駒大・白鳥哲汰、庭瀬俊輝が上尾ハーフでチーム1、2番手に　箱根駅伝出走へアピール

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11月19日に第36回上尾シティハーフマラソンが開催された。駒澤大学では、箱根駅伝のエントリー当落線上にいる選手たちの選考レースとして位置づけられているこの大会。チーム内トップは白鳥哲汰（4年、埼玉栄）で、自己ベストを更新して7位に入賞。チーム2番手には今季好調の庭瀬俊輝（3年、大分東明）がつけ、箱根駅伝出走に向けて大きなアピールとなった。

部内選考レース　テーマは”勝負”だったが

例年上尾ハーフは気象条件が良く、タイムを狙いやすいとされている。今年も暖かく風があまりない中、レースはスタート。藤田敦史監督は「他大の選手とどういう勝負ができるか」をテーマに選手たちを送り出した。その言葉に答えるように序盤は國學院大學、早稲田大学、法政大学など箱根駅伝常連校の選手たちが集まる日本人のトップ集団に白鳥・庭瀬ともにしっかりとついた。

「前半ついていって後半しっかり勝負し、2番以内」（白鳥）。「先頭集団について最後のスパート勝負で前に出る。ニューヨークシティハーフマラソンの出場権を獲得する」（庭瀬）。2人の目標は日本人2番以内に入り、ニューヨークシティハーフマラソンの出場権を得ることだった。

昨年度の駒澤大はここで日本人1、2位を取り、出場権を独占して箱根駅伝でも総合優勝。出雲駅伝、全日本大学駅伝の優勝と合わせて大学史上初となる「三冠」を達成した。ここで勝ち切ることはチーム全体の流れにもつながるのだろう。しかし庭瀬は13km付近での転倒以降、先頭集団からこぼれてしまい、白鳥も先頭争いに絡めなかった。

結果は白鳥が7位で庭瀬が8位。ゴールするとすぐに2人で抱き合い、チーム内のライバルたちに勝利した喜びをかみしめた。それでも藤田監督は、2人の結果はいまひとつだという。前人未到の2季連続三冠を目指すチームだからこそ、「最後まで上位2人に絡むことができなかったのが、チームとしての反省点」と厳しい言葉を口にした。

白鳥哲汰「箱根を走りたいという気持ちは人一倍強い」

昨年、全日本大学駅伝で現地のサポートに回った赤星雄斗（4年、洛南）や青柿響（4年、聖望学園）はこの大会で自己ベストを更新し、箱根駅伝での出走を果たした。そんな中、白鳥はチーム内最下位の188位と奮わない結果に終わり、箱根駅伝はエントリーメンバー入りもかなわなかった。1・2年次には箱根に出場してきただけに、悔しさもひとしお。白鳥は「4年目に『箱根を走りたい』という気持ちは人一倍強い」と語る。

今大会の前には、大八木弘明総監督から「ニューヨークハーフに連れていってくれ」と声を掛けられた。故障でレースの出場も少なかった昨年、一昨年とは違い、最終学年になった今年度は自身初の関東インカレ出場や大学1年以来となる5000mの自己ベスト更新などの成績を残した。大八木総監督も白鳥の覚悟を感じたのだろう。

今年度、最初に決めた目標はもちろん3大駅伝の出走。「箱根しか駅伝は残っていない。箱根が終わるまでは、『しっかり出走する』という目標に向けて、一つひとつこなしていきたい」。1・2年次の箱根はいずれも区間2桁と、実力を発揮しきれておらず、ラストイヤーにかける思いは強い。

庭瀬俊輝「箱根では心から喜べるようにしたい」

チーム内2番手に入った庭瀬は、この大会でハーフマラソンの自己ベストを更新した。だが「走っている中で61分台も見えたが、転倒があってなかなかペースを上げることができずに62分かかってしまったところが悔しい」と振り返った。転倒に関しても、その時は落ち込んだと言うが、レース後は「走ってる時の余裕のなさがそのまま表れた」と自身を厳しく評価した。

今年度は出雲駅伝、全日本大学駅伝と自身初のエントリーメンバー入りをかなえたが、出走には届かなかった。現地では仲間のサポートに回り、現地の雰囲気を肌で感じ取った。

「出走したメンバーは、勝ったことにすごく喜びを感じていた。しかし補欠として行くと、チームのことなのでうれしいことはうれしいが、本当に心からは喜べないというか。『自分も走りたかったな』という気持ちがその分強くなって、悔しい思いがある。箱根ではしっかり走って心から喜べるようにしたい」

3年生は篠原倖太朗（3年、富里）以外に3大駅伝経験者がいないという苦しい状況が続いており、藤田監督からも「篠原だけでは今の3年生は引っ張っていけない」と言われている。来年は最上級生。今までチームの核となってきた4年生が一気に抜ける。箱根駅伝こそは出走し、篠原と共に学年を、そしてチームを引っ張っていける存在になりたい。