インカレフィギュア男子は中京大・鍵山優真が優勝 同志社大・森口澄士はペアで世界へ
第96回日本学生氷上選手権大会 男子7・8級
1月6~7日@ALSOKぐんまアイスアリーナ
【男子団体】
1位 法政大 62点
2位 同志社大 61点
3位 明治大 60点
【男子個人】
1位 鍵山優真(中京大) 283.00点
2位 森口澄士(同志社大)247.87点
3位 吉岡希 (法政大) 245.65点
4位 大島光翔(明治大) 223.51点
5位 杉山匠海(岡山大) 204.46点
6位 本田ルーカス剛史(同志社大)200.25点
7位 木科雄登(関西大) 194.98点
8位 菊地竜生(明治大) 190.06点
フィギュアスケートの日本学生氷上選手権大会(全日本インカレ)が群馬県前橋市のALSOKぐんまアイスアリーナで開催された。1月7日は男子7・8級フリーがあり、個人は、2022年北京オリンピック銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大学、星槎国際横浜)が優勝し、今月末に開幕する四大陸選手権に向けて弾みを漬けた。団体は法政大が制した。同志社大4年の森口澄士(木下アカデミー、京都両洋)はペアで世界選手権出場を目指し、関西大4年の木科雄登(金光学園)は大学院に進学して競技を継続する。
鍵山優真、4回転フリップ投入
昨年12月末の全日本選手権2位の鍵山が実力を発揮した。前日のショートプログラム(SP)で首位に立ち、フリーもフリー1位となる188・86点、合計283・00点で初優勝した。4回転サルコーや4回転トーループからの3連続など質の高いジャンプを次々と決めた。
新たに投入した4回転フリップは回転が抜けてしまったが、「しっかりと原因は見つけることができた。フリップを跳びたいと強く思いすぎて力が入りすぎてしまった。もう少しリラックスしていけばよかった」と課題を認識。今月末に中国・上海で開幕する四大陸選手権や3月にカナダ・モントリオールである世界選手権に向けて、実戦で大技を試すことができた。「今日の構成をしっかりと安定させていけるように頑張りたい」と力強く語った。
大学2年生でインカレは初参戦。「中京」の文字が入った応援グッズを手に、河辺愛菜(1年、中京大中京)や横井きな結(同、同)らの演技に声援を送り、大会を楽しんでいる様子だった。
団体は法政大が8年ぶりの頂点に立った。2023年世界ジュニア選手権銅メダリストの吉岡希(2年、西宮甲英)が、得点源の4回転トーループを確実に決めるなど安定した演技を見せ、フリー2位となる166.36点、合計245.65点で個人3位に入った。門脇慧丞(3年、岡山理大附)が13位、鈴木楽人(2年、駒場学園)も18位と、それぞれ踏ん張った。吉岡は「2人が頑張ってくれたおかげで総合優勝できてよかった」と、仲間と喜びを分かち合った。
森口澄士はペア専念「シングルはやりきりました」
2位になった同志社大の森口は熱の入った演技で観客を引きつけた。ダイナミックなトリプルアクセル(3回転半)を成功させて163.55点、合計247.87点。「最後の最後、いい点数で終えられた」とほっとした表情だった。団体優勝は惜しくも逃したが、「先輩方も温かかったし、後輩たちも慕ってくれていた。(同志社大スケート部に)入ってよかった。スケートを本当に楽しんだ大学4年間だった」と感慨深げ。「インカレの団体1位が見たい」と、後輩たちにエールを送った。
シングルとペアを両立し、「二刀流」で活躍してきた森口。「シングルはやりきりました」と晴れやか。今後はペアに専念する。
今シーズンは高校3年生の長岡柚奈(ゆな、木下アカデミー)とペアを結成し、グランプリ(GP)シリーズNHK杯に出場、全日本選手権で優勝を果たした。国際スケート連盟(ISU)が定めるミニマムスコア(最低技術点)取得を条件に、世界選手権代表にも選ばれた。今月末に開幕するババリアンオープン(ドイツ)でスコア取得を目指すといい、「練習を積んで頑張っていくだけ。(世界選手権出場が決まったら)ノーミスの演技をしたい。自分たちの存在を世界に見せたい」と意気込んだ。
木科雄登「2年後が引退」、長谷川一輝「一つの区切り」
7位入賞した関大の木科は、フリーで久しぶりにトリプルアクセル2本を組み込む構成で挑んだ。ミスは出たが、「1桁順位に入り、大学最後の締めくくりとしては最低限の結果は出せた。今後、この構成でしっかり練習を重ねていきたい」と話した。
木科は関大大学院に進学して競技を続ける。飛距離のあるジャンプを武器にジュニアGPシリーズに出場するなど活躍したが、シニアに上がり伸び悩んだ。ここ2シーズンは全日本でフリーに進出できず苦しんだ。それでも、「今シーズンは合計190点をアベレージ(平均)で出せたので、来シーズンは自信を持っていけると思う」と前向きだ。今後は合計210~220点を目標に練習を積んでいく。
「2年後がたぶん引退になると思うが、本当にやりきって悔いなくやめたいので、それにつながるようなシーズンにしたい。あまり結果を求めず、内容にこだわって一つ一つ頑張っていきたい」と先を見つめた。
10位に入った東京理科大4年の長谷川一輝(札幌藻岩)は有機材料を学ぶ理系アスリート。前日のSPでミスが出たトリプルアクセル(3回転半)や3回転フリップをフリーでしっかり決め、「自分の中では及第点」と振り返った。大学院に進学予定だが研究や就職活動が忙しくなるため競技継続は未定。「大学4年生のインカレは一つの区切り。進退についてはオフシーズンに入ってからじっくり考えたい」と語った。