同志社準硬式・佐藤、チーム一体で日本一奪還を
同志社大学準硬式野球部には70年以上の歴史がある。現在、主将を務めるのは新4回生で内野手の佐藤唯斗(花巻東)。身長188cmと恵まれた体ながら、泥臭いプレーもいとわず、チームをしっかり支えている。
花巻東の先輩から託された主将の座
昨年、佐藤にとって特別な存在の先輩がいた。同じ岩手の花巻東高校出身で、前主将の小熊雄飛だ。同志社に来てからは寮で同じ部屋になったり打順が並んでいたりと、気づけばいつも側にいた。
昨年は春の関西六大学リーグを無敗で制覇。5月の関西選手権では春秋通じて4連覇を達成した。目標の全日本大学選手権2連覇へ着実に歩んでいたが、夏の本大会は1回戦敗退。まさかの結果だった。
「お前のチームが頑張る姿を見せてほしい」。大会後、小熊からそう言われた佐藤は心に誓った。「先輩のためにも、やるからには日本一を目指そう」
しかし、新チームで臨んだ秋のリーグは3勝6敗1分に終わった。攻守の要が抜けた中で、どうしたら勝てるのか。試行錯誤を繰り返す中、課題として浮かび上がったのは組織力不足だった。
佐藤は動いた。全員の意見をチームに反映させるためにアンケートをとり、個人面談もした。練習後には積極的にコミュニケーションをとったり、学年間の風通しをよくするため、食事の場を設けたりもした。試合では若手を積極的に起用。チーム全体のボトムアップにつなげようと試みた。
同志社らしい全員野球を求めて
チームの組織力は上がった。春のリーグでは2、3回生が4回生に負けじと投打に存在感を見せ、彼らの背中を押す声がベンチから響く。スタンドからエールを送る部員たちの士気も高いまま。これこそ佐藤が求めてきた同志社らしい全員野球だ。
今年、佐藤が掲げる目標は日本一の奪還。もっとも、部員全員が喜べない日本一では意味がない。同志社大学準硬式野球部に関わるすべての部員が心の底から喜んだり、悲しんだりできるチームにするために、佐藤は一人ひとりを大切にしながら目標達成を目指す。