駅伝

特集:第95回箱根駅伝

帝京大が狙う、出雲と全日本に続く歴代最高

帝京大が狙う、出雲と全日本に続く歴代最高
帝京大エントリーメンバーは、4年生が4人、3年生が7人、2年生が4人、1年生が1人


出雲、全日本でともに歴代最高の5位と、勢いにのっているのが帝京大だ。「私が考えたトレーニングの達成率が高い」と中野孝行監督が話すように、選手たちは“自主目標”である「箱根駅伝3位以内」に向けてアクセルを踏んでいる。

「ダサい走り」からの脱却

12月11日に帝京大学八王子キャンパスで開催された箱根駅伝に向けた合同取材には、前日に発表された16人のエントリーメンバー全員がそろった。取材前に中野監督は「ぜひ、いろんなことを聞いてあげてください。それも選手の度胸試しだと思いますので」と話した。

帝京大は例年、チームエントリーの段階では目標タイム、順位を定めない。「いまはまだ手応えを感じてません。ギリギリまでもがきます。それがうちのスタイルでもあると思います」と中野監督が言うように、12月29日の区間エントリーのときに感じた手応えもって、最終的な目標を定める。ただし、選手たちは“自主目標”として「箱根駅伝3位以内」を掲げている。「選手自身が考えて動くことが大切なんです。私が決めることじゃない。ただ、『3位以内になりたいなら、こうした練習が必要だよね』ということは言いますけど」。中野監督の話からも伝わるように、選手の自主性、勝ちたいという願いの強さが、今年のチームの躍進を支えている。

全日本5位の立役者は1区2位で好走した主将の竹下凱(常葉学園橘)だった。ただ、竹下自身はこのレースを「失敗」と表現する。青山学院大の小野田勇次(4年、豊川)を意識するあまり、後ろからやってきた日本学連選抜の石井優樹(関西学院大3年、布施)への対応が遅れた。箱根駅伝でも1区を希望するが、主将らしく「タイムより順位」と言いきる。

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竹下は卒業後、マラソンを見据えてSGホールディングスで走る

竹下は高2までサッカーと陸上の“二刀流”だった。「どっちつかずになるなら」と陸上を選んだが、山を走って鍛えてきた竹下の走りを見た中野監督は「走りながらリフティングしてるみたい」と感じた。前傾姿勢でかかとから着地し、腕を横に振っていた。当時の竹下の5000mのタイムは14分23秒と新入生の中で最速だったが、仲間には「あんな走りに負けるのか」と言われたという。竹下自身も「ダサい走り」という自覚があり、フォーム改善を徹底した。そうした頑張りも含め、中野監督は「大学で本当に成長した選手」と評価している。

勝負度胸のあるルーキー遠藤

チームで唯一5000mを13分台で走る遠藤大地(1年、古川工)について、中野監督は「私はあまりほめない方なんですけど、彼は勝負度胸がある。相手が誰だろうが物怖じしない。高校2年のときからずっとそうで、それで十分だと思います」と評する。今シーズンは5000mで3度自己ベストを更新し、全日本でも4区3位で帝京に勢いをもたらした。

11月の10000m記録挑戦会では総合8位にあたる28分34秒88の自己記録をたたき出した。横井裕仁(4年、津島)は「遠藤はもう1年生じゃないです。めちゃくちゃ強くて、僕が4年間でやってきたものを1年目でほぼできるぐらいポテンシャルが高く、“遠藤さまさま”になるんじゃないかなって感じです(笑)」と期待を込める。その一方で「初めての箱根なんで、遠藤には自由に走ってもらいたいです。失敗したとしても、絶対僕たちで巻き返します」と頼もしい。遠藤自身は「先輩に挟んでもらって思いっきり走りたい」と、3区を希望している。

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遠藤は全日本での4区3位に対し「最低限の走りはできました」

遠藤は仲のいい選手に「1年生全員」を挙げた。箱根駅伝のチームエントリーでは唯一の1年生だが、「4年生になるときには一緒に走って箱根で優勝しよう」と同期で話している。そのトップバッターとして、初めての箱根では区間賞を目指す。「箱根が終わったら何がしたいか」という質問に「ハンバーグが食べたい」と回答。ストレス解消法は寝ること。休みの日に予定がなければ、ずっとベッドで休むこともあるそうだ。

中野監督は「うちは特徴がないのが特徴」と話す。裏を返せば、誰もが堅実な走りができるということだろう。箱根の過去最高は4位。駅伝シーズンに入っての勢いのままに、箱根でも歴代最高をたたき出せるか。

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