陸上・駅伝

特集:第35回出雲駅伝

出雲駅伝出場校の平均タイムは? 10000m・5000mともに、トップは中央大学

前回の出雲駅伝で1区区間賞だった中央大の吉居大和(すべて撮影・藤井みさ)

第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が10月9日、島根県出雲市の出雲大社正面鳥居前をスタート地点に、開催される。各チームは6区間(45.1km)を襷(たすき)でつなぎ、ゴールの出雲ドーム前をめざす。大会事務局が発表した資料では、出場チームのエントリー選手10人のうち、10000mと5000mの上位6人における平均タイムを算出したところ、いずれも中央大学がトップだった。10000mでは次点に國學院大學、5000mでは駒澤大学がつけている。

大会事務局によると、9月19日正午までだった申し込み期限までに、各チームから届いた持ちタイムをもとにしている。そのため青山学院大学の選手たちが多くの好記録を出した9月24日の絆記録挑戦会や、9月30日に中央大などの選手たちが出走した「Yogibo Athletics Challenge Cup 2023」は含まれていない。

アイビーリーグ選抜を除いた各チームの10000mと5000mの平均タイムは、以下の通り。

10000mの平均タイム上位は、中央・國學院・創価

平均が28分台のチーム

中央大学   28分17秒15
國學院大學  28分25秒81
創価大学   28分26秒52
青山学院大学 28分29秒70
駒澤大学   28分36秒48
城西大学   28分40秒84
順天堂大学  28分45秒31
東洋大学   28分46秒44
早稲田大学  28分57秒05 

20チーム中、10000mの平均タイムが最も速かったのは中央大。Wエースの中野翔太(4年、世羅)が28分00秒86、吉居大和(4年、仙台育英)が28分03秒90のタイムを持ち、チームを率いる。また9月30日に行われた「Yogibo Athletics Challenge Cup 2023」の5000mで日本人学生歴代6位の13分22秒01をたたき出した吉居駿恭(2年、仙台育英)や主将の湯浅仁(4年、宮崎日大)ら主力メンバーがエントリーし、盤石の布陣だ。個人記録で見ても、10000m上位35人の中で6人がランクインし、層の厚さをうかがわせる。

次いで、昨年の出雲駅伝・全日本大学駅伝で準優勝を果たした國學院大。日本インカレ10000mで日本人トップの主将・伊地知賢造(4年、松山)と3年生ながら副主将を担う平林清登(美方)・山本歩夢(自由ケ丘)の3本柱を中心に、昨年度惜しくも成し遂げられなかった「優勝」を狙う。

9月の日本インカレ男子10000mで日本人トップとなった國學院大の主将・伊地知

そしてリーキ・カミナ(3年、チョメ)とスティーブン・ムチーニ(1年、ミクユニ)の強力な留学生選手2人を擁する創価大が3位に。今季5000m、10000m、ハーフマラソンのすべてで自己記録を更新した山森龍暁(4年、鯖江)や今年東海大から転校した吉田響(3年、東海大静岡翔洋)らもエントリーし、昨季初めて3大駅伝フル出場を果たした経験を生かして、目標は「3位以上」だ。

青山学院大は、高校時代から駅伝力に定評がある佐藤一世(4年、八千代松陰)やこれまで故障に悩まされ、大学駅伝の出走がないものの、持ち前の勝負強さで関東インカレ2部5000mで日本人トップを取った鶴川正也(3年、九州学院)の活躍が見られるか。またインカレ2部3000m障害に出場し、大会新記録でワンツーフィニッシュをした小原響(4年、仙台二華)と黒田朝日(2年、玉野光南)も順当にエントリー。「All For Green~軌跡と躍進~」をスローガンに5年ぶり5度目の優勝を狙う。

前回大会を大会新で優勝し、3大駅伝三冠を成し遂げ駒澤大は絶対的なエースだった田澤廉(23年卒、現・トヨタ自動車)の穴を10000m全体トップのタイムを持つ鈴木芽吹(4年、佐久長聖)、ハーフマラソンの学生記録保持者・篠原倖太朗(3年、富里)、日の丸を背負う佐藤圭汰(2年、洛南)らチーム全体で補えるかがカギとなる。また出雲工業高出身の伊藤蒼唯(2年)は、昨年エントリーされながらも出走できず、悔しい思いをした選手。地元・出雲を駆け抜けられるかにも注目だ。

前回の出雲駅伝で優勝のゴールテープを切り、復活を印象づけた駒澤大の鈴木

平均が29分台のチーム

法政大学    29分04秒53
立命館大学   29分39秒62
大阪経済大学  29分48秒98
関西大学    29分55秒40

平均が30分台以降のチーム

皇學館大学   30分11秒91
北海道学連選抜 30分30秒82
北信越学連選抜 30分35秒82
環太平洋大学  30分42秒69
第一工科大学  30分58秒32
広島経済大学  31分03秒76
東北学連選抜  32分18秒07

5000mの平均タイム上位は、中央・駒澤・早稲田

平均が13分台のチーム

中央大学   13分35秒09
駒澤大学   13分35秒86
早稲田大学  13分43秒87 
青山学院大学 13分44秒43
順天堂大学  13分44秒48
創価大学   13分46秒64
城西大学   13分46秒81
國學院大學  13分50秒01
東洋大学   13分56秒42

5000mの平均タイムでは早稲田大が3位にランクインした。主力となるのは、8月のFISUワールドユニバーシティゲームズ男子3000m障害で銅メダルを獲得した主将・菖蒲敦司(4年、西京)や4月の日本体育大学長距離競技会で10000m27分台をマークし、エースに成長した石塚陽士(3年、早稲田実)。関東インカレ1部5000mでそれぞれ3位と5位に入った山口智規(2年、学法石川)、伊藤大志(3年、佐久長聖)の活躍にも期待がかかる。

早稲田大のエースの一人として期待がかかる伊藤(31番)

5番手に入った順天堂大は、既に世界レベルの選手となった三浦龍司(4年、洛南)を筆頭に、日本人男子5000mの高校記録保持者として入部したスーパールーキー吉岡大翔(1年、佐久長聖)など世界を見てきたスピードランナーがそろい、上位入賞を目指す。

平均が14分台のチーム

法政大学    14分00秒98
北海道学連選抜 14分11秒01
立命館大学   14分16秒74
大阪経済大学  14分24秒97
関西大学    14分25秒07
環太平洋大学  14分27秒75
広島経済大学  14分33秒23
皇學館大学   14分33秒55
北信越学連選抜 14分40秒89
第一工科大学  14分42秒75
東北学連選抜  14分53秒77

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