陸上・駅伝

特集:第35回出雲駅伝

駒大、2年連続3冠へ 1区篠原に監督「これ以上ない最高な走り」

出雲大社前をスタートする駒澤大学の篠原倖太朗(中央、撮影・金居達朗)

 第35回出雲全日本大学選抜駅伝は9日、島根県出雲市の出雲大社正面鳥居前―出雲ドーム前の6区間、計45・1キロで争われ、駒大が2時間7分51秒の大会新記録で2年連続5度目の頂点に立った。1区からフィニッシュまで一度もトップを譲らない完全優勝を果たした。2位には1分43秒差で創価大、3位に城西大が入った。前回大会2位の国学院大は4位、3位の中大は7位と振るわなかった。

出雲駅伝優勝の駒澤大学 鈴木芽吹が主将・エースとして引っ張り「2年連続三冠」へ

■1区篠原倖太朗が区間賞 流れ決定づける快走

 ライバルに影すら踏ませない圧勝だった。昨季3冠の駒大が、スタートから一度もトップを譲らず学生3大駅伝の初戦を制した。

 チームの流れを決めたのは、1区(8・0キロ)を任された篠原倖太朗だ。区間距離が短い出雲駅伝は逆転が難しく、一人の失敗が命取りになる。1区は、先頭との差を最小限でつなぐために牽制(けんせい)し合うことも珍しくない。だが、この3年生の思惑は違った。

 「自分で勝負を決める」

 序盤にアイビーリーグ選抜の選手が飛び出したが、平然と付いていく。ハイペースに他の選手が次々とふるい落とされ、5キロ過ぎからは一騎打ちに。残り350メートルでスパートをかけ、鮮やかに差しきった。

 優勝を争う他校には20秒以上の差をつけた。藤田監督は「これ以上ない最高な走り」と快走をたたえた。

 2月の香川丸亀国際ハーフマラソンで日本人学生新記録(1時間0分11秒)を樹立した。夏場は疲労がたまって調子を落としていたが、駅伝シーズンにはきっちり合わせてきた。

 「勝って当たり前の立場で勝つ」。目標とする2学年上の田沢廉(現トヨタ自動車)のような走りで、チームを引っ張る覚悟だ。

=朝日新聞デジタル2023年10月09日掲載

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