太田智樹がハーフマラソンで日本新 「勝負の世界」で見せた仕掛け
香川丸亀国際ハーフマラソンが2日、香川県丸亀市のPikaraスタジアム発着であり、男子はパリ五輪1万メートル代表の太田智樹(トヨタ自動車)が59分27秒の日本新記録で日本選手トップの3位に入った。日本選手2位で全体4位の篠原倖太朗(駒大)も従来の日本記録を上回り、59分30秒の日本学生新。アレクサンダー・ムティソ(NDソフト)が59分16秒の大会新で優勝した。
女子はドルフィンニャボケ・オマレ(ユニクロ)が1時間6分5秒の大会新で制した。併催された日本学生ハーフマラソン選手権は、工藤慎作(早大)が1時間0分6秒で優勝した。
■日本記録の太田「世界のトップと勝負」
納得のレースではなかった。18キロ過ぎ。太田は、前に出た5歳年下の篠原の後ろについた。
「本来は自分が引っ張らないといけない。申し訳ないと思いつつ、勝負の世界なので」
体力的な限界が近づきながら、ここで余力を取り戻した。残り700メートルで仕掛け、鮮やかに逆転。日本記録を33秒更新し、「いつかは破られると思うが、初めて(日本選手で)60分を切ったことは変わらない事実。それがよかった」。
昨年から、駒大の大八木総監督が指導するチームの練習に参加。篠原を含む日本トップクラスの選手と走り込み、「(所属する)チームではレベルの差があり、1人で走ってしまう。目標が近いので切磋琢磨(せっさたくま)して力がついた」。
1万メートルに出場した昨夏のパリ五輪は、大会前の故障が響き、24位に終わった。9月に東京である世界選手権を見据え、「万全な状態でスタートして、世界のトップと勝負したい」。
=朝日新聞デジタル2025年02月02日掲載