陸上・駅伝

特集:第100回箱根駅伝

箱根駅伝、エントリー上位10人の10000m平均タイムは? 駒澤大学がトップに

11月に10000mで自己新を出した駒澤大の主将、鈴木芽吹(左、撮影・佐伯航平)

2024年1月2日、3日に第100回箱根駅伝が開催される。ここでは12月11日に発表された16人のエントリーメンバーの資料から、各チーム上位10人の10000mの平均タイムを速い順に紹介する。

※チームエントリー16人中、5000mのタイムが記された選手は除き、10000mのタイムを持つ選手の平均となる。()は前回大会のエントリー時の平均タイム。各校主務による申告と異なるチームもある。

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八王子ロングディスタンスで平均押し上げ

平均が28分30秒以下のチーム 
駒澤大学   28分21秒17 (28分24秒91)
青山学院大学 28分24秒63 (28分25秒11)
中央大学   28分26秒65 (28分27秒66)

全23チーム中、10人の平均タイムが最速だったのは駒澤大学。鈴木芽吹(4年、佐久長聖)、篠原倖太朗(3年、富里)、佐藤圭汰(2年、洛南)のエーストリオが、八王子ロングディスタンスにて自己新を出したことで平均タイムを引き上げた。特に佐藤はこれが自身初の10000mだったが、3人の中でもトップの27分28秒50でU20日本記録をたたき出し、長い距離への不安も払拭(ふっしょく)した。28分台以下のタイムを持つ選手は計8人。駅伝経験者も多く、大会2連覇に期待がかかる。

青山学院大学は、エントリーメンバーの半数が持ちタイム28分30秒切りとトップレベルの選手が揃う(そろう)。チームトップは、11月のMARCH対抗戦で28分11秒00の自己新を記録した佐藤一世(4年、八千代松陰)。2番手には28分15秒82の黒田朝日(2年、玉野光南)が入った。黒田は昨年は出走を逃したが、今年は2区候補として名前が挙がり、活躍が楽しみな存在だ。

前回大会2位の中央大学は、エントリー16人中14人が28分台のタイムを持ち、驚異的な層の厚さを誇る。エース・吉居大和(4年、仙台育英)が11月に28分01秒02の自己新を出したほか、主将の湯浅仁(4年、宮崎日大)もMARCH対抗戦で28分12秒17まで自己記録を伸ばした。出雲駅伝、全日本大学駅伝では表彰台に届かなかったが、箱根駅伝では優勝を目指す。

中央大の湯浅仁は全日本大学駅伝で7区区間2位と好走した(撮影・佐伯航平)

「28分台以下」は計20チームに

平均が28分31秒~59秒のチーム

東海大学   28分32秒14 (28分42秒71)
國學院大學  28分36秒09 (28分43秒70)
大東文化大学 28分36秒16 (28分45秒04)
創価大学   28分37秒53 (28分28秒52)
城西大学   28分41秒61 (28分56秒59)
中央学院大学 28分46秒46
東洋大学   28分49秒07 (28分49秒93)
明治大学   28分52秒23 (28分39秒06)
神奈川大学  28分52秒65
日本大学   28分53秒45
立教大学   28分55秒24 (29分00秒75)
帝京大学   28分55秒71 (29分09秒91)
順天堂大学  28分56秒85 (28分40秒34)
法政大学   28分57秒06 (28分52秒19) 
日本体育大学 28分57秒23 (28分51秒58)
早稲田大学  28分59秒07 (28分56秒09)
東京農業大学 28分59秒97

平均が28分31秒~59秒のチームは17チームある。東海大学は、エースの石原翔太郎(4年、倉敷)がチーム内トップの28分05秒91。兵藤ジュダ(2年、東海大静岡翔洋)と花岡寿哉(2年、上田西)が次ぐタイムを持ち、3大会ぶりのシード権奪還を狙う。國學院大學は、エース・平林清澄(3年、美方)が今季27分台に突入。主将の伊地知賢造(4年、松山)、山本歩夢(3年、自由ケ丘)と3本柱でチームを引っ張る。早稲田大学も石塚陽士(3年、早稲田実業)が今年27分58秒53を出し、27分台ランナーの仲間入りを果たした。上尾ハーフで日本人トップの山口智規(2年、学法石川)など力のある下級生の活躍に注目だ。

2年連続予選会トップ通過の大東文化大学は、12月の日体大記録会で久保田徹(4年、聖望学園)が大学記録の28分09秒93をたたき出した。同じ記録会で、入濵輝大(2年、瓊浦)も従来の大学記録を上回る記録を出し、上位10人の平均タイムは昨年から9秒縮んだ。創価大学は27分台の記録を持つ留学生、リーキー・カミナ(3年、チョメ)が外れた。平均タイムは昨年と比べて落ちるが、出雲駅伝では2位と侮れないチームだ。

前回大会、5年ぶりにシード権を奪還した城西大学はヴィクター・キムタイ(2年、マウ)斎藤将也(2年、敦賀気比)が27分台のタイムを持つ。出雲駅伝、全日本大学駅伝は歴代最高成績を収め、勢いに乗る。前回5位の順天堂大学は全日本大学駅伝ではシードを落とし、箱根駅伝では三浦龍司(4年、洛南)、吉岡大翔(1年、佐久長聖)の活躍が鍵になる。10年ぶりに本選に復帰した東京農業大学は、スーパールーキーの前田和摩(1年、報徳学園)が持ちタイムトップに立つ。

今年ついに27分台ランナーの仲間入りを果たした、早稲田大の石塚陽士(撮影・佐伯航平)

平均が29分台のチーム

山梨学院大学 29分03秒27 (28分55秒47)
※留学生はジェームス・ムトゥクのみ
駿河台大学  29分03秒42         
※留学生はスティーブン・レマイヤンのみ
国士舘大学  29分15秒02 (29分14秒39)

2年ぶりに箱根路に帰ってきた駿河台大学。チーム内日本人トップの28分14秒30の新山舜心(4年、鹿児島)が主将として率いる。東泉大河(2年、東農大二)も28分32秒29のタイムを持ち、11月の日体大記録会では2年生3人が自己ベストを出すなど、下級生に勢いがあるチームだ。

駿河台大の新山。予選会ではチーム日本人トップの29位に入った(撮影・藤井みさ)

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