アミノ酸とともに最後まで走り抜く 法政大学駅伝チームで栄養講習会
競技パフォーマンス向上は「練習」「休養」「栄養」から
講習会のテーマは、アスリートにとって重要な食事や栄養素、コンディショニング調整について。講師を務めた柏木直さんは、パフォーマンスを向上させる3つの要素は「練習」「休養」「栄養」だとしたうえで、「体重の変化を見ながらエネルギーバランスを判断し、自分の目標に合わせて食事量を調整することが大切」だと話した。では、どうやって食べればよいのか――。
陸上の長距離選手は1日に3500~4000 kcalのエネルギーが必要になる。まず5大栄養素の炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンをバランスよく摂取することが重要になってくる。中でもカラダづくりのためには、たんぱく質を効率よくとることが大事だ。朝食をしっかりとり、練習前後では補食も活用する。補食とは目的に応じて必要な栄養を必要なタイミングでとることだ。
選手たちがペンを走らせ、積極的にメモをとっていたのは試合前、当日の食事や補食のとり方だった。試合前は主食を多めに主菜は少なめであっさり。当日は、試合時に胃袋に食べ物を残さない、体内にエネルギーが十分蓄えられた状態にすることがポイントになる。消化・吸収時間と試合開始までの時間を考えて、食事や補食をとることを柏木さんは推奨した。
「『何を食べるか』ではなく、『何のために食べるか』。カラダづくりや試合対策など、選手それぞれの目的に応じて栄養素や献立を考えていってほしい」とまとめた。
アミノ酸はアスリートにとって必要な栄養素
練習前後や運動中に補給する補食は、目的に応じて、必要な栄養素をしかるべきタイミングでとることが求められる。カラダの主な構成成分の約20%はたんぱく質であり、その中身はたった20種類のアミノ酸で構成されている。
筋肉もアミノ酸からできているので、運動する際はしっかりとたんぱく質やアミノ酸を摂取することが重要になる。特に、体内でつくることができない必須アミノ酸(EAA)は、コンディショニングに大きく影響している。
アミノ酸について、柏木さんはさらに詳しく説明してくれた。肉、魚などの食事からたんぱく質に含まれるアミノ酸をとろうとすれば、吸収までに3時間~4時間かかり、カロリーも上がってしまう。一方、アミノ酸を直接摂取すると、約30分で吸収でき、カロリーも抑えられるという。柏木さんは「アミノ酸の強みは必要なタイミングで素早く摂取できること」と説明した。
試合前後やレース中、シーンに合わせてアミノ酸を摂取
ここで知っておきたいのは、アミノ酸は種類が違えば、性質、役割も異なってくること。例えば、BCAA(分岐鎖アミノ酸)は体内で作ることができない重要なアミノ酸で、効率的に摂取する必要がある。
重要なのは運動前、運動中、運動後など、アミノ酸の種類により摂取するタイミングだ。各アミノ酸の具体的な働きを理解した上で、トレーニング中のカラダ全体のコンディショニング、長距離レース本番での栄養補給など、シーンを意識して自分に必要な栄養素を摂取していくことが大切だ
運動中は水分補給も重要だ。発汗で多くの水分が失われる前にこまめな補給を心がけること。水だけでなく、体内の水分量を調整するナトリウム、カリウム、筋肉の収縮をサポートするカルシウムも含むミネラルも同時に失われているので、ミネラルの補給も必要になってくる。
最後に柏木さんは「レース当日、食事や補食をどんなタイミングでとったか、その結果、調子がどうだったか記録することを、ぜひルーティン化してみてください」とアドバイス。栄養補給がコンディション調整にどう影響するかを自身で検証することが、レベルアップにつながると訴え、講習会を締めくくった。
競技力があがると、栄養に関する選手の意識も高まった
聞きながら何度も深くうなずいていた坪田智夫監督は「補食として栄養のとり方、タイミングが勉強になりましたね」としみじみと話す。特に夏の時期は食事量を落としたくないこともあり、練習後にカロリーを抑えて摂取できるアミノ酸に興味を示していた。「運動前に摂取しても練習にあまり影響しないのはいいですね」
法政大で練習以上に大事にしているのは、食事、補食も含めたコンディショニングだそう。特にリカバリーには注意を払っている。競技力が上がるにつれて、栄養に関する選手の意識も高まっている。
コンディショニングを意識し、チーム目標達成へ
講習後のアンケートでは、「補食のとり方など試合前の食事の仕方などを見直せた」「自分にとって必要な栄養素は何なのか詳しくわかった」「改めてアミノ酸の大切さについて理解することができた」などの感想が寄せられた。
2024年1月にあった学生駅伝の6区で区間賞を獲得したエースの武田和馬(4年、一関学院)は、中学生の頃からコンディショニングに気をつかってきた。「練習前、試合前にエネルギーを補給するようにしています」。今回の講習会を通して栄養補給に関する知識をさらに深めた。
キャプテンの小泉樹(4年、國學院久我山)もコンディショニングへの意識は高い。運動前にはゼリータイプのもので、積極的にたんぱく質を摂取するようにしている。それでも、「アミノ酸に関しては、そこまで意識したことはなかったです」と勉強になったと言う。「これまで正解がいまひとつ分からなかったのですが、きょうは『答え』に近いものを教えてもらった気がします。コンディショニングの方法をより充実させて、最後のレースは最高の形で終えたい」と抱負を語った。
今季、法政大のチーム目標は、正月の大舞台で総合5位以内に入ること。今回の栄養講座で得た情報も貪欲(どんよく)に吸収し、万全のコンディションで本番を迎えることを誓う。
最後まで崩れないカラダへ~
【特長】
・スポーツ時に大切なアミノ酸(9種類のアミノ酸からなるロイシン高配合必須アミノ酸+シスチン、グルタミン)3800mg。
・スポーツ栄養科学研究から生まれたアミノ酸組成で、日々スポーツを続けたい方のカラダ全体のコンディショニングをサポートします。
・さっと口どけの良い顆粒状で、飲みやすいグレープフルーツ味(無果汁)です。
【飲み方】
・トレーニングの前後、試合の前がおすすめ。
・水などの飲料と一緒にそのまま。
【標準栄養成分】
1本(4.4g)あたりの栄養成分
エネルギー:17Kcal/たんぱく質:3.8g*/脂質:0.08g/炭水化物:0.4g*/食塩相当量:0.06g/ビタミンA:181μg/ビタミンB1:0.9mg/ビタミンB2:0.7mg/ビタミンB6:0.7mg/ビタミンB12:0.9μg/ナイアシン:5.0mg/パントテン酸:1.1mg/ビタミンD:1.8μg *推定値
アミノ酸:3.8g(ロイシン:1.03g/イソロイシン:0.27g/バリン:0.28g/グルタミン:1.00g/ シスチン:0.23g/他アミノ酸:0.99g)
【特長】
・持続性エネルギー源アミノ酸(アラニン+プロリン)5,000㎎を配合したゼリードリンクです。最後まで途切れず全力のパフォーマンスを期待できます。
【飲み方】
・運動前、中がおすすめ。
・1日1~3本を目安に、そのままお飲み下さい。
【標準栄養成分】
1袋(130g)あたりの栄養成分
エネルギー:180kcal/たんぱく質:5.0g/脂質:0g/炭水化物:41g(糖質40.7g 食物繊維0.3g)食塩相当量:0.04g (推定値)
アミノ酸:5.0g(アラニン:4.5g/プロリン:0.5g)
ハードな運動後のリカバーに
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・飲みやすいスティックに入った顆粒タイプで、携帯に便利です。
【飲み方】
・トレーニングの後がおすすめ。
・水などの飲料と一緒にそのまま。
【標準栄養成分】
製品(4.7g)あたりの栄養成分
エネルギー:18.7kcal/たんぱく質:4.0g*/脂質:0.09g/炭水化物:0.4g/食塩相当量:0.001g* *推定値
アミノ酸:4.0g(ロイシン:1.60g/イソロイシン:0.43g/バリン:0.44g/他アミノ酸:1.54g)
【特長】
・運動時に大切なアミノ酸(BCAA+アルギニン+グルタミン)1500mgと運動時に不足しがちな栄養素が入った500mlの水に溶かして飲めるハイポトニック飲料です。
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・運動時でもすっきり飲めるグレープフルーツ味(無果汁)。
【飲み方】
・本品1本(7g)を500mlの水に溶かしてお飲み下さい。
【標準栄養成分】
1本(7g)あたりの栄養成分
エネルギー:24kcal/たんぱく質:1.5g/脂質:0g/炭水化物:4.6g/食塩相当量:0.6g/ビタミンB1:0.4mg/ビタミンB2:0.6mg/ビタミンB6:0.4mg/カリウム:100mg/カルシウム:40mg (推定値)
アミノ酸:1.5g(ロイシン:0.5g/イソロイシン:0.25g/バリン:0.25g/アルギニン:0.25g/グルタミン:0.25g)