陸上

特集:第30回ユニバーシアード

東京国際大・伊藤達彦、学生ハーフ3位で初の世界へ

ガッツポーズのあと両手を広げ、笑顔でゴールする伊藤

第22回日本学生ハーフマラソン選手権

3月10日@東京・立川
3位 伊藤達彦(東京国際大3年、浜松商) 1時間1分52秒

東京国際大学。箱根駅伝ファンには、近年おなじみになった校名だ。駅伝部は2011年の創部。今年の箱根駅伝に2年連続3度目の出場を果たした。そのチームにあって、3年の伊藤達彦(浜松商)はチームで唯一、10000m28分台の記録を持つエースだ。着実に実力を伸ばしてきた男が、日本学生ハーフ選手権で3位に入り、世界への切符をつかみ取った。

意識的に抑えて表彰台

この日のナンバーカードはハーフマラソンの申し込みタイム順に11番から割り振られ、番号の若い人ほど前列からスタートできた。67番の伊藤は前からのスタートとなり、終始先頭集団の中でレースを進めた。練習はしっかり積めていて、このレース前も調子はいいと感じていた。いつもは「調子がいい」「余裕だ」と感じると、前に出すぎてしまい、最終的に自滅する展開が多かったという。今回、大志田秀次監督から言われたのは「あまり前に出るな」。その指示を守って初めは抑え気味に入り、最後まで崩れることなく表彰台をゲットした。

調子はよかったが、監督の指示を守り抑え気味で走った

「ほんとは1位を狙ってたんですけど、最後の2kmぐらいで離れてしまって。追いつけなかったです」。優勝した相澤晃(東洋大3年、学法石川)に離されたあとは、3位以内に目標を切り替えて走ったという。國學院大3年の土方(ひじかた)英和(埼玉栄)と競っていたが、しっかりと粘れて、最終的には2位の駒澤大3年の中村大聖(埼玉栄)とは1秒差でゴール。4位の土方には10秒の差をつけた。

唐津10マイルでつかんだ自信

いままで10000mぐらいまでは自分なりに「こう走ればいい」という感覚をつかめていたが、それより長い距離は「うまく走れない」と感じていた。だが、2月の唐津10マイル(約16.1km)ロードレースで46分31秒(2位)の自己ベストを出し、長い距離に少しずつ慣れてきた感覚があったという。

銅メダルとともに、笑顔の3位ポーズ

この日、自身初のハーフマラソン61分台を出し、東京国際大記録も更新した。立川は細かいアップダウンやカーブが続く難コース。「記録は出にくいかと思った」と言ったが、しっかり結果がついてきた。「長い距離も速く走れるっていう自信になりました。ユニバーシアードもですけど、全日本大学駅伝と箱根駅伝の予選にも生かしていきたいです」。今年の箱根では2区を走り、区間11位。チームは総合15位で、今年も予選会からのスタートだ。チームを引っ張る存在として、伊藤はまだまだ上を目指す。

ナポリ行き決定に「パスポートとらないと!!」

イタリアのナポリで開催されるユニバーシアードの出場内定に「素直にうれしいし楽しみ」と語った伊藤。「パスポートがないんで、すぐ作らないといけないです」と笑った。初の国際大会での目標は、今回負けてしまった相澤にも勝って、世界1位になることだ。新シーズンに向けて、日本のトップランナーの仲間入りをもくろむ。

人生初のサインに戸惑う様子も

「東京国際大学はまだまだ無名だと思うんですけど、その中でもできる選手はいるんだ、という姿を見せていきたいです」。伊藤はキッパリ言った。取材のあとに駅伝ファンからサインを頼まれると、「ええ!? サインってどう書いたらいいんだろう……」と戸惑っていた。

7月に世界の舞台を経験し、9月のインカレ、そして駅伝シーズンへ。集大成となる1年の始まりを前に、伊藤が上々の足跡を残した。

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