自由に!! 同志社大・上野孝輔【わっしょい新編集長】
3月9日、日の長さが感じられる季節。深夜2時を少し過ぎる時間。普通なら人が寝ているような時間。そのはずなのに、まわりにはパソコンをカチカチとたたく音が鳴りやまない。パソコンからのぞく景色は、文章ばかりのものや、写真が表示されたもの、新聞の紙面が映し出されていたり、まっさらな画面が映し出されていたりと、さまざまだ。そしてなぜか私は学校の部室で、朝が来るのを待ちわびている。
私が編集長になり、第41代同志社スポーツアトム編集局が始動しておよそ3カ月。代が変わって初めての紙面の編集となった。アトムでは年6回の新聞を発行する機会があり、そのたびに「編集期間」と称して約1週間、紙面づくりのために時間を費やす。
アトムの強みは取材から写真撮影、さらには紙面のレイアウトまでをすべて自分たちでやるところにある。自分たちで一眼レフを片手に試合会場へ向かう。活躍した選手たちの声を聞き、文章化して記事を書く。イラストレーターを駆使した紙面構成で、自由自在にレイアウト。自らの手でつくり上げられた新聞は、部員全員が胸を張って誇れるモノとなる。
昨年の新聞コンテストではコラム賞をつかんだが、そのほかでは苦汁をなめている。とくに関西学院大には同じ関西の大学内でも先を行かれている。写真、記事、レイアウト、あらゆる面で後手に回っている同志社。西の雄となるべく、新たな進化を求め続ける。
同志社の師、新島襄の教え「自由」のもと、集まった同志社アトム。その数は現状40人を超え、大学新聞界でも一、二を争う大所帯となった。曲者ぞろいをまとめることに苦痛を感じることもある。だがそれを超えるほどの楽しさが、アトムにはある。「自由」な考えを持つ部員たちがつくり上げる新聞は、想像を超えた発想を生み出す。
流れる季節の途中で、移り変わる景色を世界の人々に届ける。「自由」の気持ちを心に秘め、規格外の新聞を作り上げる。最高の記事を書くため、どこまでも飛んでいく。空越え山越え海越えて、それいけアトム。夜明けはすぐそこに迫っている。