フィギュアスケート

インカレフィギュア女子優勝の日大・青木祐奈、継続は「半々」 関大・白岩優奈も模索

大学4年で優勝し、有終の美を飾った日本大学の青木祐奈(すべて撮影・浅野有美)

第96回日本学生氷上選手権大会 女子7・8級

1月6~7日@ALSOKぐんまアイスアリーナ

【女子団体】
1位 中京大 93点
2位 日本大 79点
3位 法政大 76点

【女子個人】
1位 青木祐奈(日本大) 193.61点
2位 住吉りをん(明治大)193.18点
3位 渡辺倫果(法政大) 191.21点
4位 三宅咲綺(岡山理科大)178.84点
5位 松生理乃(中京大) 175.76点
6位 河辺愛菜(中京大) 171.96点
7位 横井きな結(中京大)168.58点
8位 白岩優奈(関西大) 167.78点

フィギュアスケートの日本学生氷上選手権大会(全日本インカレ)が群馬県前橋市のALSOKぐんまアイスアリーナで開催された。1月7日は女子7・8級フリーがあり、個人は日本大4年の青木祐奈(ゆな、横浜清風)が優勝、団体は中京大が圧勝した。ラストのインカレとなった青木や関西大3年の白岩優奈(京都両洋)は、競技継続について揺れる心中を明かした。

青木祐奈「選択肢を広げて考えていきたい」

前日のショートプログラム(SP)で首位に立った日大の青木はラストのインカレ。フリーは冒頭に得意の3回転ルッツ-3回転ループの連続ジャンプを跳び、全体を通してほぼミスのない演技で滑り切ると、合計193.61点で初優勝を飾った。

自身のスケート人生を表現したプログラム「She」の音楽に乗せ、ステップやスピンでも魅了し、全体トップの演技構成点で逃げ切った。「応援が他の試合と違った雰囲気で、楽しく伸び伸びとできた。4年生で優勝できたのは大きな意味があると思うので、自分をほめてあげたい」とほほえんだ。

シーズンを通して競技引退に対する気持ちが変化してきた。グランプリ(GP)シリーズNHK杯に初出場し、自己ベストの184.46点で日本勢最高の5位と大躍進。全日本選手権も9位と健闘した。「今シーズンが始まるときは90%ぐらい引退(する)と思っていた。NHK杯をへて80~70%ぐらいになって、いま半々になりつつある」と明かす。

今月末の国民スポーツ冬季大会、2月のチャレンジカップ(オランダ)に出場する。高橋大輔さんがプロデュースするアイスショー「滑走屋」にも出演予定で、進路を決めるために情報を集めるつもりだ。「どの道にしろ、スケートには関わっていきたい。選択肢を広げて考えていきたい」と話した。

2月のチャレンジカップへの派遣が決まった青木

白岩優奈、継続には「とにかく覚悟が必要」

8位に入賞した関大の白岩は今後の目標を決めかねている。2018~19年シーズンに休学し、現在3年生だがインカレは最初で最後だった。「練習でやってきたことがほぼできたので、すごく満足して終えられたかなと思う。この会場の雰囲気も楽しめてよかった」と振り返った。

来年度も大学のスケート部に所属する予定だが、「どのようにスケートに向き合うかは考えなければいけない。どこを目標にしてやるか、答えは出せていない」と思い悩む。判断時期については、「国体(今月末の国民スポーツ冬季大会)までには答えが出ていると思います」と笑顔を見せた。

世界ジュニア選手権に3度出場し、シニアのGPシリーズも経験した白岩。「ただ続けるだけでは意味がない。その覚悟とエネルギーがどこまで戻ってくるかによる。とにかく覚悟が必要」と言い切る。残り少ない競技人生を満足いくものにするために、自分と向き合っている。

白岩はこれからスケートにどう向き合うか考えている

住吉りをん・渡辺倫果は国際大会に向け準備

下級生にとってインカレは、次の大会に向けたステップになる。

2位に入った住吉りをん(オリエンタルバイオ/明治大学、2年、駒場学園)は大技の4回転トーループに挑戦した。惜しくも転倒したが、伸びやかなスケーティングや美しい高速スピンで魅了した。

GPシリーズフランス杯でシニア女子初となる4回転トーループを成功させ、GPファイナルに初進出するなど飛躍のシーズンを送っている住吉。今月末に国民スポーツ冬季大会、2月にタリンクホテルズカップ(エストニア)を控えている。「今シーズンの締めくくりとして、SPとフリーをいい形で終えたい。今回の試合から変えてみた心の持ちようを、また少し変えてみたり、いい部分は続けてみたり、自分のベストを見つけられる2試合にしたい」

4回転トーループを手に入れた住吉

2023年世界選手権10位の渡辺倫果(TOKIOインカラミ/法政大学、3年、青森山田)は3位に食い込んだ。冒頭の大技トリプルアクセル(3回転半)は成功しなかったが、3回転ループ-3回転トーループを決めるなどジャンプで加点を引き出し、フリーは1位の125.76点、合計191.21点と追い上げた。

中国・上海で開幕する四大陸選手権に出場予定。「(トリプルアクセル以外の)他のジャンプの安定は10月から手に入れたな、と実感している。今大会でもそれが結果として出ているのでよかった。四大陸に向けて、トリプルアクセルの成功をメインにしつつ、スケーティングの方も見直してやっていければ」と意気込む。オフシーズン中に4回転習得を視野に入れ、早くも来シーズンを見据えていた。

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