アイスホッケー

日体大GK高橋、主将としてのラストミッション

サイズ不足は「技術と頭で補ってきました」とGK高橋

日本学生氷上競技選手権

12月28日@北海道・白鳥王子アイスアリーナ
ファーストディビジョン準決勝 明治大 7-2 日体大

日体大の主将でGKの高橋勇海(いさみ、4年、白樺学園)は、3年ぶりの決勝進出を逃して言った。「準決勝で明治と対戦するのは3年前と同じで、そのときはウチが勝ちました。明治の4年生はその悔しさを忘れてなかったのでしょう。リーグ7位のウチに対して、なめてかかるようなことはしなかった。さすがは明治、今日は完敗でした」

伏兵・日体大の勝利から3年

3年前の日光インカレ準決勝は、第3ピリオド終了時点で2-2。5分間の延長戦でも決着がつかず、日体大はゲームウイニングショットの末に明大を振り切った。当時は中大が強く、明大も並んで「大学2強」と言われていた時期。その明大を伏兵の日体大が破ったのは、大学アイスホッケー界ではかなりの衝撃を持って伝えられた。明大の代名詞である強力オフェンスを封じた立役者が、当時1年生の高橋だった。

しかし、インカレでは3年ぶりとなる再戦で、明大は同じ轍を踏まなかった。「明治は3冠(春の関東選手権、秋の関東リーグ、冬のインカレ)を2年続けて狙ってるチーム。最初からガンガン来るだろうと覚悟してました。失点しても引きずらないように。そう自分に言い聞かせながら守ってました」と高橋。開始3分で失点、さらに16分に失点。第2ピリオド1分にも、反則で一人少ないショートハンドの場面で失点した。味方が第2ピリオド16分に1点を返すまでに6ゴールを許し、この時点で勝負を決められた。

明大から49本のシュートを浴びた

高橋の高校時代を振り返ると、1年生の冬からスタメンでマスクをかぶり、2年生のときにはインターハイで優勝。高橋の学年はGKの当たり年といわれ、東洋大の古川駿(八戸工大一)、中央大の金子将太朗(駒大苫小牧)らと競い合ってきた。とはいえ高橋がU18、U20日本代表、ユニバー代表に選ばれたことは一度もない。最終合宿に呼ばれながら、最後は164cmの身長がネックになった。「サイズのことはずっと前から言われてきたので、気にしてないです。トップリーグにも行けませんでしたが、濃い4年間でしたよ。とくに今年キャプテンをやらせてもらったのは、大きかったです」

試合後、高橋は東洋大のライバルである古川に熱い視線を送っていた

日体大のユニフォームを着てプレーするのも3位決定戦だけとなった。「個々の力でいえば、関東リーグ7位のウチはベスト4の中で一番落ちる。でも、インカレはそういうのは関係ないんですよ」。3年前の自分の経験を後輩たちにも。それが主将の高橋にとって、残された最後の仕事だ。

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