽には「エース」としての自覚が芽生えてきた

ハーパー「一渉とはコート上でバチバチにやり合う」

黒川が名前を挙げたのは小林巧(3年、神戸村野工業)とハーパーの3年生コンビ。小林はエリートぞろいの東海大では少し地味な存在だが、多くの好プレーヤーを見てきた黒川が「本当にスキルフルで、バスケットのプレーだけだったらチームで一番」と絶賛する。遊ぶようにボールを操り、難しいパスやシュートを決める彼のプレーは、バスケットボールを見慣れていない人も楽しめるだろう。

ハーパーも華のある選手だが、それがディフェンスでも発揮されるという点で非常に珍しい選手だ。「ディフェンスからチームに勢いをもたらしてくれる選手。『東海の顔』を挙げるとしたら自分はハーパーじゃないかと思っているので、彼の勢いあるプレーや徹底したディフェンスを見てもらいたいです」

ハーパーは昨年の大会前に体調を崩し、ほとんどプレーしていない。「去年のリベンジというより、去年はなかったことにしてもう1回初めての気持ちで臨みたい」と今年は気合十分。加えて今年は、U16日本代表時代から仲のいいラドフォード大の山﨑一渉(いぶ、仙台大附属明成)と対戦する可能性もある。2人はほぼ毎日英語でメッセージをやり取りする間柄で、ラドフォード大の出場が決まったときは山﨑からメッセージが届いたという。

「アメリカのディビジョン1チームとの対戦では、日本の大学では味わえないようなものがたくさん学べると思います。自分たちは小さいけれど、それでも大きい相手や強い相手と戦えるっていうことを証明したいです。一渉とはコート上でバチバチにやり合いながら、英語でトラッシュトークができたらいいなと思います」

「東海の顔」として期待がかかるハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア

違った視点から物事を考えられるようになった

個性豊かな面々をまとめるキャプテンの黒川は、小柄ながら強いハートと高いバスケットIQでチームを引っ張る。「国によって戦術が全然違っていて、それまでと違った視点で物事を考えられるようになったことがインカレ優勝につながったように思う」と前回のWUBSで得た収穫を語り、「今年は(英語が話せる)江原にお願いして、戦術や練習のことを聞いてみたいです」と意気込む。そしてチームリーダーとして、今大会に寄せる思いを語った。

「今の自分たちが世界にどれだけ通用するかがわかる機会。本当に楽しみでしかありません。個人としてもチームとしてもどんどんチャレンジして、各国のいいところを学びたいです。うちのチームは海外から見れば小さいチームだけど、ディフェンスや戦術、ハードワークを徹底すれば小さくても戦える。そういうところを世界中の皆さんに見てもらえたらと思います」

チャレンジャーとして世界各国の強豪に立ち向かう

Sun Chlorella presents World University Basketball Series

公式サイト:https://www.wubseries.com/event
Instagram:https://www.instagram.com/wubs_official/
Twitter:https://twitter.com/wubs_official
TikTok:https://www.tiktok.com/@wubs_official

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