関東新人バスケ 大東文化大、白鷗大に逆転許して2回戦敗退
5月25日に開幕した関東新人戦は、6月4日から本戦に入った。その2回戦、白鷗大-大東文化大という好カードは、白鷗大が持ち味を存分に生かして快勝した。大東文化大にとっては新人戦ながら、チーム全体としての課題が浮き彫りになった試合だった。
白鷗大の「プッシュ」にやられた
序盤に主導権を握ったのは大東大。自慢のディフェンスで白鷗大の攻め手を封じ、第1クォーター(Q)で19-11と流れをつくった。しかし第2Q終盤、大東文化大のインサイドの柱であるディーン・アビブ(2年、北陸)がファールトラブルでベンチに下がると、一気に得点を詰められ、リードは4点にまで縮まった。
後半、白鷗大の勢いはさらに強まった。その勢いをつくったのは彼らの持ち味である「トランジションオフェンス」だ。ディフェンスリバウンドを奪った瞬間、ほかの選手たちは一気に敵陣に向かって走り出す。リバウンダーからパスを受けた選手は「プッシュ」と表現される強く速いドリブルで、一気にレイアップシュートまで持ち込む。
大東大の新人戦主将を担った星野京介(2年、中部大第一)は振り返る。「白鷗はポイントガードだけでなく、4番ポジション(パワーフォワード)の選手までプッシュしてくる。ボールを持った選手の近くにいるヤツが、しっかりその選手をつかまえて守ろうと話し合ってたんですけど、つかまえきれなくて……」
ディフェンスの不具合は、そのままオフェンスの不和につながった。「前半はしっかり守れたからオフェンスのリズムがつくれたんですけど、後半は白鷗のプッシュに対して受けに回ってしまって、いい攻めの形がつくれませんでした」と星野。石川晴道(2年、浜松学院)の3ポイントシュートがよく入ったが、それでもゴール下のシュートに比べると決定率は下がる。大東大はどんどん追い詰められていった。
インサイドを留学生に任せっきりでは……
試合後のミーティングで、大東大の西尾吉弘監督は選手たちに今後の課題を与えたという。
「日本人選手はアウトサイドばかり、アビブだけがインサイドというやり方はやめよう、と。白鷗はサイズがない松下(裕汰、2年、飛龍)や関屋(心、1年、同)も、留学生のセンターを相手にアタックして、体を預けてシュートを決めきれる。見習わないといけません」。星野はそう言って、前を向いた。
大東大はエースのモッチ・ラミン(4年、桜丘)がラストイヤーを迎えている。エース頼みのから脱却する必要性を痛感させられた新人戦は、大東大の下級生たちにとって大きな気づきとなったことだろう。