明治大が箱根駅伝予選会2位通過　山本新監督の「10分でも長く走る」取り組みが効果

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10月14日の箱根駅伝予選会で、明治大学は2位に入り6年連続65回目の出場を決めた。山本豪・新駅伝監督の初陣ともなったこの大会で、選手たちは実力を発揮し自信を取り戻した。

「10分でもいいから長く」走る距離を増やす

明治大は8月に2018年から監督を務めた山本佑樹監督が辞任し、山本豪副監督が監督に就任した。そこから、「基本的な練習のボリュームを増やそう」と毎日言い続けてきたという。フリージョグの時はいままでより10分長く走る。ダウンジョグもプラス10分。それ以外の時もとにかく、10分でいいから走ろう。それでも個人差が出てしまうので、「集団じゃなくてもいいから、ここの公園を何周して帰ってきたら」という声かけなどもし、とにかく走る距離を確保しようと取り組んできた。練習の中でも普段のジョギングがいちばんの割合を占めるため、そこをおろそかにするのはよくないという考えからだ。

もちろん、スピードを求めることをやめたわけではない。だが、スピード練習をするから距離を踏まなくてもいいということではない。「今は日本のトップランナーも、スピードもあるし距離もみんなやってますから。やっぱりそれに取り残されてはいけないという思いですね」。8月から採り入れたということもあって、すべてをガラリと変えられたわけではないと言いつつ、「それなりには変えました」と山本監督。選手に戸惑いはあったかもしれないが、素直に真面目に取り組んでくれたと話す。

6月の全日本大学駅伝関東地区選考会で、明治大は10位で関東の7枠に入れず、出場を逃した。「全日本に落ちたことでスイッチも切り替わったと思いますし、同じ思いをみんなしたくないでしょうから」。ゼロから始めて、いい習慣が選手たちに身についていけばいい、という思いで取り組んでいる。

予選会での2位通過には「予想より学生がよく走ってくれたので、そこは彼らの自信になったと思います」といい、山本監督にとってもこの練習が間違っていないんだという確認にもなった。

エースの児玉真輝「地元の2区を走りたい」

チーム内トップの全体で25位で走ったのは、エースの児玉真輝（4年、鎌倉学園）だ。自分の走りには緊張と不安があったというが、その中でも1時間2分30秒と自己ベストを更新して走れたのは良かったとまず口にした。「チーム全体としては、僕の予想よりはみんな本当に走ってくれて、2番通過ってことで、もちろん1番で通過できなかったのは課題としてあるんですけど、全日本予選から考えると2番通過は価値ある結果だと思います」

全日本大学駅伝に出場できなかったことで、「箱根駅伝は絶対に落とせない」と選手の中でもスイッチが入ったところもあったという。新監督が就任し、新しい練習になってからは途中で疲労がたまったり、けがをしたりなど対応に苦労した場面もあったという児玉。「でも今日しっかり結果を出せてるので、いい練習だと思ってます」と話す。横浜市戸塚区出身、往路は2区から3区、復路は8区から9区へと襷（たすき）がつながる戸塚中継所の近くに実家がある児玉は、最後の箱根駅伝で2区を希望している。家族や友達も応援しに来てくれる大舞台。「やっぱり地元を走りたいですね」

箱根駅伝での目標は総合8位。96回大会以来となるシード権獲得に向け、今回の結果で自信をつけて箱根路に臨む。