サッカー

サッカー 関大、首位の壁を越えられず

DF長井が積極的に攻撃に加わり、チャンスを演出したが……

関西学生リーグ後期第9節

11月10日@大阪・キンチョウスタジアム
大体大(勝ち点48) 3-1 関西大(40)

今節はキンチョウスタジアムを舞台に集客試合として、盛り上がりをみせた。ツイッターでのカウントダウン企画やプロモーションビデオの作成、関大サッカー部が製作したトレーディングカードのプレゼント企画など、ピッチに立つ選手のみならず、多くの部員がこの試合のために準備をしてきた。

関関戦を2-0で制し、4失点した桃山大戦の悪夢を払拭(ふっしょく)したはずだった。しかし今節、再び連続失点が関大を襲う。リーグ優勝目前の大体大を前に関大の攻撃が封じられた。前期には、無敗で首位を独走していた大体大を3-1と下した関大。後期も「全員サッカー」を武器に挑んだが、勝ち点3を譲り渡すこととなった。

立て続けに2失点、巻き返しを狙うも……

前田雅文監督が「内容が悪かったり、圧倒的に相手が強いことはあんまりない」と話すように、上位の相手であっても、ほとんどの試合で主導権を握ってきた。今節も関大アグレッシブなサッカーを貫き、試合開始直後から相手陣地でのプレーを繰り広げた。

この日も4年生のゴールへの意欲が光る。前半5分、MF塩谷仁(4年、磐田ユース)が中盤でボールを奪うと、瞬時に前へ運び、FW加賀山泰毅(4年、JFAアカデミー)へつないだ。右サイドから相手を崩し、クロスで最初のチャンスを演出するも、MF森主麗司(4年、清水ユース)が合わせる前にクリアされる。その後も両サイドからの突破でペナルティエリア付近まで攻め込むも、決定機は訪れない。

前節から連続で先発出場するDF長井一真(2年、興国高)。右のサイドバックとして積極的に攻撃に参加し、チャンスを演出する。この日の最初のシュートを放ったのも長井だった。14分、中盤で相手を1人かわし、シュート。わずかに右にそれたが、存在感は放った。相手のロングボールにはDF荒木隼人主将(4年、広島ユース)、羽田健人(4年、金光大阪)の2枚センターバックが空中戦で強さを発揮。ほとんどの場面で相手に競り勝ち、ボールに触らせなかった。長井やMF中井英人(4年、神戸ユース)が連続してシュートシーンを作るなど、20分が過ぎてもなお、関大のペースは続く。

しかし、その時は一瞬で訪れた。38分、関大は裏を取られると、一気に抜かれ相手がフリーに。GK安川魁(4年、履正社)と1対1となりゴールネットを揺らされた。その5分後、同じく相手に隙を突かれ、荒木隼が対応したが、これがファウル。ペナルティエリア付近からフリーキックを決められ、わずかな時間で2失点した。

後半11分にも簡単にペナルティエリア付近で前を向かれると、決定的なシュートを食らい、まさかの3失点目。何としても1点を返したい関大は、ひたすら前を向く。塩谷が相手の細いパス回しに食らいつき、ボール奪取するなど、あきらめる姿はどこにもなかった。MF澤嵩明(2年、草津東)が左からドリブル突破を試み、FW高橋晃平(3年、草津東)も速い攻めを仕掛けた。やっと思いで1点を返したのは後半41分。ゴール前左から高橋のパスを受けた澤が左足を振り抜いた。喜ぶ暇もなく、試合をリセットし2点目に向かおうとするも時間は待ってくれなかった。試合終了。首位の壁を越えることはできなかった。

「全員サッカーで日本一」をみんなで

残りは2節。勝ち点40の関大の後ろには38の桃山大、37のびわスポ大がじわじわと詰め寄る。インカレ出場を確実なものにするためには、残る2戦の勝利は必須だ。今節での負けを生かせるか。「全員サッカーで日本一」を掲げる関大の真価が問われる。

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