帝京大が明治大を下し、東日本セブンズ初制覇 ルーキーの福田正武が決勝の逆転トライ
4月14日、春の関東大学ラグビーシーズン到来を告げる、東日本大学セブンズが埼玉・熊谷ラグビー場で開催された。25回目となる今年は、関東大学対抗戦の6大学(帝京大学/明治大学/早稲田大学/筑波大学/慶應義塾大学/立教大学)、関東大学リーグ戦の6大学(東海大学/流通経済大学/法政大学/大東文化大学/東洋大学/日本大学)、そして北海道地区代表の北海道大学、東北地区代表の八戸学院大学、地区対抗関東代表の東京学芸大学と茨城大学の16チームによって争われた。
決勝は帝京vs明治 4強も対抗戦が独占
第25回東日本大学セブンズラグビーフットボール大会
4月14日@熊谷ラグビー場(埼玉)
優勝 帝京大学(初)
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準決勝 帝京大学 28-14 早稲田大学
明治大学 24-21 筑波大学
決 勝 帝京大学 33-28 明治大学
チャンピオンシップのベスト4には昨季王者の筑波大、一昨季の王者・明治大、早稲田大、15人制の昨季の大学王者である帝京大と、対抗戦の強豪4チームが勝ち進んだ。準決勝では明治大学が筑波大学を24-21、帝京大学が早稲田大学を28-14でそれぞれ下し、決勝に進出した。なお1回戦敗者同士のトーナメントであるコンソレーション決勝は、日大が東洋大を33-21で下した。
帝京大対明治大というチャンピオンシップ決勝のカードは、1月の大学選手権決勝と同カードとなった。
帝京大の留学生2人が3トライ
先制したのは、2年ぶり5度目の優勝を狙い、今季のスローガン同様にセブンズでも「奪還」を掲げた明治大だった。相手のミスからボールを奪い、共同キャプテンの山村和也(3年、報徳学園)がトライを挙げた。
岩出雅之前監督に「粘っこく」と言われて送り出された帝京大もすぐに反撃。キックオフから相手を崩してセバスティーン・ワットニ(4年、ヘルプメカーカレッジ)、キアヌ・クッツェ(4年、ズワートコップ)が連続トライを挙げて逆転。さらに、キャプテンの寺山廉太郎(4年、京都工学院)がボールの継続からトライを挙げて、21-7とリードした。
明治大の嫌な雰囲気を変えたのは、ルーキーだった。入部したばかりの1年生・阿部煌生(流通経済大柏)が相手パスをインターセプトし、自陣から走り切ってトライを挙げ、21-14としてハーフタイムを迎えた。
明大逆転も、数的不利の帝京が再逆転
後半に入ると、勢いのついた明治大は4年生の坂本公平(東福岡)のトライで、ついに21-21と同点に追いつく。
その後、帝京大のワットニにトライを許して再び26-21とリードされたが、明治大はボールを継続し、帝京大のシンビン(2分間の一時的退出)を誘うと、金昂平(4年、大阪朝鮮)がトライ、共同キャプテンの仲間航太(3年、常翔学園)がゴールを決めて、26-28と逆転に成功した。
そのまま1人多い明治大の勝利かと思われたが、帝京大が数的不利ながらもボールを粘り強く継続、最後はルーキーの福田正武(國學院栃木)がトライを挙げて33-28としてノーサイド。帝京大がうれしい初優勝を飾った。
高校時代、セブンズユースアカデミーを経験しており、1年生ながら優勝に大きく貢献した福田は「最後は6人になったがボールを継続できて良かった。初めての優勝なのでうれしかった!」と声を弾ませた。
帝京大は、昨年大会の経験者やセブンズ経験豊富な選抜チームを編成したが、トータルで3時間くらいしか7人制の練習をしていなかったという。
準決勝の早稲田戦に勝利して結束
ただ、大学生ながらコーチを務めたBKリーダーの小村真也(4年、ハミルトンボーイズ)は「15人制同様に、他のチームより走ったりコンタクトしたりという練習量の違いと、初優勝に向けての気持ちの部分を出せた」と振り返った。また寺山キャプテンは「準決勝(の早稲田大戦)に勝利して一つになれたと思います。キャプテンとして(帝京大の)初優勝を歴史に刻むことができたのは良かった」とホッとした表情を見せた。
惜しくも優勝を逃した明治大の共同キャプテン・山村が「(最後は)逃げ切ればいいという気持ちになってしまったのが、逆に、強気なプレーにつながらなかったのかな」と言えば、もう一人の共同キャプテンである仲間は「15人制だけでなく、セブンズの活動もいっぱいしている中で、それをチームに落とし込んで戦ったつもりだったが、キックオフなどの修正がしきれなかった」と肩を落とした。
活躍目立った両チームの新1年生
帝京大だけでなく、明治大も阿部を筆頭に、長谷川諒(報徳学園)、大和哲将(佐賀工業)らの1年生の活躍が目立った大会となった。
25回目の東日本大学セブンズは、大学選手権3連覇中の帝京大の初優勝で幕を閉じた。来週から関東大学ラグビー春季大会が始まり、今季もいよいよ15人制のシーズンが始まっていく。