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箱根は予選会からの早稲田、“前哨戦”で強まった危機感

箱根は予選会からの早稲田、“前哨戦”で強まった危機感
日本学生ハーフマラソン選手権で、早稲田のトップは全体30位の三上だった

早稲田大学にとって立て直しの1年が始まっている。昨年の駅伝シーズンは出雲が10位、全日本が15位。そして箱根は12位に沈み、13年ぶりにシード権を逃した。昨年から箱根の予選会はハーフマラソンの距離になり、3月10日の日本学生ハーフ選手権(東京・立川)とほぼ同じコース。相楽豊監督は学生ハーフを“プレ予選会”と位置づけ照準を合わせてきた。しかし、けがなどの事情で主力メンバーがほとんど欠場。三上多聞(3年、早稲田実)が1時間3分46秒で30位に入ったのが最高だった。「スタートする前から、最悪の結果になるべくしてなってしまった」。相楽監督は力なく言った。

けが人ゼロの一年を目指す

相楽監督は昨シーズンを振り返り「狙った試合で力を出しきるといういちばん当たり前のことが、昨年は一年を通してできませんでした」と話した。けがや調整不足が響き、主力の上級生が欠場したり、力を出しきれなかったり。中谷(なかや)雄飛(佐久長聖)ら力のある1年生に頼ったが、経験不足の面が出た。箱根以降は休養期間をつくったが、結局、学生ハーフには間に合わなかった。

新主将の太田智樹(3年、浜松日体)も欠場した。「出た選手以上に出られなかった選手の方が反省すべきだし、これを繰り返してたら去年と同じことになる。ここからしっかり状態を上げて、トラックシーズンにつなげていきたいです」。太田は神妙な表情で言った。

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新主将の太田は調整が間に合わず、学生ハーフを欠場した(撮影・松永早弥香)

チームとして年明けから練習メニューを見直し、現時点でのけが人はゼロになったという。「改革が少しずつ形になりかけてます。今年はけが人がゼロのまま、いつでもベストな力を出せるようなチームをつくっていきます」と相楽監督は話した。

一般入部組の頑張り

収穫もあった。今年の箱根を走った10人から4年生の2人を除いた8人のうち、学生ハーフに出られたのは太田直希(1年、浜松日体)だけ。まだ学生三大駅伝を走れていないメンバーの多くが、自己ベストを更新した。

チームトップだった三上もその一人。1km3分のペースで63分台をマークし、自己記録を1分以上縮めた。「周りの大学に目を向けると、トップ選手は61~62分台で走りきるペースで集団を形成してます。まだそこで戦えてないのが現状だと思いますし、ここで満足してはいけないと思ってます」と言って顔を引きしめた。5月の関東インカレでは再びハーフマラソンを走り、チームを勢いづけたいそうだ。

チーム2位は初めてハーフマラソンを走った1年生の山口賢助。1時間5分2秒で90位だった。山口は早稲田へ進みたくて、地元鹿児島の進学校である県立鶴丸高校に進んだ。チームを引っ張って練習を積み重ね、5000mでは南九州大会に出場。都道府県対抗男子駅伝で広島も走った。あこがれの早稲田にやってくると、いままでと違って自分よりずっと強い同期がいる中で走る日々となった。「自分が上を目指すために目標となる存在で、ありがたい」と話す一方で「同期に負けたくない気持ちもあるので、ゆくゆくは勝てるようにしっかり頑張りたい」と言った。

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早稲田のチーム2位だった山口も、目標の63分台には及ばなかった

そんな三上や山口の走りに相楽監督は「スポーツ推薦じゃない選手たちがコツコツやってきました。出るべくして出た結果だと思います」と、たたえた。

ゴールデンルーキーたちの心の成長

とはいえ、トータルで見ると早稲田にとって危機感の高まったレースだった。優勝した東洋大3年の相澤晃(学法石川)をはじめ、箱根常連校はしっかり上位争いをしている。「シード権を持ってる大学や優勝候補に挙げられている大学との差を改めて痛感しました」。相楽監督はそう語った。

昨シーズンは上級生がふがいなかった分、余計に中谷や半澤黎斗(学法石川)らのルーキーたちに注目が集まった。彼らの一年を振り返り、相楽監督は「力はあるんですが、やっぱり1年生だったので、いろんな経験値がなかったし、なんとなく試合に出て走ったという感じでした」と話す。しかし駅伝の厳しい結果を受け、チームの主力という自覚が普段から見てとれるようになったという。「彼らを核にして新しい早稲田をつくる」との思いが、相良監督にはある。

危機感で始まった新チームは「予選会トップ通過」「箱根3位以内」を目標に駆けてゆく。

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