箱根駅伝、各校上位10人の10000m平均「28分台」20校　本戦出場の目安に？

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毎年1月2日、3日に開催される箱根駅伝は近年、高速化が著しい。2020年の第96回大会から2024年の第100回まで、各校のエントリーメンバー上位10人の10000m平均タイムを算出したところ、第96回大会は「28分台」が9校だったのに対し、第100回大会は20校にまで増えた。今回は節目の100回大会のため、出場が23校に増えたが、通常は20校と関東学生連合チーム。この傾向が進めば「上位10人の平均28分台」が箱根路を走る上での目安となるかもしれない。

※タイムはそれぞれの大会でエントリー時に各校が提出したものに基づく。チームエントリーの16人中、5000mのタイムが記された選手は除き、留学生選手が上位10人に複数入っている場合は、最も速い選手だけを抜き出して算出している。

20番目で28分台の東京農業大は、予選会を11位通過

第100回箱根駅伝で、上位10人の平均タイム最速は駒澤大学の28分21秒17。11月の八王子ロングディスタンスで鈴木芽吹（4年、佐久長聖）、篠原倖太朗（3年、富里）、佐藤圭汰（2年、洛南）が軒並み自己ベストを更新し、全体の平均を押し上げた。史上5校目となる「学生3大駅伝三冠」を達成した昨年度も、出場校中最も速い28分24秒91で、今年度はそれを4秒近く上回っている。

今回の出場23校中、上位10人平均28分台は計20校。前回大会でシード権を獲得した上位10校のほか、主将とエースを欠きながらも予選会を10位で突破した東海大学が28分32秒14で全体の4番目。28分59秒97で20番目だった東京農業大学は箱根予選会を11位で通過しており、今回増枠されていなければ出場を逃していたことになる。計算上、今後は上位10人の平均タイムが28分台でも箱根本戦に出場できない可能性があり、タイムだけではない「強さ」や大会当日にコンディションを合わせる「ピーキング」も当然のように重要となる。それだけ箱根予選会のレベルも上がっている。

今季急増した、10000m27分台ランナー

過去5年を比べると、10000mの自己ベストが27分台のランナーも増えている。

2020年の第96回大会で27分台のタイムを持つ選手は計5人。このうちケニア出身選手が4人を占めており、日本人ランナーはこの年の7区で区間記録を打ち立てた明治大学の阿部弘輝（当時4年、現・住友電工）だけで、タイムは27分56秒45だった。ちなみに当時、最強留学生と呼ばれた東京国際大学のイエゴン・ヴィンセント（現・Honda）が1年生ながら27分台をマークしており、その後4年間、名を連ね続けた。

翌年の第97回大会を前に、新たに27分台ランナーとなったのが早稲田大学の太田直希（当時3年、現・ヤクルト）、中谷雄飛（当時3年、現・SGホールディングス）、駒澤大の田澤廉（当時2年、現・トヨタ自動車）、日本体育大学の池田耀平（当時4年、現・花王）ら。計8人の27分台ランナーのうち日本人選手は、この4人だった。翌98回大会では、ここに駒澤大の鈴木芽吹（当時2年）と早稲田大の井川龍人（当時3年、現・旭化成）が加わり、池田が抜けたため5人。前回の第99回大会は、新たに27分台をマークした日本人選手がおらず、太田と中谷が卒業したため3人だった。

田澤と井川が卒業した今季、前回の箱根駅伝エントリーメンバーの中で27分台のタイムをすでに持っていたのは、留学生を含めても鈴木のみ。ここから今年の日体大長距離競技会や11月下旬の八王子ロングディスタンスなどで、次々に27分台ランナーが誕生。今回の全23校中では11人となり、第96回から第99回の出場枠20校で見ても8人。4年生は鈴木だけで、今回の箱根駅伝の結果を受けてどのチームがシード権を獲得するか、来年の箱根駅伝予選会でどのチームが突破するかにもよるが、第101回大会も10000m27分台のタイムを持つランナーが多くいることが予想される。