陸上・駅伝

特集:第101回箱根駅伝

箱根駅伝、エントリー上位10人のハーフマラソン平均タイムを算出 トップは駒澤大学

チームを牽引する駒澤大学・篠原倖太朗(左)と山川拓馬(右、撮影・佐伯航平)

2025年1月2日、3日に第101回箱根駅伝が開催される。ここでは12月10日に発表された16人のエントリーメンバーの資料に記載されたタイムから、各チーム上位10人のハーフマラソンの平均タイムを速い順に紹介する。

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「3強」が平均タイム上位3位に君臨

平均が1時間2分台のチーム 

駒澤大学   1時間02分01秒
國學院大學  1時間02分09秒
青山学院大学 1時間02分25秒
創価大学   1時間02分46秒
中央学院大学 1時間02分46秒
大東文化大学 1時間02分47秒

全21チーム中、10人の平均タイムが最速だったのは駒澤大学。10000mの平均タイムは記録を持っている選手の少なさから最下位になったが、ハーフマラソンでは強豪の本領を発揮した。チーム内トップは、1時間00分11秒の日本学生記録保持者、篠原倖太朗(4年、富里)。次いで伊藤蒼唯(3年、出雲工業)、山川拓馬(3年、上伊那農業)、11月の上尾シティハーフマラソンで2位に入り自己ベストを更新した帰山侑大(3年、樹徳)までが1時間2分を切る。藤田敦史監督から期待を寄せられるルーキー、谷中晴(1年、帝京安積)も同大会で1時間02分05秒の好記録で走っており、出走に期待がかかる。

上尾ハーフ2位の駒澤大学・帰山侑大(右)と3位の村上響(左、撮影・宮澤希々)

続いて2位は出雲駅伝、全日本大学駅伝で優勝を飾った國學院大學。1時間00分43秒の自己ベストを持つ山本歩夢(4年、自由ケ丘)がチーム内トップ。エース・平林清澄(4年、美方)と1年時から箱根路を走っている高山豪起(3年、高川学園)が1時間1分台、チーム内5番手には1時間02分15秒の鶴元太(4年、八千代松陰)が入っている。鶴はこれまで3大駅伝への出走はないが、最初で最後の箱根駅伝出走はなるか。

國學院大學・高山豪起は5月の関東インカレ2部ハーフマラソンで3位入賞(撮影・井上翔太)

3位には青山学院大学がランクインし、出雲駅伝、全日本大学駅伝同様”3強”の構図は変わらず、実力は拮抗(きっこう)している。チーム内トップは若林宏樹(4年、洛南)、次いで黒田朝日(3年、玉野光南)、塩出翔太(3年、世羅)までが1時間1分台。1年生には11月の世田谷ハーフマラソンを制した安島莉玖(1年、大垣日大)、同大会4位の佐藤愛斗(1年、小林)らがいる。

前回大会8位だった創価大学は、吉田響(4年、東海大静岡翔洋)を筆頭に、全日本大学駅伝では8区区間2位の野沢悠真(3年、利府)がチーム内2番手、前回は復路のエース区間9区を走った吉田凌(4年、学法石川)がチーム内3番手につけた。なお前回大会2区を走ったスティーブン・ムチーニ(2年、ミクユニ)はハーフマラソンの記録を持っていないため、平均タイムの算出には入っていない。

箱根予選会を5位で通過した中央学院大学が全体5番手。圧倒的エースの吉田礼志(4年、拓大紅陵)が1時間00分31秒の自己記録を持っており、平均を押し上げているのはもちろん、1時間2分台の選手が5人とロードでの強さがある。3月の学生ハーフマラソンを2位でフィニッシュした近田陽路(3年、豊川)は、前回大会9区を走ったが今大会は往路が有力か。シード権を獲得すれば6年ぶりとなる。

前回大会、10位で9年ぶりにシード校に名を連ねた大東文化大学。チーム内トップは11月の上尾シティハーフマラソンで1時間01分38秒のU20日本記録で優勝した棟方一楽(2年、弘前実業)。大学駅伝デビュー戦となった今年の全日本大学駅伝では5区区間6位にまとめた。好調をキープしてチームに貢献できるか。次いで箱根駅伝1区の大学記録を持つ西川千青(4年、九国大付)や1年次から3区を任されている入濵輝大(3年、瓊浦)が控え、上位を狙う。

上尾ハーフでU20日本記録を更新した大東文化大学・棟方一楽(撮影・宮澤希々)

1時間3分1桁台に8校が乱立

平均が1時間03分1桁台のチーム

中央大学   1時間03分03秒
東洋大学   1時間03分04秒
東京国際大学 1時間03秒05秒
※留学生はリチャード・エティーリのみ
法政大学   1時間03分06秒
早稲田大学  1時間03分08秒
帝京大学   1時間03分08秒
城西大学   1時間03分09秒
順天堂大学  1時間03分09秒

平均が1時間03分1桁台には8校がひしめき合う結果に。予選会からの参加になった中央大学は、阿部陽樹(4年、西京)がチーム内トップ。チーム内2番手は3月の学生ハーフマラソンで4位入賞、箱根駅伝予選会でもチーム内トップでゴールした好調の白川陽大(3年、大塚)。前回大会は復路のエース区間9区を走ったが今大会はどうか。東洋大学のチーム内トップは、今年2月の丸亀国際ハーフマラソンで1時間01分42秒の自己ベストを出した緒方澪那斗(3年、市立船橋)。出雲駅伝は11位、全日本大学駅伝は13位と苦しんだ駅伝シーズンを過ごしたが、20年連続のシード権は渡せない。

東洋大学・緒方澪那斗は全日本大学駅伝エース区間の7区を走った(撮影・佐伯航平)

59分32秒のハーフマラソン学生記録保持者のリチャード・エティーリ(2年、シル)擁する東京国際大学は全体9番手。前回大会は本戦出場を逃し涙をのんだが、今大会は予選会を8位で突破。シード権獲得を目指す。早稲田大学は山口智規(3年、学法石川)と伊藤大志(4年、佐久長聖)が1時間1分台の記録を持つ。山口は2025年度の主将に就任し、エースと主将、2つの大役を担うことになる。

今大会唯一のハーフマラソン1時間切りランナー・東京国際大学のリチャード・エティーリ(撮影・藤井みさ)

予選会を11位の東京農業大学とわずか1秒差で突破した順天堂大学も実力は十分。1時間1分台には浅井皓貴(4年、豊川)と海老澤憲伸(4年、那須拓陽)。前回大会同様、往路への起用が予想される。ハーフマラソンの記録はないものの、玉目陸(1年、出水中央)は12月1日に行われた熊本甲佐10マイルロードレースで、実業団選手を抑えて優勝しており、箱根駅伝に向けてアピールした。

平均が1時間03分2桁台以降のチーム

日本体育大学 1時間03分20秒
関東学生連合 1時間03分36秒
日本大学   1時間03分43秒
立教大学   1時間03分45秒
専修大学   1時間03分47秒
山梨学院大学 1時間03分48秒
※留学生はジェームス・ムトゥクのみ
神奈川大学  1時間04分08秒

日本体育大学は山崎丞(3年、中越)がチーム内トップ。77年連続77回目の出場記録は古豪の証だ。予選会を1位で突破した立教大学は、大学記録を持つ國安広人(3年、須磨学園)がチーム内トップ。トラック競技を主戦場にしているため、ハーフマラソンの平均タイムはこの位置だが勢いと注目度は十分。63年ぶりのシード権獲得を目指す。

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