秋シーズン開幕 関東対抗戦・リーグ戦で新人躍動、明大・白井は開幕戦ハットトリック
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9月7日、今年もいよいよ関東大学ラグビーが開幕した。2週間が経過し、関東大学対抗戦は全8チームが1試合ずつ試合を行い、関東大学リーグ戦は4校が2試合、4校が1試合ずつ対戦した。そんな中、両リーグとも1年生選手の活躍が目立った。当然1年生選手が活躍することで各チームとも活性化し、選手層の深みにつながる。そこで対抗戦、リーグ戦で開幕戦に出場したルーキーをまとめてみた(☆は2023年度高校日本代表選手)。
順当な開幕の対抗戦、波乱含みのリーグ戦
今年から勝ち点制度の勝ち点が変更された(昨年まで勝ち=4点、引き分け=2点、負け=0点)。新たに勝ち=5点、引き分け=3点、負け=1点(不戦勝=6点、不戦敗=0点、不成立=3点)となり、ボーナス点として7点差以内の敗戦と3トライ差以上の勝利で勝ち点1が与えられることは変わらない。
今年も上位5チームが大学選手権に出場できる対抗戦は帝京大学、早稲田大学、明治大学、筑波大学の昨年の上位4チームがいずれも開幕戦で勝利した。
一方、上位3チームが大学選手権に出場する関東リーグ戦は、暫定だが大東文化大学が連勝スタートで首位に立ち、日本大学は連敗スタートとなった。7連覇を狙う王者・東海大学は関東学院大学に勝利し白星スタートを切ったものの、昨年2位の流通経済大学は7位の立正大学に敗れるなど、今年も関東リーグ戦は混戦となりそうだ。
帝京は福田大和ら4人先発、明治・白井瑛人はPOMに
まず対抗戦から見ていきたい。67-6で開幕戦を飾った昨年の対抗戦の王者帝京大はLO坪根章晃(東福岡☆)、「ジャパンタレンドスコッド」合宿に参加したFL福田大和(中部大春日丘☆)、春の7人制大会で優勝に貢献したSO福田正武(國學院栃木)、CTB佐藤楓斗(尾道☆)の4人が先発し、ベンチからWTB神田丈英(常翔学園)も出場した。帝京大学は伝統的に1年生を積極的に起用し、リーダーとして育てる文化があるため、4人は将来のキャプテン候補となるはずだ。
敗れた昇格組の日本体育大学は後半途中から控えPR中林勇希(明和県央)が出場した。
2位の明治大は札幌で青山学院大学と対戦し73-17で快勝した。SO萩井耀司(☆)、WTB白井瑛人(☆)の花園王者・桐蔭学園出身の2人が先発、U20日本代表に飛び級で選ばれていたWTB白井はハットトリックを達成し、ルーキーでPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。なお10番はSO萩井と、U20日本代表のSO伊藤龍之介&SO伊藤利江人(ともに2年)の3人を競わせていく方針だという。
青山学院大学はFL松﨑天晴(東福岡☆)、WTB山本啓太(常翔学園)の2人が先発し、控えからLO角谷銀次朗(京都成章)、SO/FB井上晴生(東福岡)が出場を果たした。
慶應・小野澤は先発、早稲田・服部、筑波・井上は途中出場
昨年3位だった早稲田大は前半こそ苦戦したが、立教大学に57-6で快勝した。WTB田中健想(桐蔭学園)が先発しトライを挙げて、3月の高校日本代表遠征で左肩を痛めたSO服部亮太(佐賀工業☆)が控えから初めて公式戦に出場、ロングキックで会場を沸かせた。春から先発を続けていたNO8城央祐(桐蔭学園☆)はコンディション不良だったが、しばらくすれば出場できる見込みだという。
大学選手権出場を狙う立教大はLO高尾将太(川越東)とWTB村上有志(東福岡)の2人が先発し、ベンチからNO8中山英琥(東福岡)が出場した。
昨年4位の筑波大学は、5位だった慶應義塾大に34-12で勝利した。春からずっと先発していたLO/NO8中森真翔(桐蔭学園☆)こそ出場しなかったがPR茨木海斗(東福岡)が先発、HO浜浦幸太郎(中部大春日丘)、SH井上達木(佐賀工業☆)、SO/CTB岡本泰一(茗渓学園)の3人がベンチから出場した。
創部125周年を迎えた慶應義塾大学もFL中野誠章(桐蔭学園)、CTB田村優太郎(茗渓学園)、5月に日本代表に向けた強化合宿にBKでは大学1年生で唯一参加したFB小野澤謙真(静岡聖光学院☆)の3人が先発し、控えからPR井吹勇吾(桐蔭学園☆)が出場した。
東海大浦本はSOで先発、立正大は先発に新人7人
続いて関東リーグ戦だ。7連覇を狙う東海大学は、前半こそ昇格組の関東学院大に苦戦したが、61-31で勝利した。開幕10番はSO浦本明惟(松山聖陵)が背負い、後半13分から出場したHO川村航平(茗渓学園)も躍動した。
関東学院大もSO浅場博登(朝明)が10番を背負い、WTBシアレ・ハラ(札幌山の手)も先発した。控えからWTB山川誠人(鹿児島実業)も出場した。
昨年2位だった流通経済大学は7位だった立正大学に27-31で黒星スタートとなった。FL佐藤椋介(流通経済大柏)と、控えから韓国からの留学生LOキム・ボムソックが出場した。
立正大はルーキー7人が先発し、若い力で開幕戦勝利を挙げた。フィジー出身LOテビテ・アフェアキ&ナミビア出身LOオリバー・クルツの身長2mコンビ、U20日本代表のNO8舛尾緑(東福岡)、SO渡邉大樹(桐生第一)、WTB西山綾生(倉敷)、WTB吉田碧那(湘南工科大付属)が先発。控えからSH山上慶吾(東福岡)、フィジー出身のWTBシミオネ・カカウニキオが出場した。
開幕2連勝の大東文化は大方が連続先発
昨年3位の法政大学は1勝1敗スタートとなった。HO花澤祐太(法政第二)、FL大沢空(秋田工業)が先発し、控えからFB佐川一眞(専大松戸)、CTB渡辺圭祐(中部大春日丘)が出場している。
開幕から東洋大学、日本大に連勝して暫定首位に立ったのが昨年4位の大東文化大だ。WTB大方維織(青森山田)が2戦連続先発し、控えからオーストラリアの高校出身のNO8ノア・トファエオノ、FB小澤匠(札幌山の手)が出場した。
同じく1勝1敗スタートとなった東洋大は開幕戦でCTB五十嵐舜悟(川越東)が先発し、控えからSH生田旭(國學院栃木)が出場。連敗スタートとなった日本大は控えからSH神崎朝飛(日大藤沢)が出場した。
すでに公式戦で出場を果たした選手は、昨季の「花園」こと全国ラグビー大会の王者・桐蔭学園、準優勝だった東福岡を筆頭に、ベスト4だった佐賀工業、茗渓学園、常翔学園など花園常連校の出身選手や高校日本代表選手が多いが、惜しくも花園に出場できなかった選手たちも数多く出場を果たした。大学ラグビーという新しいステージにチャレンジしつつ、大きく羽ばたいてほしい。