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特集:全日本バレー大学選手権2023

頂点へ挑む、日本代表のホープたち バレーボールの全日本大学選手権

9月のアジア大会に出場した早稲田大の麻野堅斗(撮影・大宮慎次朗)

 バレーボールの第76回男子、第70回女子全日本大学選手権(ミキプルーンスーパーカレッジバレー2023)は28日に競技が始まる。男女それぞれ64校が出場。日本代表としてバレー界の将来を担うホープたちも、大学日本一をめざしてしのぎを削る。

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■ブロック持ち味、あふれる可能性 早大・麻野堅斗

 男子で大学界きっての強豪、早大で1年ながら主力を張る。麻野堅斗の最大の持ち味は、207センチの身長を生かしたブロックだ。

 バレー一家で育った。小学生から競技を始め、京都・東山高へ。OBの高橋藍や、中大時代の石川祐希という日本代表のエース2人を育てた松永理生監督を慕って入学した。

 練習からプレーの基準に石川や高橋を示され、「そんな考えではもっと上にいけない」と諭された。ブロックに加えて、利き手の左から繰り出すスパイクを磨き、3年時に全国高校総体を制覇した。高校生で日本代表にも選ばれた。

 今年9月のアジア大会(中国)では代表のチーム最年少として出場した。フィリップ・ブラン監督も「可能性あふれる選手」と期待をかける。麻野の夢は、「五輪でメダルを取る」こと。まずは大学の頂点をつかみにいく。

■地道な練習、サーブが武器に 東海大・宮部愛芽世

 東海大の宮部愛芽世(あめぜ、4年=大阪・金蘭会)は、サーブが強みだと思えるようになった。サーブを強化する女子日本代表で、時に練習の約半分を費やすような環境に身を置いてきたからだ。

 代表のコーチに1対1で指導を仰ぐと、打つ前にボールを上げる動作だけを繰り返すよう言われた。自分の約3メートル先に半分にたたんで置いたフェースタオルにボールを落とす。その軌道が安定してくると、サーブの精度も高まった。

 全日本大学選手権で3連覇を目指すチームで主将を務める。代表選手としても注目を集める中、「プレッシャーを自分にかけて、その中でどれだけのプレーを発揮できるか」を自らに課す。サーブを武器に、プレーで日本一に導く覚悟だ。

(大宮慎次朗、藤野隆晃)

=朝日新聞デジタル2023年11月28日掲載

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