陸上・駅伝

特集:第101回箱根駅伝

箱根駅伝、エントリー上位10人の10000m平均タイムは? 中央大学がトップに

中大のエース吉居駿恭(左)、前回の箱根では兄・大和が給水を担当した(撮影・北川直樹)

2025年1月2日、3日に第101回箱根駅伝が開催される。ここでは12月10日に発表された16人のエントリーメンバーの資料から、各チーム上位10人の10000mの平均タイムを速い順に紹介する。丸括弧内は前回大会のエントリー時の平均タイム。

【第101回箱根駅伝チームエントリー】シード10校編「3強」に割って入るチームは
【第101回箱根駅伝チームエントリー】予選会突破の10校編 シード権を獲得するのは

MARCH対抗戦で好記録続出

平均が28分30秒以下のチーム 
中央大学   28分15秒62(28分26秒65)
青山学院大学 28分20秒04(28分24秒63)
國學院大學  28分22秒26(28分36秒09)
創価大学   28分25秒93(28分37秒53)

全21チーム中、10人の平均タイムが最速だったのは中央大学。箱根予選会は6位で通過した。11月に行われたMARCH対抗戦では、吉居駿恭(3年、仙台育英)が27分44秒48で中大新記録をマーク、本間颯(2年、埼玉栄)も27分46秒60の自己ベストを記録した。溜池一太(3年、洛南)も7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会で27分台の自己ベストを出している。1年生からは岡田開成(1年、洛南)や佐藤大介(1年、埼玉栄)ら5人がエントリー。昨年の雪辱を果たしたい。

青山学院大学は、5人が持ちタイム28分30秒切りと層の厚さが光った。原晋監督から「エース」と太鼓判を押される鶴川正也(4年、九州学院)がチーム内トップ。11月のMARCH対抗戦で27分43秒33の青学新記録で組トップを勝ち取った。2番手は27分49秒60の黒田朝日(3年、玉野光南)。前回の箱根駅伝は2区区間賞、11月の全日本大学駅伝でも4区区間賞とトラック・駅伝ともに好成績を残している。3番手には、卒業後の競技引退を表明している若林宏樹(4年、洛南)が入り、最後の箱根駅伝に思いを託す。

10000mの青学新記録を打ち立てた鶴川正也(撮影・西岡臣)

出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに優勝を飾り三冠がかかる國學院大學は3番手となった。チーム内トップは27分55秒15の平林清澄(4年、美方)。4月には平林も応援に訪れた世田谷陸上記録会で青木瑠郁(3年、健大高崎)が28分02秒00の自己ベストをマークした。全日本大学駅伝で区間賞を獲得した山本歩夢(4年、自由ケ丘)や野中恒亨(2年、浜松工業)らも順当にそろい、優勝を狙える布陣だ。

前回大会8位だった創価大学のチーム内トップは27分41秒52のタイムを持つスティーブン・ムチーニ(2年、ミクユニ)。続いて駅伝で圧倒的な力を発揮する吉田響(4年、東海大静岡翔洋)がチーム内2番手だった。チームは出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに4位。上位3校の”3強崩し”に燃える。

創価大のスティーブン・ムチーニはケガで出雲を回避したが、全日本で復帰(撮影・松崎敏朗)

28分台は計17チーム 駒澤が最下位に

平均が28分31秒~59秒のチーム

大東文化大学 28分33秒18(28分36秒16)
城西大学   28分34秒41(28分41秒61)
日本大学   28分38秒60(28分53秒45)
東洋大学   28分39秒49(28分49秒07)
中央学院大学 28分40秒61(28分46秒46)
帝京大学   28分41秒52(28分55秒71)
順天堂大学  28分41秒74(28分56秒85)
東京国際大学 28分44秒80
※留学生はリチャード・エティーリのみ
日本体育大学 28分47秒27(28分57秒23)
早稲田大学  28分48秒59(28分59秒07)
関東学生連合 28分52秒78
法政大学   28分56秒47(28分57秒06)
山梨学院大学 28分59秒59(29分03秒27)
※留学生はジェームス・ムトゥクのみ

平均が28分31秒~59秒のチームは12チームある。大東文化大学はピーター・ワンジル(4年、仙台育英)が外れたものの、入濵輝大(3年、瓊浦)や西川千青(4年、九州国際大付)を中心に戦う。前回大会チーム最高の3位だった城西大学は「山の妖精」こと山本唯翔(現・SUBARU)の卒業後、チーム全体でその穴を埋めるべく練習を重ねてきた。11月末の八王子ロングディスタンスでは、斎藤将也(3年、敦賀気比)が27分45秒12の城西大学日本人記録を打ち立て、上位10人の平均タイムは昨年から約7秒縮んだ。

前回大会4位の東洋大学は、石田洸介(4年、東農大二)が5月の関東インカレ1部10000mで記録した28分08秒29がチーム内トップ。同大会1部5000mで5位、全日本大学駅伝関東地区選考会1組でも組トップと好調のトラックシーズンを過ごした松井海斗(1年、埼玉栄)が3大駅伝初エントリー。夏以降は首のヘルニアに悩まされたが、復調傾向だ。予選会5位で本戦出場を決めた中央学院大学は、27分47秒01のタイムを持つエース・吉田礼志(4年、拓大紅陵)に頼らないチーム作りをしてきた。11月上旬の日体大記録会では、堀田晟礼(4年、千原台)が28分27秒45と自己ベストを更新し、チーム内2番手にランクインした。

5月の関東インカレ男子1部10000mで復活を印象づけた東洋大の石田洸介(撮影・藤井みさ)

早稲田大学は山口智規(3年、学法石川)と石塚陽士(4年、早稲田実業)の2人の27分台ランナーを擁する。吉倉ナヤブ直希(1年、早稲田実業)は12月1日に行われた日体大記録会で自己ベストを更新し、チーム内5番手につけた。

平均が29分台のチーム

立教大学   29分00秒01(28分55秒24)
神奈川大学  29分03秒14(28分52秒65)
専修大学   29分03秒43
駒澤大学   29分04秒37(28分21秒17)

全日本大学駅伝初出場にしてシード権を獲得した立教大学は、惜しくも平均29分台となった。前回大会3区8位の力走を見せた馬場賢人(3年、大牟田)をトップに、山本羅生(4年、松浦)、林虎大朗(4年、大牟田)と続く。チームの目標はシード権獲得だ。

全日本でのシード権獲得に大きく貢献した立教大の馬場賢人(撮影・佐伯航平)

前回大会2位の駒澤大学が上位10人の平均タイムでは最下位という結果になった。それもそのはず、エントリー16人のうち、10000mの持ちタイムがある選手が10人のみ。このうち今年10000mを走った選手は8人に留まっている。それでも佐藤圭汰(3年、洛南)の27分28秒50、篠原倖太朗(4年、富里)の27分35秒05という持ちタイムは今大会にエントリーした日本人選手の中で、1、2番手。けがから復帰予定の佐藤の状態がチームの結果に大きく関わってくるだろう。

【一方、ハーフマラソンは?】エントリー上位10人の平均タイムを算出 トップは駒澤大学

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