初V狙う法大 後半の怒濤の攻めも実らず、中大に黒星
長き戦いの幕が上がった。悲願のリーグ戦優勝を狙う法政大は、初陣の相手に2部からの昇格チームである中央大を迎えた。なんとしても勝利し、弾みをつけたい。そんな思いとは裏腹に苦しい試合となり、僅差で敗れた。
開始早々に1点奪われ、さらに2点
開始直後の3分、法大は右サイドのセンターライン付近でボールを奪われると、そのまま中大のMF大久保智明(3年、東京Vユース)のすばやいショートカウンターを受けて失点。その後も中大に押し込まれる時間帯が続いた。すると前半28分、左からのグラウンダーのコーナーキックを相手選手が二アでフリックし、中央寄りにマイナスに流れたボールを大久保にたたき込まれて失点。早くも大きなビハインドを背負った。
法大はMF紺野和也(4年、武南)と右サイドバックの関口正大(3年、新潟明訓)が高い位置から相手を崩し、攻撃のチャンスを引き寄せる。MF下澤悠太(4年、柏U-18)のフリーキック、さらに189cmの長身FWの松澤彰(4年、浦和ユース)を生かしてシュートを放ち、ゴールに迫る場面を度々演出した。それでも中大の強固なブロックに阻まれ、前半は終了。0-2で試合を折り返した。
後半は上田も投入、14本のシュートも……
追いつきたい法大は、後半開始と同時にセンターバックの蓑田広大(2年、青森山田)に代えて、今シーズンから主将に就任したDF加藤威吹樹(いぶき、4年、広島ユース)を投入。さらに2トップの一角の松澤に代え、U22日本代表のFW上田綺世(あやせ、3年、鹿島学園)を送り込んだ。
するとゴールに迫るシーンが頻発。加藤と下澤がボールを進めてパスを散らし、左サイドバックの高木友也(3年、法政二)や右の紺野、関口がサイドからペナルティーエリア付近で待つ上田やFW佐藤大樹(2年、札幌U-18)へボールを送った。20分にはMF橋本陸(4年、西武台)に代え、MF長谷川元希(3年、大宮ユース)を投入。中大を押し込む時間帯が増え、法大が流れをつかんだ。
30分ごろ、加藤からペナルティーエリア内の佐藤へボールが渡ると、佐藤がファウルを受けてPKを獲得。これを佐藤が自ら決め、1点を返した。その後も上田や紺野を中心に何度もゴールを脅かし、後半だけで14本ものシュートを放ったが、ボールは中大のゴールネットを揺らさず。試合終了を告げる長い笛が響き渡った。
試合後、加藤は「決定機を決めきれない差が出た」とつぶやいた。前半から何度もゴールに迫り、計17本のシュートを放っても、ボールはことごとく枠をとらえられなかった。その一方でシュートに至る組み立ての部分には、昨シーズンからの改善が見られた。あとはゴールを陥れる精度を高めるだけだ。
次節の相手は昨シーズンの王者早大だ。今シーズンの法大のスローガンは「勇往邁進」。その言葉通り強敵に果敢に立ち向かい、新主将のもとで今シーズン初勝利を手にする法大の姿に期待したい。